[ファイトクラブ]新日カウ・パレス苦戦~『ブレードランナー2049』~米国七夕決戦ウラの裏

[週刊ファイト7月19日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼新日カウ・パレス苦戦~『ブレードランナー2049』~米国七夕決戦ウラの裏
 photo by Mike Lano/他 タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編
・七夕決戦全体像での評価~実況のジム・ロスが肋骨を痛めて救急病院へ
・「お前は蝋人形にはしてやらない」停電デリートの『ブレードランナー2049』
・マット界と映画『メッセージ』『ワンダーウーマン』、ジャーナリストの役割
・ヴァーチャル・リアリティ彼女も”デリート”されるのか!?狂人Mハーディ
・報道されていないカウ・パレスの客筋、差別用語チャント、酔っぱらい
・日米逆転劇の転換点『サマースラム‘91』


―― 七夕の7月7日、北米ではサンフランシスコのカウ・パレスで新日プロの『G1 USA special』、ニューヨークのMSGではWWEのハウスショーに8年ぶりにアンダーテイカーが登場、MSGが紫のライトに包まれて、知らない方にも「今日は一体MSGで何があったのか?」と話題になったそうです。そしてラスベガスでは『UFC 226』ですね。WWEの現ユニバーサル王者ブロック・レスナーが二階級を制覇したダニエル・コーミエに呼び込まれ、早ければ来年1月末にも10年ぶりのオクタゴン復帰になると。

▼UFC 226: Daniel Cormier and Brock Lesnar Octagon Interviews

オフレコ インターネット検索だと、なんの情報が探されているのかトレンドがわかるんだけど、圧倒的だったのはやはり『UFC 226』だね。そもそも、ロンダ・ラウジーの殿堂入りとか、日本でプロ格闘家としてデビューしたロクサン・モダフェリがようやく勝利した『ジ・アルティメット・ファイター(TUF)シーズン27フィナーレ』大会も連続開催されて、集中してプッシュされた週末だったから驚きはない。そしてフィナーレがブロック・レスナーの登場やからな。そりゃ強烈なインパクトなのは間違いない。
笑ったのは、ディナ・ホワイト代表から酷い試合内容だと酷評された「フランシス・ガヌー」も検索されたリストに入ったこと。団体のトップが、記者会見で配下選手にダメ出し発言をするというのが、日本では考えられないという教訓は大きい。

―― そしてWWEのMSGハウスショーも、UFC殿堂入りで表彰されたばかりのロンダ・ラウジーの参戦もあり、大いに盛り上がりました。国内では一番大きなニュース扱いにならざるを得ない新日プロのサンフランシスコ大会は、ヲタクの小宇宙での話題なので、検索ワードとかにリストアップされることはなかったという。同じく当たり前の話であって、なんの驚きもないんですが・・・。

オフレコ 全体像を見ないと大局を見誤るというのは最初に強調する必要がある。七夕決戦の裏のウラ検証は、有料記事の後半でたっぷりやろう。とりあえずはカウ・パレスを冒頭に出していくお約束は仕方がない。

―― カードを見たら予想通りに高橋ヒロムvs.ドラゴン・リー戦がベストマッチだったのですが、頭を抱え込んで投げるフェニックス・プレックスを受けた際、頭から落ちて、そのまま試合は最後のフィニッシュまでやったんですけど、病院送りという事故がありました。海外遠征というのは、環境もリングも違うことに加えて張り切り過ぎてしまうリスクがあります。

あとコーディ、この試合を最後に暫くプロデューサー/プロモーター業に専念するため、以下の最初の広報画像のような金髪をすでに止めて出てきました。まぁ最初からケツは丸わかりのメインなんですけどね。かなり高さのあるハシゴマッチやったので”悪夢”氏、頑張ったとは讃えます。


■ BanG Dream! Girls Band Party! Presents G1 SPECIAL IN SAN FRANCISCO
日時:7月7日(土) 開始17:00(現地時間)
会場:アメリカサンフランシスコ・COW PALACE 観衆:6333人(=主催者発表)


英語版実況はジム・ロスとジョシュ・バーネットが務めたが、ジェイ・ホワイトがジュース・ロビンソンをガードレイルに投げつけた場面で、実況席のJRが肋骨を痛めて救急病院へ。週末の仕事をキャンセルせざるをえなくなり、今後訴訟になる可能性が取り沙汰される事態に。

オフレコ すでに本誌では繰り返し分析していることだけど、「V字回復」を吹聴したものの、国内の頭打ちがすでにデータで出てきた。そりゃそうだ。ゴールデンタイムで中継番組が流れているわけではない、外枠の状況はなにも変わってない以上、世間の巷でサッカーW杯は話題にされても、プロレスに注目が集まっている事実はない。そこで外国人社長を抜擢して海外戦略だと。新日ワールドも予想以上に海外からの購入割合が多かった、と。

―― 国内が、計画予想を大きく下回っている課題も指摘しないと整合性がありません。

オフレコ そこで北米進出だと。二度のLA公演が売り切れたので、これはいけると勘違いしてしまった。例えば僕の実例を出すならローリング・ストーンズ。ついに生で見た時は感激もあり、二度目もアメリカ在住者(当時)の特典で行ったが、三度目はもう行かなかった。それと同じ。当のミック・ジャガーはビジネスマンだから極めて冷静で、毎回来てくれる客は1割だけだと分析している。それを踏まえた上で、なにをどうするかが問われているということ。

―― 歌手やバンドとかも含めて、日本のエンタメ公演が北米で1万人規模を動員した例がないにもかかわらず、カウ・パレスというのは無謀なんじゃないかと。まぁ、BanG Dream! Girls Band Party! Presentsという体裁にして、アプリゲームとのタイアップ謳ってましたが・・・

オフレコ 気になるのはマイク・ラノ通信員からの報告。地元での宣伝が目や耳に全く入ってこないと大会前から警告していた。

―― 本誌も協力して7月5日付『サンフランシスコ・エクザミナー』紙に、「NJPW debut」と大きな記事も載せました。今はフリーペーパーになって、街角に置いてあるから多くの目には触れたと思うし、ちゃんとフロントページにもこの号にNJPWがカウ・パレスに来る記事が載っていることが明示されています。もっとも同じ紙面には「スティペ・ミオシッチvs. ダニエル・コーミエ(カリフォルニア州サンノゼ在住なので地元)」のUFC広告も、ベラトールの広告も載っている。新日USAの広告はなかったんですけど・・・。

オフレコ 地元では長年スポーツ・コラム記事出したり、写真を載せているマイク・ラノ通信員なので、ラジオ番組でも「NJPWがカウ・パレスに来ます!」と自主的にやったんだけど、Japan Weekというのがちょうどあって、そこでプロモーションすれば良かったのに、一切なにも聞かなかったと現地報告している。これは記事の後半で掘り下げよう。シスコなら、ある程度の日本人コミュニティーもある。恐らくは新日プロが街に来たことを知らないままだったに違いないと。

―― 棚橋弘至、石井智宏、鈴木みのるが凄いというのを知っているマニアしか遠征を知らない。

「お前は蝋人形にはしてやらない」停電デリートの『ブレードランナー2049』

オフレコ ロック音楽や映画ネタを本誌がやると、「マット界と関係ない」という文句が必ず飛んでくるんだけど、日本公開もされてない時点で映画『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』をやったら、早すぎて誰もわからないと言われた(笑)。全日本女子プロレスからも勧誘された希代のヒールキャラだから、強烈にプロレスネタなんだけど・・・。

▼史上最大のスキャンダル~新日カップ~レッスルマニア~K-1さいたまSA満杯

[ファイトクラブ]史上最大のスキャンダル~新日カップ~レッスルマニア~K-1さいたまSA満杯

―― 関連がないと取り上げるのは不可になります。それに早すぎても、誰もまだ見てない。そんな日本公開が待てずに、米国から輸入盤ブルーレイを先に取り寄せるとかは、さすがに読者がついていけません。せめて、ロードショー公開も終わり、洋画専門チャンネルとかで放送されるようになって見た数の間口が広がってからでないと、「ネタバレするな!」の指摘もあります。

オフレコ WWEですら、字幕版のJ-SPORTS放送前に試合結果書くなと怒られたこともあったなぁ。さすがに今は、DAZNでもリアルタイムでやってるから、早く出さないとかえって「お前らは遅い」と言われかねない。

―― まぁ『ブレードランナー2049』は、1982年の『ブレードランナー』が、日本ではカルト・クラシックというのもあれば、なにより出演箇所は冒頭部分だけなんだけど、その後のストーリー展開にも関わる重要な役でバティスタが出てますから、それだけも関連あるから取り上げて問題ないとの言い訳あります。まして、マット・ハーディが「デリート、デリート」とデータ削除を叫んでいる今だからこそ、大停電を起こして記録を消したレプリカントの反乱に繋がります。

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