デメトリアス・ジョンソン王座防衛!水垣偉弥無念!9・27『UFC178』

(C) Photo Courtesy of UFC

 2014年9月27日にネバダ州ラスベガスで『UFC178』が開催された。

 メインイベントは、デメトリアス・ジョンソン対クリス・カリアソのフライ級タイトルマッチ。2012年9月のUFC152以来王座を守り続けるジョンソンは、5度目の防衛を目指す。2014年6月に開催された直近の試合では、アリ・バガウティノフと対戦。相手の3倍をはるかに上回る133発の有効打を放ち全5ラウンドを終始圧倒した。今回、ムエタイ出身で3連勝中と勢いに乗るカリアソと打撃戦が繰り広げられるか注目される。試合は、ジョンソンが圧倒。1R、すぐにテイクダウンを奪い、グランドで上からパウンドで圧倒し、2Rも同じくグランドで上からキムラで一本勝ちしたジョンソン。危なげない試合運びで、見事に王座防衛を果たした。

 メイン以上に今大会で最も注目されたのが、セミファイナルの“カウボーイ!ドナルド・セラーニ対エディ・アルバレスだ。なにせ、ライバル団体の現役王者がUFC初参戦という歴史的な事件。アルバレスは、UFC移籍を熱望していたが、ベラトールが契約を盾に移籍を認めず裁判にまでなっていた。それが、ベラトールの体制が変わった事により、突然、移籍を認めた為、円満にUFCに送り出された。この経緯を考えればアルバレスは負けられないが、WEC~UFCとUFC軽量級のトップで常に活躍してきたセラーニにしても外様の好き勝手にはさせたくない。そんなお互いの意地が爆発した名勝負となった。お互い、テイクダウンは成功せず、スタンドの攻防が続く。アルバレスはパンチ、セラーニは首相撲から膝蹴りやキックを多用し、接戦が続くが、試合が進むにつれ、リーチの差でセラーニが優勢になる。3Rには、遂にセラーニがローキックでアルバレスからダウンを奪い、そのままパウンド連打で勝負あり。セラーニが見事な判定勝ちを勝ち取り、アルバレスには、あまりに辛いUFCの洗礼となったようだ。

 また、ドミニク・クルーズ対水垣偉弥のバンタム級戦もWOWOW UFC-究極格闘技-で放送された。日本のエース、水垣は日本人連勝記録でもある5連勝中。2014年5月のUFC173では、ハードパンチャーのフランシスコ・リベラからダウンを奪い完勝した。クルーズは元バンタム級チャンピオンで、2014年2月、けがのため試合に出られずタイトルをはく奪された経緯があり、王座復帰を狙う。タイトル挑戦を目前にした水垣としては、何としても越えなければならない相手だ。しかし、試合はクルーズの完勝。すぐさま豪快にテイクダウンを奪ったクルーズが水垣を凄い速さでパウンド連打TKO、わずか61秒での決着となった。実況席も「クルーズが帰ってきた!」と大興奮!これで、クルーズは復帰後、いきなりタイトル戦線に殴りこみをかけることは間違いない。

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■ UFC 178
日時:2014年9月27日
場所:アメリカ・ネバダ州ラスベガス

<メインイベント フライ級タイトルマッチ>
○デミトリアス・ジョンソン(王者)
 2R 2分29秒 キムラロック
●クリス・カリアーソ(挑戦者)

<セミファイナル ライト級>
○ドナルド・セラーニ
 判定 3-0
●エディ・アルバレス

<フェザー級>
○コナー・マグレガー
 1R 1分46秒 TKO
●ダスティン・ポイリエ

<ミドル級>
○ヨエル・ロメロ
 3R 0分58秒 TKO
●ティム・ケネディ

<女子バンタム級>
○キャット・ジンガーノ
 3R 1分21秒 TKO
●アマンダ・ヌネス

プレミアムカード
<バンタム級>
○ドミニク・クルーズ
 1R 1分01秒 TKO
●水垣 偉弥

<ライト級>
○ホルヘ・マスヴィダル
 判定 3-0
●ジェイムズ・クラウス

<ウェルター級>
○スティーブン・トンプソン
 判定 3-0
●パトリック・コーテ

<ウェルター級>
○ブライアン・エバーソール
 判定 2-1
●ジョン・ハワード

<ライト級>
○ケヴィン・リー
 判定 3-0
●ジョン・タック

<バンタム級>
○メニー・ガンブリアン
 2R 4分56秒 ギロチンチョーク
●コディ・ギブソン

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