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昭和プロレス「少年たちとプロレス」1章 4節 みのるの翔けた20年

「本格的に、鈴木みのるがプロレスに帰還する」
こんな話を聞いたのは、ゴング格闘技で仕事をやらせて頂いていた頃であった。その当時、既にフリーライターになっていた筆者は、遊軍として舟木編集長体制のゴング格闘技に一年ばかり草鞋を脱いだ事があった。ちょうど、パンクラスの10周年ムック用のインタビューを行っており、私は日々リアルファイトの話ばかりを聞かされていた。勿論、リアルファイトは好きなのだが、プロレスへの熱い気持ちは持ち続けていた。そういう反動もあってか「みのるプロレスに帰還す」このニュースを感慨深く聞いた記憶がある。

鈴木みのると言えば、更に古い思い出がある。今から20年前、筆者は鈴木みのるのデビュー戦を横浜体育館で観戦している。相手は飯塚で、新日の前座らしいゴツゴツした試合であった。だが、この他愛の無い若手の試合を鮮明に覚えているのは、ある事件があったからだ。

実は二階席(ファイトを熟読していた昭和ファンなら当然ですね(笑))で観戦していた自分の前の席に、鈴木みのるの身内(お母さん?叔母さん?)と思われる二人の中年女性が座っていたのである。懸命に鈴木みのるを応援する二人の女性。だが、観戦にも飽きたのか、試合途中で声を落として、ひそひそと話し始めたのだ。

一人の女性がふとつぶやいた。
「プロレスって、八百長なんだよね」 
すると話しかけられたもう一人の女性が一言、こう言った。
「でも、俺のプロレスは違うって… (みのる)は言ってわよ」
―――この台詞に筆者は、強烈にしびれた。
 俺のプロレスは違う、なかなか言える台詞ではない。
自分の身内にそう言い張る若手レスラー・鈴木みのる。
(なんとも、頼もしい男が新日本プロレスに登場したものだ!)

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筆者は試合後、身内の中年女性たちの元に、挨拶に来た鈴木みのるをみつめながら、嬉しくてたまらなかった。
以来、鈴木みのるはUWF、藤原組、パンクラスと駆け抜けていく。その後、筆者も会社員、ライターを経て、ようやく作家・山口敏太郎として50冊目の著作を達成した。ある意味、私は、鈴木みのるの頑張りに触発され、激しく同じ時代を生き抜いたといえる。

―――そして、今も鈴木みのるは、プロレス界で憎々しげに、性格の悪い男を演じている。
 さぁいよいよ、鈴木みのるの20周年興行だ!
モーリス・スミスとのエキシビションマッチに、盟友・高山とのシングルマッチ。
たまらないラインナップだ!
叶うことなら船木や前田の花束贈呈があれば文句ないのだが…。
久々に観戦に行ってみようか。20年前のあの日のように。 (山口敏太郎)

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2008年04月26日 01:31に投稿されたエントリーのページです。

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