[ファイトクラブ]RIZIN.11視聴率惨敗! フジテレビの凋落が浅倉カンナを泣かせた夜

[週刊ファイト8月9-16日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼RIZIN.11視聴率惨敗! フジテレビの凋落が浅倉カンナを泣かせた夜
 photo & text by こもとめいこ♂
・地上波の問題は、浅倉カンナに対する「神童の彼女推し」だ!
・インタビュールームに姿を見せた浅倉カンナは泣いていた
・メインの理由:7ヶ月目の再戦は早過ぎたのか?RENA vs. 浅倉カンナ
・榊原実行委員長の暗躍? 格闘女王交代劇に混じった不純物の要因
・裏番組イッテQイモトアヤコ-安室奈美恵で20%超 トリプルスコア圧敗の必然
・涙を堪える浅倉カンナとサバサバしたRENAの会見は何故生じたか?
・フジ中継は五味から KO劇の舞台裏「周囲が五味を勝たせようとしていた」
・9月反転攻勢へ:週刊ファイト名物I.Y予言的にキーマンを提言!


「LGBTは生産性がない」との与党政治家の暴言に続いて、東京医科大学で女子受験生の合格を抑える為に試験の点数を操作していた事が明るみに出た。

 問題の差別文章を書いた当該議員は厳重注意となったようだが、その一方で幹事長が「この程度の発言」という有り様。結局、「子供を産まないのは勝手な生き方」との蔑みは、この国の為政者の口に出さないまでも共通認識と思える。同じ与党の政治家から「LGBTは趣味」との発言もあったが、性癖と性的指向・性自認の区別がつかないのは無恥としか言いようが無い。


ジェンダーレスプロレスラーの朱崇花

 だが、これは本来、性的マイノリティのみの問題ではなく、人権に対する認識の問題。天賦人権説を日本国憲法から削除しようという政権与党の戦前回帰運動と地続きで、権利と義務をバーターにする布石であり、誰にも関わり合いのある問題のはずだが、政権批判に及び腰のマスコミでは通り一遍の報道しかされていない様である。

 医科大の裏口入学から派生した女子受験生の試験の点数の操作はより深刻だ。不当な点数の操作による合否によって受験生の将来が変わるのは勿論だが、結果生じるのは女医の数が減るという事態。例えば健康診断など、男の医者に抵抗があるという女性の話は多い。それが元で早期発見が遅れ、病気が重篤化するという事になれば、多くの人命に関わるのは勿論、医療費の増加にも繋がる事になる。一方で同医大は女性研究者の支援の為の補助金を8000万円受けており、その厚顔無恥さには唖然とさせられるが、こういうニュースに、私大のする事だからと大めにみようという意見がある事にも驚かされる。公文書を改竄した役人が出世するなど、国のたがは際限なく緩んでいきそうだ。
 戦後強くなったのは女性などと持て囃された時代もあったようだが、なるほど戦前回帰を図る人間にとっては、女性を社会から家庭に押し込めておきたいのであろう。

 女子プロレス、女子格闘技界も今でこそ当たり前の様に東スポ他スポーツ誌の一面を飾るようになったが、かつて京愛子時代の全日本女子プロレスをまともに扱っていたのは『週刊ファイト』だけで、日プロ関係者などから「女子と一緒にあつかうな」とクレームをいれられていたとI.Y編集長が語っておられた。最近になって、むしろ当時の全日本女子プロレスこそが勝負論のある試合をやっていたと再評価されているが、I.Y編集長の眼力の確かさを物語るエピソードといえる。


 PRIDEの後継団体であるRIZINのメインを女子が張ったとなったら、I.Y編集長ならどう論じるか興味はつきないが、では格闘技界で完全に男女が同列に扱われているといえるかというと、フジテレビの編成を見る限りではそうは言えないだろう。
 RENAのツヨ「カワ」という二つ名には、強いだけではダメなのかという気持ちもなくはないが、北岡がキモツヨと呼ばれてもいるし、容姿を織り込むのは女子に限らないという事でひとまず置く。問題は、浅倉カンナに対する「神童の彼女推し」だ。

 本誌は基本、選手のプライベートは知ってても書き立てない方針だが、神童との交際をああも煽り立てたられては書かざるをえない。そもそもリーク主が榊原代表という事で、それが興行におけるメインの柱の一つにまでなっている。
 タレントの交際報道でダメージを受けるのは基本的に女子の方だ。童貞は嗤われ、処女性は尊ばれる日本の社会の縮図だからである。スキャンダルとして報道されて頭を丸刈りにしたアイドルがいたが、ナチに協力したとして解放後に剃髪された女性と同じ扱いなのである。

 では浅倉カンナと那須川天心はどうかといえば、若い格闘家同士の爽やかさで好印象と受け止められているようだ(噂通りリーク元とすれば、そう評した榊原代表の役者っぷりには舌を巻くが)。一般論として、女子は安定を望み、男子は束縛を嫌がるもので、神童が内心どう思っているかは解らないが、浅倉カンナの方は喜んでいるだろうなと思っていた。公開練習でも、前日計量でも、必ず神童の名前が出るし、嫌な顔をせずに答えてもいた。

 だが、さいたまスーパーアリーナのインタビュールームに姿を見せた浅倉カンナは泣いていたのだ。
 判定だったがRENAを下し、神童と抱擁した姿が地上波で大映しになった直後だ。
 嬉しい筈の浅倉カンナの眼は潤んでいた。喜怒哀楽の解りやすいRENAに比べて、浅倉カンナは基本笑顔を絶やさない。明らかに様子が違っていた。


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