(C)Absolute Championship Berkut
9月8日(現地時間)にロシア・クラスノダールで『ACB 89: Krasunodar』が開催された。
このアブソリュート・チャンピオンシップ・ベルクートはロシアの総合格闘技団体。団体名のベルクトはコーカサスで尊敬されている鷲の名前から取っている。2012年から精力的に大会を開催してきたMMA団体で、ロシア人同士だけではなく、ロシア勢が(ロシアから見て)海外勢と対戦するカードも多く組まれる国際的な大会だった。しかし、最近はチアゴ・シウバ、ポール・ブエンテロ、マイク・カイルという世界的に有名な元UFCファイターと契約し、ロシア対世界ではなく、ワールドワイドなMMA団体となり、世界各国での大会開催を発表。2017年1月には遂にアメリカ進出も果たした。そして現在、ACBはロシアを本拠地としながら、全世界で大会を開催している。
今大会では三階級の王座戦が組まれ、メインはライト級王座戦。MMA15勝1敗、しかも敗戦はデビュー戦だけで現在15連勝という絶対王者アブドゥルアジス・アブドゥルバクヘヴァが、アリ・バゴフの挑戦を受けた。下馬評は当然、アブドゥルバクヘヴァが絶対有利となっている。試合は、アブドゥルバクヘヴァが圧倒すると思われたが、バゴフが先にテイクダウンを決め、2Rにはアームロックでタップ寸前、ラウンド終了が無ければ、バゴフが一本勝ちしていたのでは?と思われる展開も見せた。絶対王者アブドゥルバクヘヴァも試合後半は持ち直し、グランドで上になる場面も作るが、序盤の優勢さもあり僅差の判定で勝者はバゴフとなった。地元の大声援を受け、バゴフが下馬評を覆し、新王者に輝いた。
また、ウェルター級王座決定戦はシロ・ホドリゲスとアルベルト・トゥメノフで争われた。こちらは元UFC戦士のトゥメノフが下馬評では有利となっている。試合は、ホドリゲスがグランド、バックマウントを奪いチョークで仕留めそうになるも、トゥメノフが胸を合せてスイープするとパウンド連打。レフェリーがストップしてトゥメノフが逆転のTKO勝利で新王者に輝いた。
ミドル級王座戦は、王者アルベルト・デュラエフがピョートル・ストルスの挑戦を受けた。こちらも王者が有利の下馬評となっている。試合は王者ヂュラエフがスタンド、グランドで圧倒し、判定勝ちで王座防衛を果たした。
また日本のライジンに参戦していたアミル・アリアックバリも登場、ダニエル・オミランチョクと対戦した。試合はアリアックバリがテイクダウンを奪うなど危なげない試合運びで判定勝ちした。
■ ACB 89: Krasnodar
日時:2018年9月8日(現地時間)
会場:ロシア・クラスノダール
<ライト級王座タイトルマッチ>
○アリ・バゴフ(ロシア/挑戦者)
判定
●アブドゥルアジス・アブドゥルバクヘヴァ(ロシア/王者)
<ウェルター級王座決定戦>
○アルベルト・トゥメノフ(ロシア)
3R 4分43秒 TKO
●シロ・ホドリゲス(ブラジル)
<ミドル級王座タイトルマッチ>
○アルベルト・デュラエフ(ロシア/王者)
判定
●ピョートル・ストルス(ポーランド/挑戦者)
<フェザー級>
○ムハメド・ココフ(ロシア)
判定
●ロマリ・アスキエフ(ドイツ)
<フェザー級>
○マラット・バラエフ(ロシア)
1R 3分48秒 TKO
●ムラッド・マチャエフ(ロシア)
<ヘビー級/5分3R>
○アミル・アリアックバリ(イラン)
判定
●ダニエル・オミランチョク(ポーランド)