シッティチャイ・シッソンピーノン王座防衛!久保政哉敗れる!GLORY 57

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 8月25日(現地時間)に中国・広東省で『GLORY 57』が開催された。
 グローリーは、ヨーロッパのキックボクシング団体。2011年のFEGの経営悪化によるK-1の活動休止に伴い、世界的に大規模なキックボクシング団体がなくなったため、ピーター・アーツやクリス・ナギンビ、ムラット・ディレッキーらは引退、タイロン・スポーンやグーカン・サキらは総合格闘技またはプロボクシングへの転向を表明するなど、キックボクシング界の人材流出が顕著になっていった。そこで、K-1を買収するつもりだったバス・ブーンと、ブーンに協力していた大手独立系スポーツ・マーケティング広告代理店トータル・スポーツ・アジア(TSA)、石油系ヘッジファンド『BlueGold』の運営で財を成した投資家のピエール・アンデュランド(Pierre Andurand)らが改めて結託し、ピエールとTSAが合わせて総額3000万ドル(約23億円)以上の出資をして、ゴールデン・グローリージムとは独立した興行の運営母体としてグローリー・スポーツ・インターナショナル(Glory Sports International Pte LTD.)を設立(略称はGSI)。2012年3月23日のモスクワ大会で事実上旗揚げした。但し、巨額の損失からバス・ブーンらは追われてしまう。何度かの組織変更の末、北米を照準にして2016年2月、UFCファイトパスでの配信を開始した。
 今大会のメインではライト級王座戦が組まれ、王者シッティチャイ・シッソンピーノンがマラット・グレゴリアンの挑戦を受けた。ルンピニースタジアム認定ウェルター級王者王者としてグローリーに乗り込んできてライト級王座を奪い、絶対王者として君臨しているシッソンピーノンに対し、グレゴリアンは日本のK-1で70キロ級王者にもなっている。この両者は過去に三度も対戦しており、いずれもシッソンピーノンが判定勝ちしており、グレゴリアンとしては四度目の正直を期待したところだ。その意気込みからか、序盤から前に出て攻めるグレゴリアンだが、シッソンピーノンはがっちりガードを固めカウンターで的確にヒットさせてポイントを稼ぐ。積極性のグレゴリアンと的確さのシッソンピーノンという展開となり、試合は判定までもつれこみ、判定でシッソンピーノンが勝利して王座防衛。グレゴリアンはまたしても僅差の判定に泣いた。
 また、日本の久保政哉も参戦したが、チェンチェン・リーに判定負けした。

■ GLORY 57
日時:2018年8月25日(現地時間)
会場:中国・広東省深セン市

<ライト級王座タイトルマッチ>
○シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ/王者)
 判定4-1
●マラット・グレゴリアン(アルメニア/挑戦者)

<ウェルター級>
○セドリック・ディ・ケースマイケル(ベルギー)
 判定 3-2
●カイイン・ジャン(中国)

<フェザー級 3分3R
○チェンチェン・リー(中国)
 判定
●久保政哉(日本)

<女子スーパーバンタム級>
○ジャ・リュウ(中国)
 判定 5-0 
●サーサー・ソーアリー(タイ)

<フェザー級>
-チェンロン・ジャン(中国)
 ノーコンテスト
-ナフィ・ビラロフスキー(ベルギー)

<ライト級>
○カイアル・ザニエフ(ロシア)
 判定5-0
●ジュリオ・ロボ(ブラジル)

<フェザー級>
○エイサー・テン・パウ(アメリカ)
 判定 3-2
●ユハン・シエ(中国)