[ファイトクラブ]レスラーと認知症。あの名脇役も・・・

Top photo 吉村道明氏と徳光和夫氏

[週刊ファイト8月9-16日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼レスラーと認知症。あの名脇役も・・・
 by 井上 譲二
・ダニー・ホッジ氏が行方不明になりかけた
・プロレスラーの認知症で最も悲惨だったのはバーン・ガニア氏
・日本人レスラーではリングで名脇役を演じた吉村道明氏
・観客を怒らせ興奮させる天才だった


 木刀で引っ叩いたくらいではびくともしない強ジンな肉体を誇るプロレスラーも内蔵や脳だけは鍛えようがなく、いつかは病気を患って死んでいく。だが、ある意味、それ以上にショックなことは、その前に認知症を発病することだ。最近では日常的に徘徊を続けていたダニー・ホッジ氏が行方不明になりかけた。そういうニュースは本当に聞きたくない。


アントニオ猪木とダニー・ホッジ氏

 数年後に人口の50%が60歳以上になるという超高齢化が進んでいる日本。このため医療費に充てられる国家予算は増加の一途をたどっているが、4人に1人の割合で発病すると報告されている認知症も厄介な病気だ。

 ガン(2人に1人)は早期発見なら、ほぼ完治するケースも多々あるが、この認知症に関しては今のところ病気の進行を遅らせる薬しか発明されていない。ということは、遅かれ早かれ、家族や友人はもちろん、自分が何者かさえ分からなくなる。本当に恐ろしい。

 さらに、徘徊を続けているうちに自分の家に戻れなくなり、そのまま行方不明のリストに入ることも少なくない。

 英国の認知症の専門家によると、プロスポーツ選手など誰より肉体を使う仕事をしてきた人の方がこの病気にかかる危険性が低いそうだが、往年の名レスラーの中にも認知症を患った人は判明しているだけでも4人いる。

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フレッド・アトキンス、ルー・テーズ、ダニー・ホッジ

 最近では7月7日(現地時間)、元NWAジュニア・ヘビー級王者のダニー・ホッジ(86)さんがオクラホマ州ペルーの自宅を車で出たまま帰って来なくなり、彼の家族が警察に捜索願したところ、数時間後に同州タルサで保護されている。

 地元警察によると、プロ、アマのレスリングで活躍したホッジさんの顔と名前がよく知られていたため目撃者が続出し、発見が早まったという。

 一方、プロレスラーの認知症で最も悲惨だったのは「AWAの帝王」と言われたバーン・ガニア氏だ。

バーン・ガニア氏

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