[週刊ファイト3月8月号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼記者座談会
恵まれていないレスラーの引退後
悠々自適は坂口征二ひとり!
・ラーメン店をやっている川田利明と力皇猛
・国際プロレス:グレート草津、サンダー杉山
・アントニオ猪木、谷津嘉章、長州力、武藤敬司
・坂口征二、木戸修、高木三四郎
潰しが利かないのは他のプロスポーツ選手も同じだが、レスラーの引退後は特に恵まれていない。タレントとして成功を収めた北斗晶や高田延彦、ステーキハウス経営を軌道に乗せた松永光弘の成功例もあるが、大半が路頭に迷っている。今、リングで脚光を浴びているスター選手も引退後の人生は安泰とは限らないのだ。
(*編注 A=『マット界舞台裏』特約記者、B=スポーツ紙記者 C=フリーのべテラン記者)
A 毎年暮れにTBSが戦力外通告を受けたプロ野球選手の追跡番組を放送しているでしょ? あれを見ていてアスリートたちの現役引退後は大変だなァと思いますね。
B 指導者や解説者として野球人生を続けられるのはごく一部の選手だけですからね。引退後に飲食店を始める元プロ野球選手が多いようですが、ヤクルト、西武、ドジャースを渡り歩いた石井一久(現・吉本興業)氏によると、その8割までが経営に失敗してスッテンテンになっているとか。
C 元レスラーも一緒ですよ。ラーメン店をやっている川田利明と力皇猛が辛うじて食えているくらいで、潰しが利かない点では元プロ野球選手以上です。
ラーメン店をやっている川田利明
A 元レスラーのセカンドキャリアで1番多いのはやはり飲食店経営ですか?
B いや、ホントさまざまです。グラン浜田、タイガー戸口のように建設現場で働いている者もいれば、ケンドー・ナガサキのようにマンションの管理人をやっている人もいます。学歴や引退時の年齢的な問題もあって元プロ野球選手のように一流企業に就職する人はいないですね。唯一、大企業に営業部長として迎え入れられたのはグレート草津くらい。草津は八幡製鉄のラグビーの花形プレイヤーだったので支援者も多かった。
C 国際プロレスで草津と同じ釜のメシを食ったサンダー杉山は自動販売機のビジネスで儲けていた時期があったよね。杉山は父親が『品川観光ホテル』などを経営する実業家でもともとカネに困っていなかった。
大企業に営業部長として迎え入れられたのはグレート草津(左)、豊登、自動販売機のビジネスで儲けていたサンダー杉山
A 逆に事業でコケた元レスラーは?