[週刊ファイト3月29月号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼棚橋41歳の春にZSJショック オカダ歴代最多Vかかる新日本プロレス上半期展望
photo こもとめいこ / text TERUZ
・体型も試合スタイルも異端のZSJ、まさかのNJC制覇という衝撃
・天才児・棚橋復活は準優勝で失速、されど準優勝者にも?
・内藤とジェリコ、新生ゴールデン☆ラヴァーズ始動の行方は
4・1両国で勝てば、IWGPヘビー級王座連続防衛歴代最多新記録(V12)に王手となるオカダ・カズチカ。ニュージャパンカップ決勝で敗退となり、41歳の春に失速した現最多V11記録保持者「天才児」棚橋弘至。両国から6・9大阪城ホールへと続く新日本プロレスの上半期クライマックスを展望する。
体型も試合スタイルも異端のZSJ、まさかのNJC制覇という衝撃
3月21日、札止め観衆3,996人で埋まった新潟・アオーレ長岡が凍りつく。ニュージャパンカップ決勝戦は、制覇によって完全復活を宣言するかに見えた棚橋弘至がタップアウト。伏兵であるザック・セイバーJr.が、オリエンテーリング・ウィズ・ナパーム・デス(股裂きとヒザ固めの複合技)で初制覇を遂げた。
菜食主義であることも知られるザックの体型は、ある意味でアスリート型ともいえるが、肉体でも強さを誇示するプロレスラーとしては細すぎる。体重は完全にジュニア。試合スタイルは関節技が中心のスタイルとなり、初心者にもわかりやすくドッカンドッカンと沸かせることを重んじる新日プロにとっては異端。世界各地でのタイトル遍歴は知られるものの、優勝予想にはのぼらなかった。
ところが開幕するや、内藤哲也・飯伏幸太・SANADA・棚橋弘至というトップ戦線を堂々突破。ステータスは爆上げ。オカダ・カズチカが帯同する外道のように、ザックに帯同するTAKAみちのくという構図も定着した。
関節技中心は異端ながら、変幻自在な移行ぶりでは通を唸らせ、一部の新規ファンにも興味を持たせた。これは“沸かせる関節技”という新境地なんだという解釈もあろう。決勝戦では山崎一夫の的確な解説が冴え、技術に留まらず負傷個所の相手研究が奏功しているのではと補足する。4・1両国国技館での対戦が決まったオカダに対してTAKAは「関節は鍛えられないからな」と一撃必殺を予告した。