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8月25日(現地時間)にメキシコ・メキシコシティで『AAA トリプレマニア26』が開催された。
AAAはCMLL(当時EMLL)のブッカーを務めていたアントニオ・ペーニャ氏が独立して、メキシコシティを本拠地に設立した団体。CMLLから引き連れたルチャドール達に加えレイ・ミステリオやシコシスといった当時の新世代のレスラー達が活躍、アメリカン・プロレスを意識したエンターテイメント性の強いプロレスを推し進め、ライバル団体のLLI(UWA)を壊滅に追い込み、メキシコを基盤に南米やアメリカへの人気を獲得していった。そしてAAAは2018年2月から大会をインターネット配信Twitchで無料配信する事になり、更にパワーアップしている。
今大会トリプレマニアはAAA年間最大大会で、WWEにおけるレッスルマニアのようなものである。それゆえ豪華なカードがずらりと並び、特にメインは、4WAYによる究極のマスカラ金網マッチ(敗者、覆面剥ぎマッチ)が行われた。
参戦メンバーが豪華で、初代ラ・パルカこと現在はフリーの超大物としてメキシコマットではCMLL、AAAの二大メジャー団体を行き行きするL.A.パーク、AAAの北米侵攻用団体ルチャリブレアンダーグラウンドのエースであり、世界各国でも引っ張りだこのペンタゴンJr.という大物二人に加え、AAAの絶対エースであるサイコ・クラウン、そしてこのサイコと大抗争を繰り広げているイホ・デル・ファンタズマという四人とも大物ばかりというあり得ない豪華なマスカラ戦が組まれたのだった。ルールは、まず金網からの脱出を目的とし二人のレスラーが脱出したら、金網の中に残った二人は一騎打ちとなり、敗れた方が覆面を脱ぐというものだ。四人とも大物だけに、この中から誰か一人が覆面を脱ぐという事になるという事でルチャリブレの歴史の中でも重要な一戦になるだろう。
試合は、まずペンタゴンJr.とサイコ・クラウンが金網脱出を目論見、金網最上段に登り、ペンタゴンJr.がサイコをリングに叩き落として自分は悠々と金網を脱出した。サイコもすぐに体勢を立て直し、素早く金網によじ登り脱出。結果、L.A.パークとファンタズマの一騎打ちとなってしまったのだった。ここでレフェリーのイホ・デル・ティランティスはファンタズマと結託していた為、ファンタズマ贔屓をはじめ、会場からはL.A.パークコールが巻き起こる。それに業を煮やしたレフェリーのティランティスは遂にL.A.パークを羽交い締めにしてファンタズマに協力するが、なんとここで同士討ちをしてしまう。そしてレフェリー不在になったリングではファンタズマが自ら覆面を脱いで、L.A.パークに剥ぎ取られたと反則勝ちしようとするが、L.A.パークも同じ様にした為、気がついたレフェリーは訳がわからず、両者に覆面を渡して、普通に試合しろとしてしまう。そしてまたしてもレフェリーはファンタズマの味方をするが、また同士討ちさせられてしまい、遂にファンタズマとレフェリーが口論となる。その隙にL.A.パークがファンタズマにスピアーを決め、フォール勝ち。直前に口論していて感情的になっていたレフェリーはそのままフォールを数えてしまい、遂にL.A.パークの勝利となった。
ファンタズマは潔く覆面を脱いで、L.A.パークに渡し、両者、健闘をたたえあった。ファンタズマは本名はホルヘ・ルイス・アルカンタル。34歳ルチャ歴18年と経歴が発表された。そしてファンタズマが引き揚げたあと、なんとL.A.パーク最大のライバルであるドクトル・ワグナーJr.が登場。今度は自分とマスカラ・コントラ・カベジェラを行うように要求したのだった。しかし、L.A.パークは、ワグナーJr.はすでに覆面を脱がされているので、その対戦には消極的であり、実現するのか今後次第という感じになった。
セミファイナルではAAA最高位王座であるAAAヘビー級王座(AAAメガ王座)戦も4WAYマッチで行われた。コナンの策略でドクトル・ワグナーJr.から王座を騙し取った現王者ジェフ・ジャレットがフェニックス、ブライアン・ケイジ、リッチ・スワンを迎え撃った。フェニックスはペンタゴンJr.の弟、ケイジは現インパクト・レスリングのXディビジョン王者、スワンもインパクト・レスリングで活躍している。この中でメキシコ人はフェニックスだけであり、なんとしてもメキシコに王座を取り戻したいところだ。試合は、ジャレットが同じアメリカ人のケイジ、スワンに共闘を求めるなど悪のインサイドワークで有利に進めた上、他の選手がフォールしようとすると、レフェリーを突き飛ばしてギターショットを決めてしまったのだった。これでレフェリーが不在となるとジャレットはフェニックスに反則のローブローを決めて、代わりのレフェリーを呼んだ。そこにレフェリーの服で現れたのは、なんと骸骨男のラ・パルカだった。ジャレットは自分が王座を騙し取った時、ラ・パルカに扮したコナンがレフェリーになって高速カウントでワグナーJr.から勝利した為、またコナンが扮していると思い込んで大喜び。しかし、このラ・パルカはジャレットのフォールを数えなかったのだ。怒って抗議するジャレットだが、ここでラ・パルカが覆面を脱ぐと、なんと正体はコナンではなくワグナーJr.だったのだ。ワグナーJr.は復讐の為に現れたのだった。当然、フェニックスがフォールするとワグナーJr.レフェリーは高速カウントでフェニックスの勝利を宣言。フェニックスが新王者となり、ジャレットが自分の行った策略を逆に使われて王座陥落となった。
また女子のマスカラ・コントラ・カベジェラ(敗者、覆面剥ぎ、髪切りマッチ)が行われ、レディ・シャニとファビー・アパッチェが対戦した。覆面を脱がされるのはメキシカンにとって最大の屈辱だが、髪の毛を切られるのも女子だけに男子以上に屈辱となる。試合は、乱入が入り乱れる中、ジャニがフォール勝ち。髪切りを拒否してアパッチは控室に逃げようとするも、捕まってリング上でバリカンで髪の毛を切られてしまった。
■ AAA トリプレマニア26
日時:2018年8月25日(現地時間)
会場:メキシコ・メキシコシティ アレナ・シウダ・デ・メヒコ
<マスカラ・コントラ・マスカラ4WAY金網マッチ>
敗者:イホ・デル・ファンタズマ
参戦選手
L.A.パーク、ペンタゴンJr.、サイコ・クラウン、
<AAAヘビー級王座タイトル4WAYマッチ>(AAAメガ王座)
勝者:フェニックス(挑戦者)
ジェフ・ジャレット(王者)、ブライアン・ケージ(挑戦者)、リッチ・スワン(挑戦者)
<マスカラ・コントラ・カベジェラ>
○レディ・シャニ
ピンフォール
●ファビー・アパッチェ
<6人タッグストリートマッチ>
○エル・テハノJr.、ラ・マスカラ、レイ・エスコルピオン
ピンフォール
●パガノ、ジョー・リーダー、マーダー・クラウン
<ランバージャック鞭打ちマッチ>>
○アベルノ、チェスマン、スペル・フライ
ピンフォール
●フベントゥ・ゲレーラ、ジャック・エバンス、テディ・ハート
<6人タッグ3WAYマッチ>
勝者:モチョ・コタJr.、ティト・サンタナ、カルタ・ブラバJr.
マキシモ、ピンピネーラ、マンバ
イホ・デル・L.A.パーク、プーマ・キング、タウルス
<AAAタッグ王座挑戦者決定ラダーマッチ>
勝者チーム:バンディード、フラミータ
アンドリュー・エヴェレット、DJZ
ゴールデン・マジック、ラレド・キッド
アエロスター、ドラゴ
<AAAミクスドタッグ王座4WAYマッチ>
勝者チーム:ニーニョ・アンブルゲサ、ビッグ・マミ(王者)
イホ・デル・ビキンゴ、バニラ(挑戦者)
アンヘリカル、イエドラ(挑戦者)
ディナスティア、レディ・マラビジャ(挑戦者)