(c) One Championship
31日、両国国技館にてONE Championshipの『新時代』が超満員の観衆を前に開催された。15時30分きっかりに始まり、終了は22時を回ってしまい長すぎる反省は残ったものの、久しぶりに格闘技の興奮が日本に戻ってきたことを印象付けた。やはり、終わりよければすべてよしで、青木真也が1Rに肩固めを極めてライト級王座に返り咲いたことは大きい。冷え切っていた日本の格闘技界の逆襲の狼煙にもなりうる価値ある勝利だった。
日本人選手では、ずっと海外でがんばってきたが判定決着の多かったV.V MEIが、一本でロシア美女クセニア・ラチコワに勝利したのも褒められよう。また若松佑弥は、世界トップのマイティマウスDJデメトリウス・ジョンソンに善戦していた。勝ち負けだけがすべてではない。将来は開けたと思われる。
会場人気というか、やはりエディ・アルバレスは日本で馴染みの人気者だったが、ロシアの強豪ティモフィ・ナシューヒンに敗退。ライト級グランプリのトーナメントから早くも姿を消すことになった。また、アンディ・サワーもオープンフィンガー・グローブでのキック試合にまだ対応できてなかった。老獪なヨーセングライは、このグローブやルールを「自身に合っている」と話していた通りで、まだまだ現役続行のようだ。
トップスターであり、海外向けには目玉選手であるアンジェラ・リーは二階級制覇の掛かった大一番だったが、4Rで腕十字を極めながら、中国本土出身のシィォン・ヂィンナンは女子特有の柔らかさなのかタップせずにラウンド終了のベルを聞く。最終ラウンド、やはり体力を使い果たしたアンジェラに、強烈なボディパンチをブチ込んで戦意を喪失させ、凶暴さを発揮して逆転勝利に繋げた。5Rまでもつれ込んだ長い展開だったが激闘であり、見ごたえのあったカードだった。
バンタム級王座戦3度目の正直は、王者ケビン・ベリンゴンがずっと押してはいたのだが、故意ではないと思われるが後頭部へヒジが当たってしまい、結局はレッドカードによる反則負けでビビアーノ・フェルナンデスの王座返り咲きに。しかし、納得しないビビアーノも、そのままベルトを巻かずに金網から出ている。
那須川天心を苦しめたロッタン・ジットムアンノンだが、この日は連戦スケジュールもあるのか精彩がなく、判定もスプリットになっていた。プレリムのカードでは、Lion Killerゲイリー・トノンが噂通りの強さである。この大会は北米でもターナースポーツのネット配信BRから生中継されており、文字通りONEにとっても『新時代』だったが、MMA=UFCという図式に一石を投じたことは間違いない。
ONEを最初から報道している本誌的には島田裕二に変わって梅木良則レフェリーが初登場しているのが興味深かった。次回の日本大会は10月11日(金)が予定されている。
■ ONE Championship: A New Era
日時:3月31日 15:30開始
会場:東京・両国国技館 観衆11098人(=主催者発表)
<第15試合 ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
●[王者]エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
1R 2分34秒 肩固め
○[挑戦者]青木真也(日本)
※2年4ヶ月ぶりに青木が王座奪回
<第14試合 ONE世界女子ストロー級(※56・7キロ)選手権試合/5分5R>
○[王者]シィォン・ヂィンナン(中国)
5R 1分37秒 ボディパンチ⇒右ミドルキックTKO
●[挑戦者]アンジェラ・リー(米国/シンガポール)
※ヂィンナンが王座防衛
<第13試合 ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
○[王者]アウンラ・ンサン(米国/ミャンマー)
2R 2分41秒 右ストレートKO
●[挑戦者]長谷川賢(日本)
※ンサンが王座防衛。ブランドン・ベラが10月日本大会での対戦を申し込みLet’s Get it on! ンサン3階級制覇なるのか?
<第12試合 ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
●[王者]ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
3R 後頭部へのヒジ反則
○[挑戦者]ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
※レッドカード反則によりビビアーノが新王者
<第11試合 ONEワールドGP準々決勝フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
○デメトリウス・ジョンソン(米国)
2R 2分40秒 サイド入りのギロチンチョーク
●若松佑弥(日本)
<第10試合 ONEワールドGP準々決勝ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
●エディ・アルバレス(米国)
1R 4分05秒 パンチ連打TKO
○ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
<第9試合 スーパーシリーズ(キック)72キロ契約/3分3R>
○ヨーセングライ・IWE・フェアテックス(タイ)
2R 51秒 KO
●アンディ・サワー(オランダ)
<太鼓の入場セレモニー>
<プレリム第8試合 ONEワールドGP準々決勝フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
○ダニー・キンガド(フィリピン)
判定3-0
●仙三(日本/パンクラス)
<ONEワールドGP 準々決勝フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
中止 デルフィーノが怪我のため欠場⇒延期
イヴァニウド・デルフィーノ(ブラジル)
<プレリム第7試合 ONEワールドGP準々決勝フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
○カイラット・アクメトフ(カザフスタン)
判定3-0
●リース・マクラーレン(豪州)
<プレリム第6試合 スーパーシリーズ(ムエタイ)フライ級/3分3R>
○ロッタン・ジットムアンノン(タイ)
判定2-1
●ハキーム・ハメック(フランス)
<プレリム第5試合 スーパーシリーズ(キック)フライ級/3分3R>
●秋元皓貴(日本/元極真空手王者/シンガポールevolve)
判定0-2
○ヨゼフ・ラシリ(イタリア)
<プレリム第4試合 女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
○V.V Mei(日本)
3R 3分18秒 腕ひしぎ十字固め
●クセニア・ラチコワ(ロシア)
<プレリム第3試合 フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
○Lion Killerゲイリー・トノン(米国)
1R 4分12秒 グランドパンチTKO
●アンソニー・アンゲレン(オランダ/インドネシア)
<プレリム第2試合 ムエタイ・バンタム級/3分3R>
○パニコス・ユーサフ(キプロス)
判定3-0
●モハマド・ビン・マフムード(マレーシア)
<プレリム第1試合 ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
○ユン・チャンミン(韓国/格闘代理戦争優勝)
1R 4分16秒 裸締め
●バラ・シェッティー(インド)
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