[ファイトクラブ]プロレス界からスーパースター誕生か!? 一心同体のプロレスとテレビ

[週刊ファイト4月26日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼プロレス界からスーパースター誕生か!?一心同体のプロレスとテレビ
 by 安威川敏樹
・『ギブUPまで待てない!!』が、テレビ・プロレス衰退の原因!?
・『日本の常識は世界の非常識』をやってのけたテレビ・プロレス
・ジャイアント馬場とアントニオ猪木、テレビCMでもガチンコ・バトル!?
・高田延彦と向井亜紀との恋仲を、ジャンボ鶴田が暴露!?
・プロレス界はスター候補生の宝庫


 先日、真壁刀義がABCテレビ『探偵!ナイトスクープ』の特番に出演したのは、本誌で既にお伝えしたとおりだ。真壁刀義がニワカ探偵に扮し、謎の調査にあたったのである。

▼真壁刀義、関西の超人気番組『探偵!ナイトスクープ』の探偵に就任!?

真壁刀義、関西の超人気番組『探偵!ナイトスクープ』の探偵に就任!?

 真壁刀義は他にも数々のテレビ番組に出演し、プロレス人気の向上に一役買った。そのキャラクターはタレント顔負けで、特にプロレスラーのイメージとは真逆の『スイーツ好き』として有名になったほどである。
 さらに真壁刀義は、NHKの『おんな城主 直虎』にも出演した。真壁刀義はもはや、芸能人なら誰もが憧れる大河ドラマの俳優にもなったのである。

 他に、プロレス関係番組以外の地上波テレビによく出る(元)プロレスラーと言えば、長州力や天龍源一郎、佐々木健介&北斗晶夫妻といったところか。彼らはプロレスの認知度アップに大きく貢献した。

 ただ惜しむらくは、プロレスの素晴らしさが、まだ一般には浸透していないことだろう。佐々木健介は嫁ハンの尻に敷かれている夫というイメージで、かつては凄いレスラーだったなんてことを知る人は、今の若い世代ではほとんどいまい。

▼今の一般人には、これが北斗晶と佐々木健介とは思いもよらないだろう

YouTubeキャプチャー画像より https://www.youtube.com/watch?v=KQoXacJHVeI

『ギブUPまで待てない!!』が、テレビ・プロレス衰退の原因!?

 佐々木健介が新日本プロレス時代に『馳健コンビ』を組んでいたのが、現・衆議院議員の馳浩だった。その馳浩が若手の頃、プロレス中継をバラエティ化したテレビ朝日の番組『ギブUPまで待てない!!ワールドプロレスリング』のMCだった山田邦子を恫喝したシーンは、今や伝説化されている。しかも、馳浩は山田邦子より年下である。

▼[ファイトクラブ]禁断の組み合わせ? ~プロレスラーとバラエティ番組~
https://miruhon.net/91167

 内容を見れば、馳浩が恫喝するようなことは、山田邦子は言っていない。

邦子「(試合中に流血すれば、控室で)血って、すぐ止まるものなんですか?」
馳浩「止まるわけないだろ! つまんない話、聞くなよ!!」

 素人(山田邦子)の質問に、一介の若手レスラーに過ぎなかった馳浩が激怒したのである。当時(1987年)のプロレス界、特に新日本プロレスでは、プロレスがバラエティ化されることを忌み嫌っていたことがわかる。
 多少の暴露本があったとはいえ、ケーフェイが聖域だった時代での山田邦子の発言は、若手レスラーだった馳浩でも許せなかったのだろう。

 そして『ギブUPまで待てない!!ワールドプロレスリング』は徹底的な批判を浴びた。テレビ界には『批判される番組ほど面白い。批判されなくなった番組は衰退する』という定説があるが、『ギブUPまで待てない!!ワールドプロレスリング』は批判されながら僅か半年で打ち切られたという、悲劇のプロレス中継番組である。
 ただし、批判の集中砲火を浴びせたのはプロレス・ファン、そしてマスコミを含めたプロレス界だった。プロレス界自身が、一般社会と交わることを拒んだのである。

 いずれにしても『プロレス界と芸能界は噛み合わない』と知らしめた番組だったことは否めない。この番組を境に、プロレス中継は次第にゴールデン・タイムから撤退した。そして、一般の人には目に触れることのないジャンルとなったのである。

▼[ファイトクラブ]山田邦子と獣神サンダー・ライガーがつないだ30年間の空白
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『日本の常識は世界の非常識』をやってのけたテレビ・プロレス

 こう考えると、プロレスとテレビ番組は相性が悪いように思えるのだが、それは全く違う。もしテレビというものがなければ、日本のプロレスはとっくに衰退していただろう。
 プロレスが初めてテレビ電波に乗ったのは1954年、力道山の時代だった。それ以来のプロレスとテレビは持ちつ持たれつ、なにしろ力道山が興した日本プロレスを放送した日本テレビは、放送免許を獲得して僅か1年足らずで黒字に転じたのだ。

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