[週刊ファイト11月09日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼台風すら追い風に~夢にも勝るロマンと夢のプロレス~LAND’END大阪凱旋
by 猫山
・台風22号も恐れをなして進路を変えたLAND’END大阪凱旋神パワー
・人助け、選手の育成にも積極的な崔領二は低迷するプロレス界の救世主となりうるか?
・他団体とは違う趣向で観客を飽きさせないLAND’END次なる仕掛けは?
・夢は世界制覇!大阪から世界へ~LAND’END新たなる航海へ!
10月29日、台風22号が通過する恐れがあるとの予報が出ていた近畿地方では数多くのイベントが中止となったが荒天ものともせず守口市民体育館にはたくさんのプロレスファンが詰めかけた。
崔領二選手のプロレスを見ていたら、1942コロンブスという映画のエンディングに出る字幕が脳裏に浮かんだ。
Life has more imajination than we carry our dream
人生には夢にも勝るロマンと夢がある
ランズエンドプロレスは他のどの団体の興行とも趣が異なる。
崔選手は、プロレス以外のジャンルのアーチストもどんどんリングの上にあげて紹介する。
当然、プロレスに馴染みのなかったお客さんも、プロレス会場に足を運ぶ。
そうやって、地道ではあるかもしれないけれども、いろんなジャンルのお客さんが、徐々にプロレスのことも好きになってくれる。
ランズエンドが入口になって、プロレスを知るお客さんが増えていく。
頭の良い男だと思う。
社会貢献にも積極的で、この日の大会挨拶も開口一番知人の難病に苦しんでいる息子さんの支援を呼びかけた。
大会のオープニングも、大阪で活躍するプロレスラー、アルティメットスパイダーjr.選手とタコヤキーダー選手によるハートフルな子どもプロレス教室から始まった。
地上波の放送が絶えて久しく、それでいて、小学校や中学校で荒んだ暴力事件が起こるというと「プロレスの影響」、政治家が茶番をしでかすと「プロレスじゃあるまいし」などと悪いほうの例えに使われがちなのは、やはり崔選手がマイクで訴えたように、いつのまにやらプロレスがポピュラーな娯楽ではなくなってしまったからというのもあるだろう。
低迷するプロレス業界をなんとかしたい、なんとか、かつての輝きを取り戻したいと、言葉では訴えても具体的なビジョンを提示できないプロレスラーがほとんどのなかで、崔選手に限っては、団体を立ち上げ、軌道に乗せ、選手の育成にも尽力する一方、プロレスの認知度を拡大する工夫もその興行のありかたに提案したりと、本当によくがんばっていると思うのだ。
守口市民体育館大会の前日には、韓国の大会に出場、アジア制覇の快挙を成し遂げ、その疲れを見せることなくメインイベントでは会場所狭しと那須選手を引きずりまわし蹴り倒した。
だがそれもまた那須選手への厳しいけれどもまぎれもない愛の鞭と思われ見ていてむしろ心温まるものがあった。
彼がランズエンド号に乗せたもうひとりの船員、石切もまた格段なる成長を遂げていた。
■ LAND’S END ✖︎ RISING DRAGON
日時:10月29日(日) 13:00 OPEN 14:00 START
会場:守口市民体育館
ゴールドプロデューサー 三上靖史