潘隆成インタビュー!REBELS期待のエース候補は「強さを見せて、注目を集めて、キックボクシングで稼ぎたい」

REBELS期待のエース候補は

「強さを見せて、注目を集めて、キックボクシングで稼ぎたい」

 2月18日(日)、東京・後楽園ホールで開催される「REBELS.54」。セミファイナルには「橋本道場vsREBELS」として、宮元啓介(橋本道場)vs小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺)、橋本悟(橋本道場)vs潘隆成(クロスポイント吉祥寺)がマッチメイクされた。「宮元選手と橋本選手は絶対に下がらない。二人の気合いと根性に対して、裕典と潘がどう立ち向かうか。それが見たくて組んだカード」(REBELS山口代表)。

 小笠原裕典に続き、インタビュー第二弾、潘隆成(パン・リュンソン)をお届けする。

聞き手・撮影 茂田浩司

撮影(スタジオ) 山口裕朗

ゴンナパーやウェイ・ルイ、スアレックと戦って

トップにいける自信がついた

 クロスポイント吉祥寺で週5日、インストラクターとして指導に当たる「パン」君。どこにいっても愛される性格で、タイ修行した際にはPKセンチャイジムで後に小笠原瑛作と対戦するワンチャローンと仲良くなり、クロスポイント吉祥寺でもタイ人トレーナーや先輩たちに可愛がられている。

 「パン・リュンソン」という名前が示す通り、国籍は韓国。ただ、生まれも育ちも日本で、日本語しか話せない。

「親はどちらも日本生まれで、僕は韓国語を全然話せないです。在日韓国人の何世? 3か4だと思いますけど、あんまり詳しく話したこともないんです。生まれは岡山で、2、3歳で親の仕事の都合で東京に来て、それからずっと東京で、普通の学校に通ってました。名前のことでいじめに遭ったりも全然ないです。時代なんじゃないですか?」

 7歳からサッカーを始め、中学はセレクションに合格してクラブチームのユース、高校もセレクションで実践学園でプレーした。大学はサッカーの実績によるスポーツAO入試で淑徳大学へ。だが、サッカーは高校までで、18歳からクロスポイント吉祥寺に入会してキックボクシングを始めた。

「サッカーのスポーツ推薦枠で入りましたけど、淑徳大学はサッカー部がないんです(笑)。昔から格闘技を見るのが好きで、いつかやってみたいと思ってクロスポイント吉祥寺でキックボクシングを始めたんですけど、まさかプロになるとは思ってなかったです」

 10年間サッカーに打ち込んで鍛えた身体能力はずば抜けており、2013年、19歳でプロデビューを果たすと、同年の「REBELS NEW RAIDERS TOURNAMENT」に優勝。その後もコンスタントに試合をし、キャリアを積み上げてきた。2015年、16年と年6試合、昨年も5試合。

 対戦してきた顔ぶれも豪華で、16年にはアウェーの中国「GLORY OF HEROES」でウェイ・ルイ(現K-1ライト級王者)と対戦。昨年は、これもアウェーのM-ONEでゴンナパーと対戦。共に判定で敗れたものの、現REBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王者スアレックとはドロー、WBCムエタイ日本統一王者の小川翔にはダウンを奪って判定勝ち。この階級のトップ選手たちと戦うことで、一歩一歩ステップを上がってきた。

 REBELSの山口代表は「潘の良さは運動神経と、あのスタイルですよ。長身(181cm)で手足が長いのでキックボクシングに向いています。あと、真面目さ。クロスポイントの選手はみんなよく練習する子ばかりですけど、潘と(小笠原)瑛作はまず練習を休まない。いつもジムに来て練習してて、そういう子は伸びていきますよ」

 また、潘は体が強く、大きな怪我をしない。その頑丈さがあるから、世界のトップクラスとの連戦にも耐えられる。

「大きな怪我はしたことがないですね。でも、自分では試合数が多いとも思わないです。ウチには年間9試合とかをしてしまうT-98(タクヤ)さんがいるので(笑)。

 これまでやった中で一番強いと思ったのはゴンナパーです。攻撃が重くて、事前のイメージだともっと粗くて、闇雲に攻撃してくるイメージだったんですけど、一度下がって、僕が出てくるところに合わせてきたり、戦ってて『クレバーな選手だな』と思いましたね。

 スネの感じも、中に鉄が入ってるみたいで(苦笑)。1ラウンド目にすごい重いミドルを貰って『このまま貰ってると腕が上がらなくなるかも』って。それで、その後はミドルはカットしてたんですけど、3ラウンドまでのオープンスコアで負けてたんで『ダウンを取らないと勝てない』と思って、ミドルを腕や腹で受けながらパンチを合わせにいきました。

 ゴンナパーは、相手のヒザを破壊したり、試合前に恐怖感もありましたけど、試合をしてみたらいつもと同じ感じで出来たし、当たった攻撃もあって『これで倒せるようになれば自分の武器になるな』という手応えがありました。25戦して、強い選手とやらせて貰っているので、経験値が上がって『試合を作る力』は自分でも付いてきてると思うので。あと一歩、倒す力をしっかりと付けたら世界のトップにいける自信はすごいあるんで」

クロスポイントの練習環境は日本一。

ここで強くなった姿を見せて、キックボクシングで稼ぎたい

 昨年、潘は苦い経験をしている。「大本命」と見られて臨んだREBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王座決定トーナメントにおいて、1回戦で杉本卓也(WSRフェアテックス)にパンチでダウンを奪われて判定負けを喫した。

「やっちゃいましたね(苦笑)。今思うと平常心ではなかったです。前からスーパーライト級で目立ちたい、一番強いのを証明したいと思ってて、あのトーナメントは強い選手が集まったので『1回戦から盛り上げて注目を集めたい』と思い、周りにも『絶対倒せるでしょ』と言われて、自分でも『いけるでしょ』って思って。いつもと違うスタイルで打ち合いにいってしまいました」

 潘が気負ったのは理由がある。

「REBELSのベルトがほしい、獲りたいという思いがすごくあります。ホームですし、スアレック選手とはドローだったので『もう一度やりたい、スアレック選手に勝ってベルトを獲りたい』と。それが昨年のトーナメントで負けてしまったので、今年はぜひベルトを持ってるスアレック選手と戦って、白黒付けたいです。

 正直、他のベルトがほしいとは思わないです。強い選手とやって、倒して、みんなに『アイツ、強いな』と思って貰いたい。それにはまず国内の選手とやっていった方が分かりやすいので、今年こそ、しっかりと勝っていってスアレック選手とタイトルマッチでやって、REBELSのベルトを巻きたいです」

 そのためにも、今年の第1戦、橋本悟(橋本道場)との試合は絶対に負けられない。

「橋本選手の印象は、貰ったら危ないものがあるな、と。一発で流れを覆せるパンチを持ってる選手だと思います。

 向こうがパンチを当てたいのは分かってるんで、僕の方がリーチもありますし、何もさせずに倒して勝ちたいです。(トレーナーの)ウーさんからは『相手はパンチャーだから、こうしていけ』という作戦は指示されていて、その通りにして倒して勝ちたいです。

 クロスポイント吉祥寺の良さは、練習環境は日本一だと思います。タイ人トレーナー、ボクシングトレーナー、フィジカルトレーナーを一か所に揃えてくれているジムは他にはないと思うので。

 あと、練習仲間がみんな強いです。ここで練習すれば必ず強くなると思いますし、みんながコンスタントに試合をしているのも大きいと思います。誰かが試合が終わると、誰かが試合前なんで、ずっと練習しているんです(笑)。だから、みんなどんどん強くなって、チーム全体として常にいい感じで練習できてるのも、みんなが上がっていってる原因だと思います。

 僕は大学を卒業してからの2年間で、一番変わったのはフィジカルです。昨年、65キロ契約で試合したんですけど、相手の圧力を全然感じなくて、自分のペースで出来たんで。『フィジカルが上がってきたな』という手応えがありました。

 目標は、キックボクシングで稼ぐことです。就活もしないでプロのキックボクサーになったので、キックボクシングでめちゃくちゃ稼いで、家を建てて、カッコイイ車に乗って、というのを実現させたいです。キックボクシングが大好きなので、余計に『キックで稼ぎたい』という思いがあるんです。

 今、週5でクロスポイント吉祥寺でインストラクターをしていますけど、教えている会員さんたちがいつもチケットを買って会場に応援に来てくれるので、ありがたいな、と思ってます。だから、もっとキックボクシングをやる人を増やしたいですし、もっと会場に足を運んで貰えるようにしたいですよね。そのためにも、今回の試合でしっかりと自分の良さを見せて、力の差を見せて『スーパーライトの潘隆成は強いな』と見てる人に思わせて、もっと注目して貰えるように頑張ります」

プロフィール

潘 隆成(ぱん・りゅんそん)

所 属:クロスポイント吉祥寺

生年月日:1993年8月2日生まれ。24歳

身 長:181cm

戦 績:25戦19勝(3KO)5敗1分

タイトル:元WPMF日本スーパーライト級王者


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’18年02月15日号全日横浜パンクラス覆面MANIA那須川天心KO新間寿原点回帰髙田延彦