ファビュラス姉妹も扇情的コスプレも無し! コミックマーケット93 正当派ストロングタイルのプロレス同人誌ジャンル全買いレビュー&関連企業ブースレポート

 夏と冬の風物詩、世界最大の同人誌即売会にしてアキバ系の祭典『コミックマーケット93』が有明東京ビッグサイトにて12月29日〜30日の日程で開催された。

 3日間通して西ホールに設けられた企業ブースにはブシロードが出展。



 自社コンテンツの『Bang Dream! 』と、12月30日にテレビアニメが大団円を迎え、劇場新作が発表された『ラブライブ! サンシャイン!! 』の2大タイトルに絞った物販を展開、一時期は並べられないほどの人が殺到して列形成を中止する盛況となった。
 缶バッジを中心に完売商品も出る物販と並行して、ブース前では『月刊ブシロード出張版』と『ヴァイスシュバルツPRカード ガールズバンドパーティ』を配布して告知に努めた。

 一方、3&4ホールに出展のAbemaTVは『松井恵理子と松嵜麗の声優アニ雑談』のスペシャル上映を中心にした告知イベントのみ。


 長期の不況と個人消費低迷によって、各社告知と同時に物販で売り上げを見込んでくる中、NHKと同様に告知のみに注力したブース展開はさすがの一言。
 
 といったところで、企業ブースではプロレスの展開は見当たらず。
 新日本プロレス岡倫之@OkaTomoyukiが31日に来ていたらしいが残念ながら遭遇しなかった。

 一方、コミケの主役はあくまでも同人誌。プロレス&格闘技の同人誌を頒布するサークルは2日目の30日「TV.映画.芸能.特撮」のジャンル内に配置されており、新刊を中心に購入してきた。
 なお、一般の商業誌と違って同人誌という性質上、直接掲載許可を頂いたもののみを紹介させて頂いているので、予めご了承頂きたい。
 また、事前にチェックしたところは全て回ったつもりだったが、混雑しているイベントの性質上、回れなかったサークルもあったかと思う。こちらもご了承頂きたい。

 まず、こちらは夏同様、表紙のみ許可を頂いた本。

 続いて『サークルRoad to ぷ女子』の『Road to ぷ女子 冬の元気なご挨拶特別号2』

 夏にも紹介させて頂いた、永野あかね先生のサークル。ご多忙のようで、新刊はなく、ペーパーを無料配布されていた。
 とはいえ、しっかり2ページの漫画が載っていて無料で頂戴するのが心苦しくなるような内容。
 この辺り、期待して来場したファンへの思いやりは流石長く漫画家をなさってらっしゃる所以。現在新連載準備中とのことで、期待して待ちたい。

永野あかね先生

 なお、スペースでは、同時間帯につい目と鼻の先の新木場1STRINGで試合をしていたHERT UP兼平大介のグッズを委託頒布しており、ファンの手によるものと勝手に思っていた可愛いイラストは本人の筆によるものと教えて頂いた。

 ピカソ兼平名義での筆で、人は見かけによらない(失礼)意外な事実を知ることが出来て感謝。

 続いてサークル『横島商会』の『格闘技の力学 足払い』

 『足払い』という技の、さらに出足払いに絞って、その原理や仕組みについて深く掘り下げた同人誌ならではの解説書。
 作者である、とんろんぴん氏が「柔道を理解していない」故に、より客観的に技を知ることができる。
 商業的に成立が厳しいニッチな分野を掘り下げるのは同人誌の醍醐味で、まさにそういう逸冊。商売っ気のない装丁に騙されないことがコミケで面白い本を捜すのに重要だということを教えてくれる。

 サークル『マツキヨ! 』の既刊『エッチャレパレハ! 』と新刊『PROWRESTLING GO! GO! 5REPO! 』

 見覚えのある絵柄だと思ったら、そのはずで、『TAKA&タイチ興行』などのイラストを手掛けた御本人だった。
 内容はフルカラーのレポート漫画で、プロレスファンは勿論、プロレスに何となく興味があるような初心者にも魅力が伝わる内容になっている。

サークル『めぇ~てる』mesomiさんの『イービル育成日記』

 EVILを可愛く小動物化させ、ダリルや飼い主との交流を描く、同人誌らしい内容の2次創作漫画。
 多様なL.I.J人気の秘密の一端を垣間見ることができた。 

サークル『地獄の墓堀人り』ホズンさんのレポート本『WWEを観に行こう! 特別版 レッスルマニアを観に行こう!! 』と、WWEパロディギャグ『墓堀り人がやってくる外伝 すごいよ!! マハルさん』

 レポート本は実際の参加者視点でのツアー参加の実録、は本人にしか書けない貴重なレポート。『マハルさん』はすでに笑えるタイトルと表紙で期待を裏切らないパロディ作品となっている。

 以上、駆け足で紹介してきたがプロレス&格闘技では10サークル程と、ジャンルを全部買う醍醐味を味わえる程よい勢力で、プロ~アマチュアまで内容もプロはだしのレポートから同人誌ならではの2次創作作品まで揃っている印象。
 プロレス&格闘技のメディアも本誌含めネット媒体が主流となっているが、やはり紙の本の魅力も捨てがたいことを再確認。
 また、会場では中々探れない色々なファンの嗜好を知ることが出来る貴重な機会となった。

 なお、次回夏の『コミックマーケット94』は新日本プロレス『G1 CLIMAX』武道館3連戦と丸被りの8・10〜12となっている。