ウッドリーがティルを撃破して4度目防衛達成!アンドラージはコバルケビッチを一撃KO!UFC 228

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 総合格闘技団体UFC(Ultimate Fighting Championship)は日本時間2018年9月9日(日)にアメリカ・テキサス州ダラスにあるアメリカン・エアラインズ・センターにて”UFC 228″を開催した事を発表した。
 メインイベントで行われた王者タイロン・ウッドリー(アメリカ 18勝3敗1分)と挑戦者ダレン・ティル(イギリス 17勝0敗1分)のウェルター級タイトルマッチはウッドリーが王者らしい見事な戦略とパフォーマンスでチャンピオンベルトを死守し、4度目の防衛に成功した。
 長身のティルに対してテイクダウンを狙うウッドリーは組み付いて足をかけにいったもののうまく機能せず、最初のラウンドはレフェリーが2度に渡ってブレイクを指示する場面があった。しかしながら、第2ラウンドは開始直後に強烈な右をクリーンヒットさせたウッドリーが背中からマットに倒れ込んだティルにパウンドの嵐を浴びせる展開となり、長い足を生かして懸命に抵抗するティルの一方で、落ち着いて攻撃を組み立てたウッドリーが最後はチョークを決めてタップを引き出し、ティルにオクタゴンで初めての土をつけた。


 圧巻の試合展開を見せたのがセミメインイベントとして行われたジェシカ・アンドラージとカロリーナ・コバルケビッチの女子ストロー級マッチ。開始と同時にコバルケビッチをめがけてラッシュしたアンドラージがコバルケビッチの反撃を受け流し、カウンターの右フックをクリーンヒットさせてダウンを奪い、見事な1ラウンドでのノックアウト勝利を飾った。
 次回、UFCは日本時間9月16日(日)にロシアで初めてとなるUFCファイトナイトを開催される。舞台はモスクワのオリンピスキ・アリーナです。UFCファイトナイト・モスクワのメインイベントはヘビー級マッチが組まれ、総合格闘技界のレジェンドである”スーパー・サモアン”ことマーク・ハントが”ザ・ボア・コンストリクター”の二つ名を持つロシアのアレクセイ・オレイニクが対戦する予定。

■ UFC 228
日時:現地時間2018年9月8日(土)、日本時間9日(日)
会場:アメリカ・テキサス州ダラス アメリカン・エアラインズ・センター

【メインイベント】
<ウェルター級タイトルマッチ 5分5ラウンド>
○タイロン・ウッドリー
 2ラウンド(4分19秒)サブミッション(ダースチョーク)
ダレン・ティル

勝者タイロン・ウッドリーのコメント
「今回の勝利はかなりうれしい。コーチに感謝だ。それから、この結果を支えてくれたみんなにもありがとうと言いたい。ティルはタフなヤツだし、グラウンドとパウンドに耐えていたことも驚きはしなかった。これからも、目の前に現れる相手と戦い続けるだけさ。そして、全員を打ち負かす。俺は史上最強のウェルター級ファイターだ」

【メインカード】
<女子ストロー級マッチ 5分3ラウンド>
○ジェシカ・アンドラージ
 1ラウンド(1分58秒)KO
●カロリーナ・コバルケビッチ

勝者ジェシカ・アンドラージのコメント
「ノックアウトを決めるつもりだった。ムエタイのトレーニングを必死にがんばってきたし、今回の試合に向けてかなり強くなっていたと思う。彼女がパンチを当ててきたら、私はそれ以上に強く打ってやると思いながら挑んだ。こんなに早く決められるとは思っていなかったけどね。カロリーナは本当にタフだから。でも、うれしいわ。過去を振り返れば自分がどれだけ成長してきたかが分かるし、今も毎日少しずつ学んでいる。ここからは私の番よ。タフな相手は全員倒してきた。ローズ・ナマユナスだってもう倒したことがある。ベルトをかけて、ラスベガスのUFC 232でローズと戦いたい」

<フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
○ザビット・マゴメドシャリポフ
 2ラウンド(3分46秒)サブミッション(ニールバー/膝十字固め)
●ブランドン・デイビス

勝者ザビット・マゴメドシャリポフのコメント
「俺はこのためにやってきた。UFCにもマッチメーカーにもとても満足している。唯一の心配は時間内に新しい相手を見つけられるかどうかだったからね。必死にがんばってきたし、UFC 228のために準備に集中してきたから、このイベントで戦うチャンスを失いたくなかった。次にチャド・メンデスかジョゼ・アルドと戦いと言ったのは最高のファイターになりたければ最高の相手と戦う必要があるからだ」

<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○ジミー・リベラ
 判定3-0(30-27、30-27、29-28)
●ジョン・ドッドソン

勝者ジミー・リベラのコメント
「次をどうするかはマネジャーとコーチとじっくり話し合う必要がある。誰かを選んだり指名したりはしない。もちろん、ファンは戦闘を期待していただろうけど、ジョン・ドッドソンが過去にこの階級のチャンピオンを倒していることを忘れないでほしい。彼は信じられないほど速くてものすごい才能を持っているんだ。つまり、今回の勝利で俺にはタイトル挑戦も可能だってこと。ただ、どうなるかは分からないけどね・・・。もしかしたら、コーディと戦うかもしれないし、マーロンとの再戦、クルーズという可能性もあるな。前回、ケガをしているから。これでトップ5だ。バンタム級でベストファイターに数えられる1人と戦ったんだからな。今日は自分の打撃をしっかり当ててミスを犯さないようにと思いながらオクタゴンに上がった。彼のような相手だと、慎重にならないといけない」

<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○アブドゥル・ラザク・アルハサン
 1ラウンド(0分43秒)KO
●ニコ・プライス

勝者アブドゥル・ラザク・アルハサンのコメント
「最高の気分さ。こんなに早くフィニッシュできるとは思っていなくて、相手はタフなファイターだし、3ラウンドになると覚悟していたから、本当にうれしい。1月以来の試合でしばらく出ていなかったから、すぐにまたやりたい。ミルウォーキーのカードに空きがあると聞いたから、そこに入りたいな。ボスやマネジャーが戦ってほしいという相手がいたら、行く準備はできている」

【プレリム】
<女子ストロー級マッチ 5分3ラウンド>
○タティアナ・スアレス
 3ラウンド(4分33秒)TKO
●カーラ・エスパルザ

勝者タティアナ・スアレスのコメント
「自分は本当に強いんだと思って試合に臨むの。レスリングは子供の頃からやっているし、ノックアウトするパワーだってある。ベルトを取るまでストロー級にとどまるつもり。ベルトを取ったらバンタム級に上げる予定よ。背が高いだけで、減量はほとんどないの。カーラは一番タフな相手だった。彼女のレスリングはすごいし、絶対にあきらめない。今回の試合が戦争になることは分かっていたけど、自分が勝つんだと強く思って試合に挑んだ。私はトップコンテンダー。元チャンピオンを倒したわ。戦うために生まれたと思っているし、ここからもっとうまくなっていきたい。UFCがタイトルに挑戦させてくれないなら、ジェシカとカロリーナの敗者と戦いたい。勝った方はきっとベルトを争う次の挑戦者になるだろうからね。できるだけ早く試合をして今の流れを維持したい」

<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○アルジャメイン・スターリング
 2ラウンド(3分42秒)サブミッション(ニーバー/膝十字固め)
●コーディ・ステーマン

勝者アルジャメイン・スターリングのコメント
「いつも、次の試合が自分のキャリアにとって一番大事な試合になると思って挑む。この階級のトップファイターたちはもう俺の危険さを意識し始めているんじゃないかな。いろいろと変えてきたけど、もっとコーチや自分を信じるようになったことで、毎日どんどんうまくなっている。自分の打撃はもう証明してきたけど、グラウンドでも対戦相手に悪夢を見せられることを示せた。バンタム級でドミニク・クルーズを撃破する2人目になりたい。彼はとても完成されたファイターだ。最高の相手と戦いたいし、ファンのためにいい戦いを見せたい」

<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○ジェフ・ニール
 2ラウンド(1分23秒)KO
●フランク・カマチョ

勝者ジェフ・ニールのコメント
「出身州で勝てたなんてすごい。今、自分がやっていることはすべてが小さな偉業だと思う。前にもノックアウトしたことはあるし、それをやったまでさ。フィニッシュを狙っていたからね。相手がタフだろうというのは分かっていたんだ。気持ち的には3ラウンドの覚悟でいたけど、あっという間に終わる可能性もあると思っていた。パンチを打つたびに相手は下がっていったし、それでケリも入れられた。あのキックでノックアウトするなんて思っていなかったけど、クリーンヒットしたね」

<ミドル級マッチ 5分3ラウンド>
○ダレン・スチュワート
 2ラウンド(2分17秒)TKO
●チャールズ・バード

勝者ダレン・スチュワートのコメント
「ノックアウトを思い描いていたんだけど、どんな風にとか、いつかっていうのは分からなかった。でも、俺がヤツをノックアウトすることは分かっていた。出だしがスローになったことは申し訳ない。でも、ノックアウトをイメージしていて、それが現実になったんだ。今回の試合に向けた準備は完璧だったし、100%、トレーニングもチームも栄養的にもすべてが最高だったから、とにかく、あとは自分が勝つだけだった。ケガは一切ないから、11月にオクタゴンに戻ってきたい」

【アーリープレリム】
<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○ディエゴ・サンチェス
 判定3-0(30-27、30-27、30-27)
●クレイグ・ホワイト

勝者ディエゴ・サンチェスのコメント
「自分は常にフレンドリーだし、握手もするし、MMAをスポーツだと考えている。ノックアウトを決めたこともあればケガをしたこともあるけれど、今回の試合は相手が自分を痛めつけたがっているのが分かっていたから、握手するつもりはなかった。計量でもそう。生まれ変わったディエゴ・サンチェスだな。人生のいろんなことが変わって、トレーニングにも変化がある。今日はフィニッシュできなかったけど、俺に言えるのは相手がタフだったということだけ。相手のコンディションが最高だった。UFCが用意してくれる相手なら誰とでも戦うし、それを楽しみにしている。またダビデとゴリアテ(弱小な者が強大な者を打倒するとの意味)になったって俺は構わない」

<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○ジム・ミラー
 1ラウンド(1分29秒)サブミッション(リアネイキドチョーク)
●アレックス・ホワイト

勝者ジム・ミラーのコメント
「俺のゲームプランはいつでも戦う、それだけだ。何が来ようと、来る時は来る。相手にクロスを打ち込んでヒットしたからいい気分だったよ。そしたらちょうど彼の首があったからチョークを決めにいっただけ。ここ4試合は負けが続いて、そのうち2人はトップ10にも入っていなかったから俺には勝利が必要だったんだ。俺は戦い続けたい。世界最高の相手を打ち負かせると思っている。特に今みたいに自分でコントロールできている感触があると、誰でもいけるという気になる。今年3回目の試合がしたい。たぶん、ミルウォーキーかな」

<女子バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○アイリーン・アルダナ
 判定2-1(29-28、29-28,28-29)
●ルーシー・プディロヴァ

勝者アイリーン・アルダナのコメント
「今回の試合に向けたトレーニングは以前(ベチ・コヘイア戦)の準備とは完全に違うことをやってきた。相手のりー地が長くてとてもアクティブな人だから、今回の試合は調整が必要だったし、特に距離を維持しないといけなかったの。みんなの声援が聞こえてきて、私たちの試合に興奮してくれているんだなと分かったから、ルーシーが対戦相手になってくれて本当にうれしい。彼女はとてもタフで、確かにストライカーだけど、いつでもゲームプランを変えられることも分かっていた。第2ラウンドで手を痛めてしまったから第3ラウンドは思うようにパフォーマンスできなかった。フィニッシュできればよかったんだけどね。自分のプランに沿って、次はもっとうまくなって戻ってくるわ。この階級のトップ10に入りたい。そのレベルの競争がもっと激しいことは分かっているけれど、覚悟はできている。オクタゴンの中で自信もついてきたし、キャリアを始めたばかりだから、ここからもっといけるわ」

<フライ級マッチ 5分3ラウンド>
○ジャレッド・ブルックス
 判定2-1(28-29、28-29、29-28)
●ロベルト・サンチェス

勝者ジャレッド・ブルックスのコメント
「この2試合は負けていたし、今回は5日前のオファーだったからだいぶプレッシャーはあったけど、最終的には勝てた。自分のベストパフォーマンスではなかったけど、今後はもっといいパフォーマンスを見せて勝ち続けたい。俺は勝者だ、敗者じゃない。そう思いながら世界チャンピオンになるという自分の目標を達成したい。ヘンリー・セフードみたいに、フライ級に激震を走らせられる人がいるんだから・・・ヘンリー・セフードのことは尊敬してやまないけど、でもここから2年後には見ている方がいいかもな」