(c) ONE
2日、フィリピンのマニラでOne Championshipの『DAWN OF HEROES』が開かれ、プレリムカードから日本人選手が出ることもあり、長丁場だったものの、いずれのカードも世界レベル観点からも充実しており、実際、格闘技ファンにとっては必見の大会となった。北米でも配信放送が始まっているとはいえ、まだまだ注目度は低いのであるが、アジア圏ではムエタイ、キック、MMAと圧倒的な陣容を揃えている段階になったことが実感された。
キック、あるいはムエタイ戦にせよ、MMAグローブになったり、通常のボクシンググローブだったりと、まだそこは試行錯誤なのかもだが、今回も金網ではなくリング仕様に。日本人選手のカードに目がいきがちだが、本誌的には英国のジョナサン・ハガティーと、那須川天心を苦しめたことでも知られるロッタンのムエタイ戦が目を見張った。なにしろ下馬評を覆してルンピニースタジアム二階級王者のサムエー・ガイヤーンハーダオを下してONEムエタイフライ級王座を戴冠した新鋭が、同じ年齢だろうが試合数では超ベテランになるロッタンとどう戦うのか。1Rは前蹴りでロッタンを翻弄させ、射程距離に入らせない戦法に興奮したマニアは少なくないだろう。しかし、普段と違う戦い方でくる相手にせよ、攻略法を見つけて斬り崩していくのが百戦錬磨のロッタンだ。4Rにはダウンを奪い、念願の世界タイトルを戴冠して、泣いていたのが印象的だった。
DJことデメトリアス・ジョンソンがケージでなくリングで戦う姿なんか、これまであったっけと思うのだが、その点では和田竜光が慣れの有利はあったかも知れない。1R、和田が四角いリングのコーナーを背にDJにおんぶする恰好で足を変形四の字固めのような(なんか実況で得意技だと技名を言っていたが“お竜Lock”らしい)要領でガッチリと固めて、あわよくばという場面にまで持って行ったのが見せ場だったか。世界のDJ相手に大善戦だったとは評することができよう。
日本での知名度と人気の高いエディ・アルバレスだが、ONEの日本進出大会となった両国大会でトーナメント初陣に黒星のデビュー。ところが運は巡ってくるもので、ティモフィ・ナシューヒンの負傷欠場により、そもそもトーナメントにエントリーしてなかった地元フィリピンの英雄エドゥアルド・フォラヤンとのカードが準決勝ということに。普通こういう場合はALTERNATE BOUTの勝者が替わりになるものだが、このカードなら誰にも文句はない。
試合は、またもアルバレスが1Rでやられるのかとハラハラだったが、ダウンさせたアルバレスにパウンド追撃するフォラヤンの一瞬のスキを見逃さす体勢リバーサルのスイープに成功。すぐに裸締めを極めたのは経験が役立ったことになる。これでラッキーにもアルバレスは両国の決勝戦に進むことになった。
■ ONE: DAWN OF HEROES
日時:8月2日
会場:フィリピン マニラ モール・オブ・アジア・アリーナ
<第14試合 フェザー級世界タイトル戦>
○マーティン・ニューイェン(ベトナム/オーストラリア)
2R 4分40秒 パウンド連打TKO
●松嶋こよみ(パンクラスイズム横浜)
<第13試合 フライ級ムエタイ世界タイトル戦>
●ジョナサン・ハガティー(イギリス)
判定0-3
○ロッタン・ジットムアンノン(タイ)
いつもより長くやったロッタン恒例のダンス入場。これがリラックスする秘訣なのかも。
今回は大成敦レフェリーが復帰!
現場取材したことがあればわかるが、AbemaTVの画面からはカットされているものの、現地では邦題『ワイルドスピード』のスピンオフ新作映画(ドゥエイン・ジョンソン主演、ローマン・レインズ共演)が大会スポンサーの一角で予告編が流される。
<第12試合 ライト級100万ドルトーナメント準決勝>
●エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
1R 2分16秒 リアネイキドチョーク
○エディ・アルバレス(アメリカ)
<第11試合 フライ級100万ドルトーナメント準決勝>
○デメトリアス・ジョンソン(アメリカ)
判定3-0
●和田竜光(フリー)
レッド・ツェッペリン♪移民の歌が鳴り響く。DJの知名度と人気はフィリピンでもダントツだった。
<第10試合 フライ級100万ドルトーナメント準決勝>
○ダニー・キンガッド(フィリピン)
判定2-1
●リース・マクラーレン(オーストラリア)
かなり微妙な判定ながら、地元フィリピン勢の負けが続いていたなかでなんとか生き残る
<第9試合 バンタム級ムエタイ>
○ロドレック・P.K.センチャイムエタイジム(タイ)
3R 49秒 右ショートフックKO
●アンドリュー・ミラー (スコットランド)
<第8試合 フライ級世界GP100万ドルトーナメントALTERNATE BOUT>
●ゲジェ・ユースタキオ(フィリピン)
1R 1分59秒 右ストレートKO
○若松佑弥(TRIBE TOKYO M.M.A)
ONE championship マニラ大会 試合結果
1ラウンドTKO勝ちする事が出来ました,
応援ありがとうございました!!
2連敗、完全アウェーの試合の中、次が最後のつもりで挑みました。
こんな素晴らしい経験をさせていただき、沢山の人々に感謝します。 pic.twitter.com/S0tFp1wPMj— Yuya Wakamatsu 若松佑弥 (@Yuya0209C4) August 3, 2019
<第7試合 ライト級100万ドルトーナメント準決勝>
●ホノリオ・バナリオ(フィリピン)
判定0-3
○パク・テソン(韓国)
<第6試合 バンタム級>
●レアンドロ・イッサ(ブラジル)
3R 1分39秒 左ストレート⇒パンチ連打KO
○竹中大地(パラエストラ和泉)
<第5試合 ウェルター級>
○ジェームズ・ナカシマ(アメリカ)
判定3-0
●岡見勇信(EX Fight)
<第4試合 フェザー級>
●エドワード・ケリー(フィリピン)
判定0-3
○シェ・ビン(中国)
<第3試合 ストロー級>
●ポンシリ・ミートサティート(タイ)
判定0-3
○ミアオ・リータオ(中国)
<第2試合 ストロー級>
●サマラ・サントス(ブラジル)
2R 39秒 アメリカーナ(V1アームロック)
○三浦彩佳(TRIBE TOKYO M.M.A)
<第1試合 バンタム級>
●スノト(インドネシア)
判定0-3
○ムハマド・アイマン(マレーシア)
※月額999円ファイトクラブで読む(クレジットカード、銀行振込対応)
▼追悼ハーリー・レイス-G1折り返し展望-サマースラム不安-ONEマニラ
▼8・3-4G1クライマックス大阪2連戦から紐解く新日東京ドームの道標先
※490円電子書籍e-bookで読む(カード決済ダウンロード即刻、銀行振込対応)
’19年08月08日号レイス追悼 G1愛知 RIZIN RISE ラウェイ日本 世志琥 AEW ムエローク