ベッキー2ベルトSD王座シャーロットに盗られるもベイリ―MITB行使で新王者!男子は最後に出てきたブロック・レスナーが権利獲得!

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 正義は下された。毎年、面白い内容で飽きさせない『マネー・イン・ザ・バンク』だが、2019年も考えてひねってあり楽しませてくれた。
 まずは本戦第1試合の女子MITBから。ここで、「メラ・イズ・マネー」のカーメラが、ガチでケガしたのかと専門家をも欺く名演技で序盤で引っ込んだと思ったら、包帯を巻いて最後にまたリングインして妨害、結局は漁夫の利でベイリーがブリーフケースを獲得した。おお、今回も面白くなりそうだという予感から始まったが・・・
 
 そしてハイライトは、『ベッキー・リンチ24』のドキュメンタリー番組もうまくまとめられていたベッキー2ベルトのお出ましである。首脳陣がプッシュするレイシー・エバンスにはRAWのベルトを守るのであるが、間隔を置かずに出てきたのはシャーロットだ。ここは続けての2試合になるベッキーより、シャーロットが有利になるのは述べるまでもない。ピンフォールで9度目の王者記録を更新する流れだが、大河ドラマはここでは終わらなかった。近所に住む愛嬌あるお姉さんキャラのベイリーだが、週刊ファイト電子書籍に詳細するようにサーシャ・バンクが自宅待機謹慎処分になってしまい割を食ってしまって、鬼門のモントリオールではブーイングまで受けてしまったベイリーなのであるが、このタイミングでMITB権利を行使したのだ。そして短い試合で王座戴冠。お客さんをHappyにさせたのだから、ここはWWEのブッキングを誉めないといけない。

 ほかにも、アライアスとローマン・レインズの試合はわずか9秒と短くとか、飽きさせないように構成が練られていたのは評価に値しよう。セス・ロリンズとAJスタイルズはNXTの試合展開のような、と評するべきなのか、19分45秒の尺をもらってじっくりとレスリングを魅せてくれていた。
 ちなみにサブリミナル効果というか、スポンサーのピザがバッファロー・ウィングのトピングでわずか$12というのが妙に印象に残る。日本のピザは高すぎるのだ。

■ WWE Money In The Bank 2019
日時:5月19日(現地時間)
会場:コネチカット州ハートフォード XLセンター

◆ベッキーがSD王座陥落!争奪ラダー戦制したベイリーが同日行使で新王者に

 2冠女子王座ベッキー・リンチが試練の王座2連戦に挑んだ。「南部のピンナップ・ガール」レイシー・エバンスとRAW女子王座をかけて対戦したベッキーはドロップキックで先制。レイシーをバリケードに叩き付けて攻め込むと、レイシーもベッキーの左腕をストンピングで集中攻撃する。一時、レイシーのスタナーを食らってダメージを負ったベッキーだったが、最後はフォールを狙うレイシーをディスアーマーで捕まえてタップ勝ち。ベッキーがレイシーを撃破してRAW女子王座を防衛した。

 しかし、喜びもつかの間、続けて登場したシャーロットとのSmackDown女子王座戦に移行すると、2連戦で疲れを見せるベッキーはシャーロットにチョップ連打やボストンクラブで痛め付けられて劣勢。さらにベッキーはレフェリーの目を盗んだレイシーのウィメンズ・ライトを食らって妨害されると、最後はシャーロットのビックブートに沈んで3カウント。ベッキーは王座から陥落し、シャーロットが新SmackDown女子王者となった。

 但し、これで終わりではなかったのだ。試合後、ベッキーがシャーロットとレイシー2人掛かりで襲われると、女子マネー・イン・ザ・バンク・ラダー戦を制したベイリーが救援に登場。ベイリーはレイシーを蹴散らし、スピアーを放ったシャーロットをコーナーポストに叩き付けると、なんとブリーフケースをキャッシュインして王座挑戦の権利を行使する。コーナートップからダイビングエルボーを叩き込んだベイリーはシャーロットから3カウントを奪って新SmackDown女子王者となった。

◆王者ロリンズがAJスタイルズとの初対決を制して王座防衛!

 王者セス・ロリンズがAJスタイルズとユニバーサル王座戦で初対決した。試合序盤、ロリンズがトペ・スイシーダ2発で攻め込めば、AJスタイルズも牛殺しで応戦して両者一歩も譲らない攻防を展開。さらにAJスタイルズはカーフ・クラッシャーやリバースDDTを決めると、ロリンズのカーブ・ストンプをキャッチしてスタイルズ・クラッシュも炸裂。しかし、これをカウント2で返したロリンズはお返しとばかりにフェノメナール・フォアアームを狙ったAJスタイルズを捕まえてレボリューション・ニー。続けてアバタ・ケダブラも顔面にクリーンヒットさせると、最後はカーブ・ストンプを叩き込んで3カウント。マンデイ・ナイト・ロリンズがAJスタイルズ相手に王座防衛に成功し、両者は握手をしてお互いの健闘を称えた。

 なんか、One Championshipのシンガポール大会で、お互いの健闘を称える絵が続いたのを見て影響されたんじゃないかとも思わせる幕切れ。いや、週末に見た映画のパクリとか、作る側というのはそういうモンなのだ。マット界は、世界は一つのだのである。

◆キングストンがオーエンズを撃破してWWE王座防衛に成功!

 王者コフィ・ミングストンが裏切りのケビン・オーエンズとWWE王座戦で激突した。序盤、キングストンはクローズラインからオーエンズをバリケードに叩き付けて攻め込むと、オーエンズは反撃とばかりにセントーンやエプロンからのフロッグスプラッシュで応戦。さらにキングストンがダブルストンプやSOSを決めて勢いづくとオーエンズもボストンクラブやポップアップ・パワーボムを繰り出して両者互角の攻防を展開する。しかし、オーエンズのセントーン・ボムに対してキングストンがヒザで迎撃すると、最後はトラブル・イン・パラダイスでオーエンズを沈めて3カウント。因縁のオーエンズを下してキングストンがWWE王座防衛に成功した。

◆電撃出場のレスナーが男子MITBラダー戦でブリーフケース奪取!

 王座挑戦権の権利が入ったブリーフケースを奪い合う男子マネー・イン・ザ・バンク・ラダー戦は波乱の結末を迎えた。出場予定だったサミ・ゼインが何者かに襲われて7人で競われたラダー戦で、アンドラデはスワンダイブ・ドロップキックでラダーを登るオートンを蹴散らせば、ラダー上段から豪快なサンセットフリップ・パワーボムをベイラーに炸裂させて躍動。さらにバロン・コービンやドリュー・マッキンタイアが暴れまわってラダー戦は混戦となったが、最後は「クロニクル」特番でモスレムの家族を公開していたベビーフェイスのアリがコービンを場外に蹴落とすと、ラダーを登ってアタッシュケースに手を掛けて勝利目前まで迫った。
 ところはそこで突如、ブロック・レスナーが走り込んでリングに姿を現すと、ラダーを倒してアリをリングから排除。1人残ったレスナーはしてやったりの笑顔を浮かべてラダートップまで登ると、ブリーフケースを奪取して王座挑戦権を獲得した。
 さっそくクリス・ジェリコが、明らかなキツイ皮肉をSNSに書き込んでいたが・・・。ロジックもへったくれもあったモンじゃない、AEWはお客のインテリジェンスを尊重するということなのか。もっとも、ヤングバックスたちが中心のBeing The Eliteは、サーシャ・バンクスの自宅謹慎状況をコケにしたり、どっちもどっちという気もするのだが・・・。もっとも、実況はサーシャの名前を出していたから、明日にでも戻ってくる可能性が出てきたようだ。


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’19年05月30日号MITB 殿堂博物館 WWE/AEW KnockOut新体制 釜山ASURA ラウェイ日本