オレイニクがリアネイキドチョークでハントに一本勝ち激闘の数々にロシアのファンが大熱狂 UFCファイトナイト・モスクワ


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 総合格闘技団体UFC(Ultimate Fighting Championship)は日本時間2018年9月15日(土)から16日(日)にかけて、ロシア・モスクワにあるオリンピスキ・アリーナ・センターにて”UFCファイトナイト・モスクワ”を開催された。
 UFCがロシアに初上陸した今回、メインイベントはヘビー級ランキング8位のマーク・ハント(ニュージーランド 13勝12敗1分1ノーコンテスト)と同11位につけるアレクセイ・オレイニク(ロシア 56勝11敗1分)の一戦が組まれ、”両者の対決にフルラウンドの25分は必要ない”との事前予想通り、試合は1ラウンド決着を見ている。
 試合開始後、2人の距離が縮まるにしたがって会場に詰めかけたファンのボルテージも上がる中、オレイニクの足元を狙い続けたハントが強烈な右ストレートで相手の足元をふらつかせるもダウンは奪えず、一方のオレイニクは持ちこたえただけでなくハントに反撃の左フックを見舞い、お返しとばかりに膝をつかせる。
 勢いに乗ったオレイニクはハントの背後にまわってテイクダウンを決め、試合前に「ハントは首がないから」と語った言葉とは裏腹に、下の状態からハントの首を取ってリアネイキドチョークを仕掛けた。ハントは必死の抵抗を見せたものの、最後はタップアウト。筋肉質な胴体で獲物を絞め殺して捕食することで知られる南米に生息する体長4メートルにもおよぶ大蛇の名前にちなんでつけられたニックネーム”ボア・コンストリクター”の名にふさわしい絞め技でオレイニクが一本勝ちを決めている。
 次回、UFCは舞台をブラジル・サンパウロに移し、日本時間9月23日(日)にイビラプエラ体育館にてUFCファイトナイト・サンパウロを開催する。メインイベントでライトヘビー級ランキング5位につけるジミ・マヌワと同12位のチアゴ・サントスが対戦するほか、アレックス・オリベイラとカルロ・ペデルソリによるウェルター級マッチなど白熱が期待されるカードが組まれている。

■ UFCファイトナイト・モスクワ
日時:現地時間2018年9月15日(土)、日本時間15日(土)-16日(日)
会場:ロシア・モスクワ オリンピスキ・アリーナ・センター

【メインイベント】
<ヘビー級マッチ 5分5ラウンド>
○アレクセイ・オレイニク
 1ラウンド(4分26秒)サブミッション(リアネイキドチョーク)
●マーク・ハント

勝者アレクセイ・オレイニクのコメント
「試合の準備として2通りの一本勝ちを計画して練習していたんだけど、エゼキエルチョークは入っていない。(レッグキックは)確かに感じたし、たぶん、あと3発か4発食らっていたら試合結果に影響した可能性はある。(タイトル挑戦の)チャンスをくれ。あとは見てみれば分かるさ。次が誰だろうと構わないから、俺よりランキングが上位のヤツがいい」

【メインカード】
<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○ヤン・ブラホビッチ
 2ラウンド(2分41秒)サブミッション(ダースチョーク)
●ニキータ・クリロフ

勝者ヤン・ブラホビッチのコメント
「あんなに速くニキータがテイクダウンを取らせてくれるなんて予想していなかった。ずっとスタンディングで勝負してくるかと思っていたけど、テイクダウンを奪えた。ノックアウトかサブミッションを決めるつもりで挑み、今回はサブミッションが決まった。自分にはタイトル挑戦がふさわしいと思うから、その知らせを待つよ」

<ヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○シャミル・アブドゥラヒモフ
 判定3-0(27-30、27-30、28-29)
●アンドレイ・アルロフスキー

勝者シャミル・アブドゥラヒモフのコメント
「3ラウンドに備えてきた。アルロフスキーはとても経験のあるファイターだし、ロシアのUFCファンの前で戦う今回の責任の重さを感じていた。サブミッションで決めたかったのにうまくいかなかったけど、それでも勝った。次はもっとやばい相手と戦いたい。ボクシングのトレーニングをかなりがんばってきたけど、アンドレイがグラウンドで拳にかなりのプレッシャーをかけてきたから、ボクシングの部分ではやりたかったようにできなかった。応援しに来てくれたみんな、ありがとう! UFCは今までで一番の昇進だし、若いみんなが必死にトレーニングをがんばってここに来られるよう刺激を与えていきたい!」

<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○アレクセイ・クンチェンコ
 判定3-0(30-27、29-28、29-28)
●チアゴ・アウベス

勝者アレクセイ・クンチェンコのコメント
「ロシアで初めてのUFCイベントに出場できてうれしい。今回がデビュー戦で、初っ端からかなりやばい相手と戦わないといけなかった。UFCで試合ができるなんて本当にありがたいこと。自分の相手を研究した。オクタゴンでも急激に変わったこととかは何もなかったけれど、俺に対してフロントキックを狙うという新たな戦術を取ってきたんだ。相手のコードを破ってカウンターアタックを仕掛けたけどね。リカバーに1週間使って、その後はまた次の勝利に向けてトレーニングに励むよ」

【プレリム】
<ミドル級マッチ 5分3ラウンド>
○ハリド・ムルタザリエフ
 2ラウンド(5分00秒)TKO
●C.B.ダラウェイ

勝者ハリド・ムルタザリエフのコメント
「勝ったけど、自分のポテンシャルは50%しか見せられていない。モスクワの試合のオファーは完全にサプライズだった。歴史的なイベントだし、夢がかなった。数週間は休む予定で、その後、またトレーニングをスタートする。12月に誰とでも戦えるようにしておく」

<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○ピョートル・ヤン
 判定3-0(30-27、29-28、30-27)
●ソン・ジンス

勝者ピョートル・ヤンのコメント
「いい試合を見せたかったんだ。ソン・ジンスはタフなやつだったけど、仕事は果たした。あっという間の勝利を予想していたのに、試合は最後まで続いてしまったけど、自分の勝利で終われた。アリーナに向かう中で声援を聞いて、集中できたし、パフォーマンスも発揮できた。最高だぜ!」

<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○ルスタム・ハビロフ
 判定2-1(29-28、28-29、29-28)
●ケイジャン・ジョンソン

勝者ルスタム・ハビロフのコメント
「すべて計画していた通りにいったわけじゃないし、もっといい試合をしたかった。今回の相手は以前にマカチェフと戦っているし、俺たちのスタイルがかなり似通っていることも知っていた。相手の動きがとても良くて、どんなパンチも切り抜けていた。モスクワで戦えたことに本当に興奮しているし、友達がみんな見に来てくれたから、力が湧いたし、気持ち的にも体的にもバッチリだった」

<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○マイルベク・タイスモフ
 判定3-0(30-27、30-27、30-27)
●デスモンド・グリーン

勝者マイルベク・タイスモフのコメント
「試合には満足感がある。チームと力を合わせた勝利が必要だったし、それができた。ロシアで戦うなんてすごい。しばらく地元では戦っていないから母国で戦うことは俺にとって大きな責任があった。でも、すべてうまくいったし、勝利は俺のものだ」

<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○マゴメド・アンカラエフ
 1ラウンド(3分09秒)KO
●マルチン・プラフニオ

勝者マゴメド・アンカラエフのコメント
「1ラウンドで勝った。俺が立てた計画通りだ。相手をスタンディングポジションではつかまえられなかったから、テイクダウンを取る必要があったんだ。ロシアで戦うことはとても大きな責任だった」

<ミドル級マッチ 5分3ラウンド>
○ジョーダン・ジョンソン
 2ラウンド(0分42秒)サブミッション(サイドチョーク/裸絞)
●アダム・ヤンディエフ

勝者ジョーダン・ジョンソンのコメント
「試合はうまくいった。俺は優秀なファイターだし、自分がどれくらい優れているかも分かっている。これまでの自分のUFCキャリアは自分が望んでいた通りに行っていなかった。プライベートでいろいろあって、トレーニングに完全に集中できていなかったんだ。ある時は一人きりだったこともある。ランニングマシンと俺を信じてくれる1人だけ。今は違う。最高の場所にいる。チームができて、コミュニティができたから、今はリラックスできるし、しっかりやれる。それが今日の試合にも生きている。ケージに向かう時も今と同じようにリラックスして歩けた。気が散ることは何もない。リラックスして結果を出した。試合の序盤にチョークを繰り出したけど、そこはあれでよかった。もっといい瞬間を待ちたかったし、忍耐強くいきたかった。実際、タイミングはきたしね」

<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○ラマザン・エミーフ
 判定3-0(30-27、30-26、29-28)
●ステファン・セクリッチ

勝者ラマザン・エミーフのコメント
「今回の試合でもっと打撃を見せられたら良かったんだけど、相手に逃げられてしまった。だから、やりたかったことをすべて見せられたわけじゃない。ロシアで史上初のUFCイベントで戦い、勝つことが俺にとってはものすごく重要だった」

<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○メラブ・ドバリシビリ
 判定3-0(30-25、30-25、30-25)
●テリオン・ウェア

勝者メラブ・ドバリシビリのコメント
「相手からは何のサプライズもなかった。彼は素晴らしい人だし、素晴らしいボクサーだ。最高のコーチや元世界チャンピオンと毎日、1日中ずっとトレーニングをしているから、柔術もうまくなったし、今回の相手に対してもテイクダウンして圧倒できた。ゲームプランに沿ってスマートな戦いができたと思う。こういうのを続けていきたい。俺を止めるものは何もないし、俺は誰にとっても危険だ。将来のプランについて話すと、ショーン・オマリーと戦いたい」