両ヒザ人口関節置換手術前の武藤敬司、実に3度目トライで月面水爆成功「グッバイ! ムーンサルト・プレス!!」 WRESTLE-1後楽園

 3月末の両ヒザ人工関節置換手術後、年内は欠場となる武藤敬司。医師からは術後のムーンサルト・プレスを禁止されているため、DDT3・25両国での“化身”グレート・ムタとして舞う可能性はあれど、素顔の武藤敬司としては“ラスト・ムーンサルト”となった。

 14日の後楽園ホール大会に参戦した武藤は、弟子たちに囲まれた8人タッグ戦に登場。シャイニング・ウィザード、フラッシング・エルボー、低空ドロップキック、4の字固めといった得意技を惜しげもなく繰り出した。相手に照準を合わせるポーズや、技を挟んだ緩急を含む武藤ムーブの数々に後楽園は熱狂。

 しかし、肝心の月面水爆が決まらない。1度目のトライはコーナーのトップロープに上ったところで椅子攻撃を食らって中止。2度目は発射したものの相手にかわされる。実に3度目のトライとなったところで完璧に決まり、河野真幸がマットに沈む。発射前のシュミット式バックブリーカーではヒザを立てられずマットに落としているだけだったことからも、ヒザの状態の悪さは明らかだった。マイクをつかんだ武藤は「新生・武藤敬司で戻ってきます」と宣言し、試合後には「グッバイ! ムーンサルト・プレス!!」とtweet。

 武藤ほどの業界第一人者であれば、ムーンサルトができるうちに大会場での引退試合を行うのが自然なこと。だけれども、独自の選択で闘い続けることを選んだ武藤。まずは手術が無事に成功することを祈りたい。

 なお、メインのWRESTLE-1チャンピオンシップは熱戦。試合巧者の芦野祥太郎が終始優位に進めたが、征矢学が意地のワイルドボンバーで新王者となっている。

※大会の全容と詳細拡大版は金曜16日発売の『週刊ファイト3月22日号』に収録されます。


■ WRESTLE-1 TOUR 2018 TRANS MAGIC
日時:3月14日(水) 19:00~
会場:東京・後楽園ホール 観衆1521人(超満員=主催者発表)

<第1試合>
●三富政行
  3分39秒 腕ひしぎ逆十字固め
〇立花誠吾

<第2試合>
ドランク・アンディ
〇児玉裕輔
  6分57秒 マッドスプラッシュ⇒片エビ固め
近野剣心
●佐藤嗣崇

<第3試合>
土方隆司
〇近藤修司
カズ・ハヤシ
  8分20秒 サムソンクラッチ
黒潮“イケメン”二郎
吉岡世起
●稲葉大樹

<第4試合>
●関口翔
万喜なつみ
  9分36秒 ミサイルキック⇒片エビ固め
安納サオリ
〇木村花

<第5試合 UWA世界6人タッグ選手権試合>
[挑戦者組]
〇FUJITA
MAZADA
NOSAWA論外
  10分28秒 回転エビ固め
●伊藤貴則
熊ゴロー
土肥孝司
[第61代王者組]
※土肥&熊ゴロー&伊藤が5度目の防衛に失敗。論外&MAZADA&FUJITAが第62代王者組に。

<第6試合 「WRESTLE-1 CRUISER FES 2018」トーナメント決勝戦>
〇アレハンドロ
  10分54秒 ESO ES TODO(エソ・エソトド)⇒片エビ固め
●アンディ・ウー

<第7試合 スペシャル8人タッグマッチ>
KAI
中之上靖文
大和ヒロシ
●河野真幸
  19分8秒 ムーンサルトプレス⇒片エビ固め
宮本和志
SUSHI
浜亮太
〇武藤敬司

── デビュー戦から使っているムーンサルトへの思いとは?
武藤 あれができたから、運動量があるからって海外に出れたし、トップに這い上がることができたし、今までの武藤敬司はムーンサルトありきですよ。もしかしたら、あとはなんとかなくても今までの経験から新しいことをしてがんばります。

── 手術に不安は?
武藤 今でも不安だよ。でも、こいつらから元気をもらったというか。こいつらも俺の遺伝子でもあるし、歴史でもあるわけだから。こうやって独立しているのを見るとうれしく思うし、頼もしくも思うし、がんばってきたいと思います。ファンの方たちにも元気をもらいました。プロレスで返すのがプロレスラーですから。まだ引退するわけではないので、がんばっていきますよ。

── 今日3回目で成功しましたけど、最後にコーナーに上る時の心境は?
武藤 登る前は失敗しているから、バックブリーカーでヒザが耐えきれてないと思って、不安はいっぱいあったけど、パートナーにも押されたし、ファンの声援にも押されて、がむしゃらにやりましたよ。あんまりカッコいいムーンサルトじゃなかったかもしれないけど、気持ちはこもってたかもしれない。

<第8試合 WRESTLE-1チャンピオンシップ>
[挑戦者]
〇征矢学
  23分14秒 ワイルドボンバー⇒片エビ固め
●芦野祥太郎
[第11代王者]
※芦野が8度目の防衛に失敗。征矢が第12代王者に。