大会当日を前にチケット完売となった29日の新日本プロレス熊本大会。札止め3435人の観衆がリングに熱視線を送った。
メインでは、今年に入ってから遺恨を積もらせてきた鈴木みのると内藤哲也がIWGPインターコンチネンタル王座戦で対決。内藤の古傷であるヒザを徹底的に関節地獄で攻めたみのる。防衛目前かと思われたが、内藤は強烈な張り手を連打して形勢を逆転する。みのるのスリーパーからの逆落としを食らいそうになる内藤だったが、ギリギリの攻防の中で垂直落下式ブレーンバスター。張り手による鼻血を流すみのるにデスティーノを決めた内藤がベルトを奪取した。
熊本大会は2年半ぶり、2年前の大会が熊本地震で流れた経緯がある。当時の千葉大会で「トランキーロ、待ってろよ」と熊本ファンへメッセージを送っていた内藤は、渾身のベルト奪取で大会復活を締めてみせた。さらなる復興を祈りつつ「プロレスを通じて一歩踏み出す勇気を与え続けていきたい」とマイク。
みのるが「これが俺とあいつの始まり」と試合後にコメントしたことで、6・9大阪城ホールでのリマッチの可能性もつくってみせた。実際のところは、どれだけのサプライズ選手投入を大阪城大会に整えられるかで変わってくると見られる。クリス・ジェリコとは1・4東京ドーム大会の単発契約、かつWWEがWIN-WINと判断しなければ今後の出場がないというのが関係者筋の見方。ドームが十分に話題となり、WWEが新日本をジャックしたほどのインパクトを残したことからも、2度目が厳しくなっていると推察される。
大会全体では、ラスト4試合が鈴木軍vs.ロスインゴの図式となったが、ロスインゴが全勝。ロスインゴグッズに身を固めた多くのファン歓喜の流れとなったが、内藤の逆転への展開が唐突過ぎてノレなかったという声も。ナマモノであるプロレスの難しいところではあるが、さすがに試合で百発百中の高得点とはいかないのであって、身体を張り合ったボス同士の一戦には及第点をつけてもよいのではなかろうか。
こうしてゴールデンウィークの新日本ビッグマッチ連戦は火蓋を切った。
■新日本プロレス『レスリング火の国2018』
日時:4月29日(日)15:00
会場:グランメッセ熊本 観衆3435人(札止め=主催者発表)
<第1試合>
●海野翔太
岡倫之
9分41秒 ナガタロックⅡ
成田蓮
〇永田裕志
<第2試合>
SHO
YOH
●ロッキー・ロメロ
ジェイ・ホワイト
7分18秒 Prima Nocta⇒エビ固め
田口隆祐
タイガーマスク
獣神サンダー・ライガー
〇デビッド・フィンレー
<第3試合>
矢野通
〇石井智宏
7分56秒 垂直落下式ブレーンバスター⇒片エビ固め
●トーア・ヘナーレ
真壁刀義
<第4試合>
TAKAみちのく
タイチ
飯塚高史
〇ザック・セイバーJr.
8分51秒 グラウンド卍固め
●チェーズ・オーエンズ
高橋裕二郎
飯伏幸太
ケニー・オメガ
<第5試合>
ウィル・オスプレイ
●YOSHI-HASHI
後藤洋央紀
オカダ・カズチカ
10分13秒 ハイフライフロー⇒片エビ固め
KUSHIDA
マイケル・エルガン
ジュース・ロビンソン
〇棚橋弘至
<第6試合>
●エル・デスペラード
9分58秒 反則
〇BUSHI
<第7試合 スペシャルシングルマッチ>
●金丸義信
11分28秒 TIME BOMB⇒体固め
〇高橋ヒロム
<第8試合 IWGPタッグ選手権試合>
[挑戦者組]
●デイビーボーイ・スミスJr.
ランス・アーチャー
17分58秒 EVIL⇒エビ固め
SANADA
〇EVIL
[第79代王者組]
※EVIL&SANADAが2度目の防衛に成功
<第9試合 IWGPインターコンチネンタル選手権試合>
[挑戦者]
〇内藤哲也
30分22秒 デスティーノ⇒片エビ固め
●鈴木みのる
[第17代王者]
※鈴木が2度目の防衛に失敗、内藤が第18代王者に
※新日本プロレス分析は週刊ファイト5月8日号に収録されました。
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’18年05月08日号かさいあみ 丸藤Cカーニバル 新日 WWS ラウェイ DEEP サウジGRR