(C)GLORY
12月19日(土・現地時間)にオランダ王国ロッテルダムで「Glory 76」が開催された。
グローリーは、ヨーロッパのキックボクシング団体。2011年のFEGの経営悪化によるK-1の活動休止に伴い、世界的に大規模なキックボクシング団体がなくなったため、入れ替わるように新たにキックボクシングの世界的メジャー団体として活動している。何度かの組織変更の末、北米を照準にして2016年2月、UFCファイトパスでの配信を開始した。
今大会はあの悪童バダ・ハリ復帰戦として2020年10月に開催予定だったがコロナ自粛、選手のコロナ陽性などが重なり延期が繰り返され、12月に大会開催となった。
メインは当然、バダ・ハリ復帰戦で、対戦相手は実力者のベンジャミン・アデグバイ。この勝者はヘビー級王者リコ・ヴァーホーベンへ挑戦することになっている。
バダ・ハリは2019年12月にヴァーホーベンに挑戦し、長期ブランクで圧倒的不利と思われていたが、逆にヴァーホーベンを圧倒し二度のダウンを奪った。しかしアクシデントの負傷でTKO負けになってしまったが、アクシデントが無ければバダ・ハリが勝っていたと言われており、なんとしても今回も勝利してリベンジマッチに挑みたいところだ。試合はスピードのある攻撃で攻めるハリとプレッシャーをかけてくるアデグバイだが、2Rにはハリがパンチラッシュであの打たれ強いアデグバイがダウンするという衝撃的な展開となった。このままハリ勝利と思われたが、3R、逆にアデグバイがカウンターでハリからダウンを奪うと状況が一変。鼻血を出したハリはなんとか立ちあがったものの、再びアデグバイのカウンターを食らってひざまづき、立ち上がることが出来ずKOされてしまった。ハリがまさかの逆転負けとなり、アデグバイは大物バダ・ハリにKO勝ちするという衝撃的な結末となった。
セミファイナルではウェルター級王座戦が組まれ王者セドリック・ドゥンベがカリム・ガジの挑戦を受けた。本来は暫定王者であるマーセル・グローエンハートと王座統一戦が予定されていたが、相次ぐ大会延期で今回は欠場となった為、ISKA王者であるカジが抜擢された。試合は激しい殴り合いを制してドゥンベが2Rで二度のダウンを奪い、更に3Rも殴り合いを制してドゥンベがカジからダウンを奪ってレフェリーがストップ。ドゥンベがKO勝ちで王座防衛を果たした。
■ Glory 76
日程:2020年12月19日(土・現地時間)
会場:オランダ王国ロッテルダム
<ヘビー級>
○ベンジャミン・アデグバイ(ルーマニア)
3R TKO
●バダ・ハリ(オランダ)
<ウェルター級王座タイトルマッチ>
○セドリック・ドゥンベ(フランス/王者)
3R TKO
●カリム・ガジ(フランス・モロッコ/挑戦者)
<ヘビー級トーナメント準決勝>
○ノルディン・マヒエディン(フランス)
判定
●アントニオ・プラジバット(クロアチア)
<ヘビー級トーナメント準決勝>
○レヴィ・リフテルス(オランダ)
2R 2分38秒 TKO
●マルシアーノ・ブグワンダス(スリナム)
.@AdegBenny survives and conquers!
He storms back to beat Badr Hari via third round TKO! #GLORY76 pic.twitter.com/Etcuzbtc9v
— GLORY Kickboxing (@GLORY_WS) December 19, 2020