[ファイトクラブ]FMW-E 大仁田厚・ミスターポーゴ炎上大会完全網羅&保坂秀樹さん追悼ゴング

[週刊ファイト8月26日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼FMW-E 大仁田厚・ミスターポーゴ炎上大会完全網羅&保坂秀樹さん追悼ゴング
 鶴見緑地公園大炎上!30年前の万博公園貴重写真も蔵出し!
 photo & text by 西尾智幸
・4年前に逝去されたミスター・ポーゴがシャドウWXに降臨
・通常の火薬3倍:爆音と火の粉は半端ではない
・地雷爆破と同時に2人の姿は視界から消えた! 大丈夫なのか?
・大仁田厚、電流爆破イスを喰らい無念のフォール負け
・号泣バッドナース中村!愛弟子保坂秀樹さん追悼10カウントゴング
・アンダーカードは関西ゆかりの選手が多く、楽しく激しい闘い
・魔苦・怒鳴門とバラモン兄弟はR15指定!
・マグニチュード岸和田『むりむり、救急車呼んでくれ!』と叫んだ
・洞口義浩という男
・今回は消防署が出動する騒ぎにはならなかった
・半端じゃない爆音と火煙の中で闘う選手達は超人だ!


大阪・鶴見緑地大炎上! 30年前を遥か超える爆発で大仁田厚撃沈

 いきなり記者の話からで申し訳ないが、いわゆる普通のプロレスに飽きてきた昭和の終わり頃。
別に観なくなった訳ではないが、なんとなく自分の中でマンネリ化してきた頃に、王道から両極端なプロレスが現れた。ひとつは、1988年に新日本から分裂したかのように出来たUWF。エンターテイメント性を抑え、格闘技に近い試合形式が新鮮だった。
 もうひとつは、1989年に『おもちゃ箱をひっくり返したような』何が飛び出すか分からないという団体の出現。元全日本の大仁田厚が5万円で立ち上げたFMW。過激なデスマッチ路線が定着し、球場クラスでも開催される程の団体にのし上がる。気がつけば、一時期はその2団体に足を運ぶ回数が増えていた。
 その当時、これはぜひ生で観たいと思ったのが、1991年5月6日に大阪・万博お祭り広場にて行われたFMWの大仁田厚vs.ミスター・ポーゴの有刺鉄線バリケードマット地雷爆破デスマッチ。

 今や、蛍光灯も画鋲もカミソリも当たり前になってしまったデスマッチだが、当時は有刺鉄線だけでも話題性があったのに、地雷って?! どうなるの? ホントに落ちるの?? そんな興味もあってか、当日は7883人の満員札止めとなった(更に後ろでタダ見の人も多かった)

 地雷ボードの写真は、試合前にリングサイドまで見に行った時のもので、実際の席は後ろの方だったので、爆破の瞬間はうまく写真に収める事はできなかったが、試合は13分27秒、大仁田がトップロープからのフェースクラッシャーでポーゴを仕留めた。これは、凄い物を観たというインパクトは大であった。

 そのポーゴさんも4年前に逝去。大仁田との数々の闘いも必然的にピリオドが打たれた。
 しかし更に時は経ち、史上初の地雷マッチから丁度30年の今年! 再び、同じ大阪の地で、このデスマッチが行われる事となった。
 今回の相手は、ポーゴさんの弟子にあたるシャドウWX。彼にポーゴさんが憑依し、今回は“ミスター・ポーゴ”として闘うのだ。7月4日にFMW-Eの旗揚げ戦で、試合後乱入してきたWXにファイヤー攻撃を喰らい、炎上させられた恨み、ここでの決着戦となった。
 しかも、火薬の量が3倍! これは、当時と今回の地雷の大きさを写真で比較しても、遥かに今回の方が大きい(かさが高い)。更に、多くのアイテムに電流爆破が仕掛けられ、かなりの被爆者が出る事になりそうな試合となった。

 ひとつ、ずっと気になっていたのが天候。今年もうだるような暑さで、大会詳細が発表された7月下旬、大阪市内は毎日35~36度前後の気温であり、野外だけに熱中症で運ばれる人が出てもおかしくない。大丈夫かなと心配していたが、なんと開催1週間前から、毎日大雨予報でドシャ降り。15日も雨マークであった。大仁田が、開催2日前にツイッターで『私は雨男ではありません。どちらかと言うと晴れの男ですが、あまり暑いとみんなも俺も死にますから、くもりでよろしく』
 これが、天に届いたのか、当日の朝まですごい雨だったが、次第に止み始め、リングを設置する昼頃には雨は上がり、“曇り時々晴れ”になった! 気温も29度。死ぬほどの暑さではなくなったのだ。しかし、翌日からまた雨が降り出した。開催される15日の昼から夜にかけてだけやんだのだ。まさに奇跡だ! 大仁田は、天も操れるのか? こういうところ、神がかっているとしか思えない。

 そんな中で、第6試合迄が終わり一旦休憩。その間にリングがどんどん地獄へと変貌して行く!

 それまで、空はまだ十分に明るい状態であったが、セッティングに時間がかかった為、ちょっと薄暗くなり出した。

 ほぼほぼ19時、そんな中で、メインイベントのゴングが鳴った!!

■ FMW-E旗揚げ第2戦「BURN OUT」
日時:8月15日 16:30開始
大阪・鶴見緑地花博記念公園特設リング
観衆750人(超満員=主催者発表)

<第7試合>
有刺鉄線電流爆破&電流爆破バット&電流爆破テーブル&バリケードマット地雷爆破ボード火薬3倍~地獄のデスマッチin大阪
●大仁田厚
岡田剛史
HASEGAWA
13分06秒 爆破イス⇒体固め
○ミスター・ポーゴ
X=青柳政司
木高イサミ
withデビル・マジシャン

 おなじみ“ワイルドシング”が響き渡り、先に大仁田組の入場! 会場が一気にヒートアップ!
そして、反対側からはミスター・ポーゴの入場。明らかにされていなかった“大仁田の事を最もよく知る男”=「X」の正体は、FMW黎明期にライバル関係であった青柳政司であった。
 それに、デスマッチファイターの木高イサミ、プラス不気味なデビル・マジシャンが付く。
 大仁田のパートナーは、正直この中では格落ちの2名になってしまうと思えるが、正直ファンは誰が相方であろうが、大仁田1人を観られれば十分であろう。

 役者は揃ったが、最初の5分は大仁田とポーゴの一騎打ち。他の選手はリング下へ降りゴング!
 ポーゴは、開始早々で赤の毒霧を噴射。そして、何かを取り出したと思ったら、いきなりの火炎攻撃・・・の筈が、横浜と同じく、1回目は不発。折角の緊張感がちょっと失笑になってしまい、これは勿体なかった。2度目は、ビッグファイヤーになったが、大仁田はそれをイスで防御し、そのまま脳天を一撃! 
 火種が自分の身体にくっついてしまい、慌てて投げ捨てるポーゴ。

 最初に有刺鉄線につっこんだのはポーゴだった・・・が、なぜか爆破せずにセーフ?! そのあと、ポーゴのヘッドロックの体勢をそのまま、ロープへ押しつけてこれが最初の被爆!

 この時点で、確か3分経過だったと思うが、待ちきれなかったのか、他のメンバーも一気にリングイン。6人での闘いとなったが、大仁田とポーゴは一旦戦場を場外へと移した。

 再び、リングに戻った大仁田に、セコンドのマジシャンがまさにマジックのような炎攻撃!
 怒った大仁田は、爆破バットで蹴散らした。しばし、マジシャンはリング下で動けず。あとで、ツイッターに腕を火傷したと書き込まれていた。

 更に、イサミとポーゴが同時被爆。
 火花もさる事ながら、とにかく爆音が凄い!! 


 いつのまにかテーブルが持ち出され、大仁田がイサミをテーブル上での脳天杭打ちで爆破。ポーゴは、初代の代名詞とも言える、鎖ガマを持ち出し、大仁田の背中や腹を突き刺す。
 そして、突然ヤマ場がやってくる。誰かが、『もう落としてしまえ!』と叫び、大仁田とポーゴがエプロンサイド落とし合うが2人同時に落下。その瞬間、大爆音と共に炎と煙に包まれる!



 とても、この中にひとがいるとは思えない。爆発の2枚目の写真は使うつもりはなかったが、明るく補正しアップにしてみたら、大仁田のFMWのロゴのTシャツと白いシューズが見えた!

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