毒霧で憤死の小波が“世界”のTAJIRIにリベンジ宣言! 勝利した花月はタイトル戦を視野に

 5月20日付けで、GPSプロモーションからスターダムに移籍した小波が、9月26日の東京・新木場1stRING大会で、「Growth」(GPS主催)マットに“凱旋”。ミクスドタッグマッチで、元WWEのスーパースターであるTAJIRIに敗北を喫するも、リベンジを宣言した。
 スターダムに籍を移したものの、日程が重ならないかぎりは、旧所属団体への参戦を許可されている小波は、同大会で、「TAJIRIさんと対戦して、バズソーキックを決めたい」と強く希望し、パートナーには自身のコーチである田中稔を指名。対するTAJIRIは、「強くてかっこいい」との理由で、大江戸隊のリーダーで、ワールド・オブ・スターダム王者の花月をパートナーに起用した。

 現在、稔はHi69とのタッグで、プロレスリング・ノアのGHCジュニアヘビー級タッグ王座を、TAJIRIは全日本プロレスが管理するGAORA TV王座を保持しており、なんとも豪華なミクスドマッチが実現した。
 かたくなにTAJIRIを意識した小波は、強烈なキックで果敢に攻め立てるも、強烈なボディスラム連発を食らう。稔と花月も激しくやり合って、まさに男子と女子の垣根を越えた戦い模様となった。小波と花月も、強烈なミドルキックの応酬をするなど、火花を散らした。
 めまぐるしい攻防のなか、花月が「大江戸隊」と書かれたボードを取り出し、エプロンに駆け上がると、その混乱に乗じて、TAJIRIが小波に毒霧を噴射し、バズソーキックを一閃。続けて、花月も毒霧を小波に浴びせ、必殺の大江戸コースターを決めた。視界を完全にさえぎられた小波に、返す力は残っておらず、無念の3カウントを聞いた。
 敗れた小波は「試合には負けるし、目が見えないし、痛いし、バズソーキックを受けたからには、私のバズソーキックを磨いて、リベンジします」とマイク。

 控え室に戻った小波は「今日は世界のTAJIRIさんに、自分の力がどれくらいなのか、全力で立ち向かって、持ち技を打ち込むイメージしてきた。さすがに世界のTAJIRIさんだと、肌で感じた。一発で跳ね返された。バズソーキックは決められずに、バズソーキックを受け止めた、女子のなかでは数少ない選手になった。またリベンジしたい」と雪辱を期した。

 TAJIRIは「小波選手はルックスからして、アイドル系の選手かと思ってたけど、とんでもない。心も骨太の選手でした。花月選手は女子なのに、すごいどっしりした選手で、どちらも素晴らしい選手だった。スターダムはすごい。続きがあるといい。ビックリしました。ヘタな男子のレスラーはうかうかできない。最近、ほかの団体を見る機会がなかったけど、今日で『見てみたい』という思いが出てきた」と、小波、花月を絶賛し、再戦にも前向きな姿勢を示した。

 一方、スターダムの8月18日、新木場大会での「5★STAR GP 2018」レッドスターズ公式戦で、小波に敗れている花月は、その雪辱を果たしたが、「前回の借りを返したいと思ったけど、今日はお祭り。やっぱりシングルでケジメをつけなきゃいけない。それがタイトル戦でもいい」と言及。

 花月は、スターダムの9月30日、名古屋国際会議場大会で、ワンダー・オブ・スターダム王者の渡辺桃との2冠戦に臨むが、防衛して2冠王者になった上で、小波の挑戦を受けることも視野に入れていた。
 また、昨年11月にスターダム所属となって以降、初の他団体参戦となった花月は「男子との対戦はおもしろかった。技の威力もすごかった。でも、男子でも負けたくない。(TAJIRIさんは)最高でした。また組んでいきたい。スターダムにしか出ていなかったけど、空気も違うし、私を知らない人にアピールもしたい。チャンスがあれば、他団体に出て、スターダムを広めていきたい」と他団体出撃にも意欲を見せていた。


難病克服の元Uインター金原が2年7カ月ぶりの復帰戦を白星で飾る

 UWFインターナショナル、キングダム、リングスなどで活躍した金原弘光が、2年7カ月ぶりの復帰戦を自身の白星で飾った。
 金原は昨年9月、難病である化膿性脊椎炎、および感染性心内膜炎を発症し、一時は歩行することすらままならなかった。それでも、不屈の闘志で、病気を克服。9・26新木場では、WILD HEROの16年2月22日、新木場大会以来となる試合に臨んだ。
 金原は池田大輔と組み、GPS初参戦の石川雄規、伊藤崇文と対戦。4選手とも、UWFの流れを汲んだ団体の出身者とあって、目が離せないグラウンドでの関節技の攻防、激しい打撃戦が繰り広げられた。
 最後はブランクを感じさせなかった金原が、オモプラックロック(腕決めフェースロック)で伊藤からギブアップを奪った。
 ちょうど、1年前は歩けなくて、オムツをしていたという金原は「懐かしくてうれしかった。戻ってこれて本当に感謝。ボクには、このスタイルしかできないと思いますが、オファーがあれば、まだまだやっていきたい。病気前はそろそろ終わりかなと思ってたけど、病気を克服してからは、試合をしたくなった。同じ病気で苦しんでる人に、訴えられたらいい」と笑顔を見せた。


デビュー未勝利のマリ卍が茉利に雪辱ならずも初のドローに持ち込む

 GPS、PURE-Jダブル所属で、4月15日の後楽園ホール大会でデビューしたマリ卍が、シングル戦で初の引き分けに持ち込んだ。
 デビューして、6カ月が経ち、いまだシングル戦では未勝利のマリ卍。PURE-Jの6月27日、浅草花やしき大会で、茉利と対戦した際、自身の得意技である卍固めで敗れ、苦汁をなめていた。
 9・26新木場大会では、本人の強い希望により、茉利との雪辱戦を要望し、再戦が決まったが、茉利が「5分もいらない」と発言したことで激怒。マリ卍も「だったら、こっちが5分以内で勝つ」と応戦。GPS・豊島修二会長の裁定で、この一戦は「5分以内で勝ったらギャラ総獲り」で、10分1本勝負となった。
 終始、茉利のペースで試合は進むも、マリ卍も死力を振り絞って食らいついた。9分過ぎ、マリ卍は卍固めを決めようとするも、完全な形には入れず、タイムアップ。
 勝てなかったが、シングル戦では初の引き分けとなったマリ卍は「勝つつもりでいったけど・・・。デビューして半年で、毎日得るものが大きい。なめられたら終わりだと思って、コーチの稔さんに、スタミナ強化をしてもらったけど、結果が残せなかった。負けなかったのが救い。10分じゃ足りないんで、スタミナをつけて、20分、30分の試合ができるようにしたい」とコメント。
 茉利は「成長はしてないけど、余裕ぶっこいてたら、ドローになってしまった。私には負けみたいなもの。初心に戻ってがんばります」と話した。

<その他ダイジェスト>
★オープニング
 東京おとめ太鼓と、悪斗&阿川祐未のリングアナユニットがコラボして、和太鼓の演奏を披露した。

★第1試合 チェリー vs ミスターX
 チェリーの対戦相手は、入場するまで不明だったが、登場したのは仮面を被ったナゾの男。途中で仮面を取って、コスチュームを脱ぐと、どう見ても、“変なオジサン”だった。オジサンはロープ渡りの秘技も披露したが、チェリーの急所攻撃で悶絶。最後はスワントーンボムを食って、あえなく撃沈した。

★第2試合 大和ヒロシ&洞口義浩 vs UTAMARO&後藤恵介
 洞口VSUTAMAROの元WNC対決、大和VSUTAMAROの元WRSTLE-1対決が実現。最後は大和が後藤にフィッシャーマンズ・スープレックスホールドを決めて、貫禄勝ち。

★第4試合 保坂秀樹&KAMIKAZE vs 友龍&三富政行
 高校時代、階級こそ違えど、アマチュアレスリングで活躍した保坂とKAMIKAZEの“北関東同級生タッグ”が約15年ぶりに実現。聾レスラーの友龍、三富のコンビを圧倒し、KAMIKAZEがムーンサルトプレスで友龍を料理。

★インフォメーション
 第4試合終了後の休憩時間に、豊島会長、悪斗&阿川の“悪祐コンビ”がリングに上がり、告知。12月19日、新木場での「Growth5」に長井満也、木藤裕次、フェアーリ日本橋の参戦が決まったことを発表。2019年2月23日(土)、新木場で「HERO20~友龍10周年記念興行」の開催を発表した。また、「Growth」ブランドは12月大会をもって、しばらく封印され、来年3月、4月にGPSの地方興行を開催予定であることをアナウンスした。

<試合結果>
■ GPSプロモーション「Growth4」
日時:9月26日(水) 
会場:東京・新木場1stRING(19時) 観衆未発表

<10分1本勝負>
○チェリー(6分6秒、片エビ固め)ミスターX=変なおじさん●
※スワントーンボム

<20分1本勝負>
○大和ヒロシ&洞口義浩(10分21秒、フィッシャーマンズ・スープレックスホールド)UTAMARO&後藤恵介●

<10分1本勝負>
△マリ卍(時間切れ引き分け)茉莉△

<20分1本勝負>
保坂秀樹&○KAMIKAZE(10分28秒、片エビ固め)友龍●&三富政行
※ムーンサルトプレス

<金原弘光復帰戦 30分1本勝負>
○金原弘光&池田大輔(16分36秒、オモプラックロック)石川雄規&伊藤崇文●

<ミクスドマッチ 45分1本勝負>
○花月&TAJIRI(15分38秒、片エビ固め)小波●&田中稔
※大江戸コースター


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