(C)KSW
12月3日（現地時間）にポーランド・クラクフで『KSW 37: Circus of Pain』が開催された。
欧州最大のMMA団体として地元ポーランドで大きな大会を定期的に開催しているKSW。年末のビッグマッチとして今大会は開催された。
実質メインなのが、KSW絶対的なエースにしてポーランドの国民的英雄、ワールド・ストロンゲストマン・コンテスト5回優勝という怪力世界一男マリウス・プジアノフスキーが、ラッパーとして世界的に有名なポペック・モンスターの対戦だ。プジアノフスキーはMMA転向後、KSWをここまで巨大団体に押し上げたヒーローだが、対戦相手のポペックもこれまた凄い経歴の持ち主だ。ポーランド人であるが現在は英国在住、MMAも過去に3戦しているが、ラッパーとしてもブレイク。更に、眼球に刺青をして緑にするというとんでもない事をして世界中に悪名が轟いた男としても知られている。
もちろん、共にれっきとしたMMAファイターであるが、競技化した現在のMMAにあって夢が溢れる経歴の持ち主であるプジアノフスキーとポペックだけに、格闘技ファン以外からも注目を集める対戦となった。試合は、当然、大男2人が殴りあうど迫力ファイト。スタミナ配分など考えず前に突っ込むプジアノフスキーの圧力にポペックが遂に頭を抱えてガードするも、ガードなどお構いなしにプジアノフスキーのブンまわし右フックがさく裂。頭を抱えてダウンするポペックに野獣の様に襲いかかるプジアノフスキーが鉄槌を振り下ろす。レフェリーがストップし、プジアノフスキーがTKO勝利となった。
また3大王座戦も行われ、メインでは、ヘビー級王者カロル・ベドルフが、日本のIGFに参戦していたフェルナンド・ロドリゲス・ジュニアの挑戦を受けた。KSWヘビー級で圧倒的な強さを見せるベドルフは、ロドリゲスがIGF王座決定トーナメント決勝で敗れたオリ・トンプソンに勝利しており、下馬評では圧倒的に有利となっている。しかし、試合は、なんとロドリゲスがTKO勝利。スタンド打撃で有利に立つロドリゲスに、ベドルフは苦し紛れのテイクダウン狙いで組みつくという展開。しかしキックも駆使したロドリゲスのスタンド打撃にベドルフは押され、最後はカウンターの右でベドルフからダウンを奪ったロドリゲスのパウンドでTKO勝利。ロドリゲスが新王者に輝いた。
ウェルター級王座戦はKSW中量級エースである王者ボリス・マンコウスキーが英国のジョン・マクガイヤを迎え撃った。試合は前に出るマンコウスキーがテイクダウンに成功し、グランドで上を奪って攻め続ける展開が続く。結果、マンコウスキーが判定勝ちとなり王座防衛を果たした。
フェザー級王座戦は、王者アルトゥール・ソウィンスキーが、UFC参戦経験のあるマルチン・ヴルゾセクの挑戦を受けた。いわばポーランドを主戦場に自国で守ってきたソウィンスキーと（ポーランドから見て）海外で実績を積んで戻ってきたヴルゾセクという図式だ。試合は1Rは両者が首相撲を仕掛け合うという展開だったが、2Rにヴルゾセクがパンチでソウィンスキーからダウンを奪うと強烈なパウンド連打。ソウィンスキーも足を取って打開しようと試みるがヴルゾセクの猛攻を止める事が出来ず、最後は額から流血したのを見てレフェリーがストップ。TKO勝利でヴルゾセクが新王者に輝いた。
■ KSW 37: Circus of Pain
日時：2016年12月3日（現地時間）
場所：ポーランド・クラクフ
＜ヘビー級王座タイトルマッチ＞
○フェルナンド・ロドリゲス・ジュニア（挑戦者／ブラジル）
2R 2分34秒 TKO
●カロル・ベドルフ （王者／ポーランド）
＜ヘビー級＞
○マリウス・プジアノフスキー（ポーランド）
1R 1分20秒 TKO
●ポペック・モンスター（ポーランド）
＜ウェルター級王座タイトルマッチ＞
○ボリス・マンコウスキー（王者／ポーランド）
判定 3-0
●ジョン・マクガイヤ（挑戦者／英国）
＜フェザー級王座タイトルマッチ＞
○マルチン・ヴルゾセク（挑戦者／ポーランド）
2R 2分55秒 TKO
●アルトゥール・ソウィンスキー（王者／ポーランド）
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