[ファイトクラブ]井上譲二の『週刊ファイト』メモリアル第36回 NY特派員時代の私を全面的にサポートしてくれたのは米国人記者だった

現地時間の昨年5月20日に行われた、WWEとは別のプロレス殿堂PWHF入り式典での藤波夫妻とナポリターノ夫妻。

[週刊ファイト3月月29号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼井上譲二の『週刊ファイト』メモリアル第36回
 NY特派員時代の私を全面的にサポートしてくれたのは米国人記者だった
 by 井上 譲二 photo by George Napolitano
・恩人、ジョージ・ナポリターノ氏
・数え切れないほど情報を提供
・ブルーノ・サンマルチノとも親交
・昔話に花を咲かせた

 テキサス州ウィチタフォールズにはプロレス殿堂館がある。すべての過去の受賞者の写真が展示されている他、現地時間2017年5月18-20日の式典には、藤波辰爾が殿堂入りしただけでなく、業界での長年の功績を認められ、ナポリターノ氏も一緒に殿堂入りを果たした。

 すべての職業に言えることだが、自分1人の力で一人前になったと思ったら大間違い。必ず、その成長過程に恩人が存在するはずだ。私にとっての恩人はI編集長こと井上義啓氏と、米国人記者のジョージ・ナポリターノ氏。2人には感謝し切れないくらい世話になった。今号ではニューヨーク特派員時代に公私に渡ってサポートしてもらったナポリターノ氏について述べる。

 ラストネームで分かるようにジョージ・ナポリターノ氏はイタリア系米国人。父親の独身時代に米国へ移民した二世だが、気質は典型的なイタリアン。気さくで明るく、若い頃は女性へのアタックも積極的だった。
 本業は中学校の教師だが、当時、プロレス記者&カメラマンとの比重はフィフティフィフティ。週末のみならず平日も空いている時間はほとんど取材と編集作業に費やしていた。

 そんなナポリターノ氏と出会ったのは私にとって非常にラッキーだった。

 1977年の初渡米でニューヨークに駐在することになった私は右も左も分からない状況。もし彼が公私に渡ってサポートしてくれていなければ『ファイト』の特派員として大きな成果を上げることはできなかった。まさに私にとって大恩人と言える人物である。

 最初の頃は金魚のフンのように彼に付いて回った。ニューヨーク近郊で行われるWWFのスポットショーによく連れていってもらったし、テキサス、フロリダ、プエルトリコにも一緒に出張した。
彼と行動を共にすることで面倒な取材申請も省けたし、何よりも有難かったのは行く先々でレスラーや関係者を紹介してもらったこと。そのお陰でずいぶん取材しやすかった。

 加えて、ナポリターノ氏にはオイシイ情報を数え切れないくらい提供してもらった。
グラミー賞バックステージ撮影の仕事があった本誌通信員のジョージ・ナポリターノ氏

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