デビュー3年目の小波が、26年目の大ベテランであるコマンド・ボリショイから初のギブアップ勝ちを収め、賞金10万円を手にした。
聴覚障害者プロレス団体HEROを運営するGPSプロモーションが、新たにスタートさせたナンバリング大会「Growth(成長するの意)」第1回興行が、7月26日、新木場1stRINGで開催された。
メインイベントでは、GPSの看板を背負う小波が志田光とタッグを組み、ボリショイ、飯田美花組と対戦。これまで、小波はボリショイにシングルで2連敗、タッグでもHERO3・20板橋でギブアップ負けしている。ドリーム女子5・4板橋での3WAYマッチでは、丸め込みでボリショイから初フォールを奪ったが、それには納得いかず。今回、ボリショイとの再戦が決まった小波は「ギブアップ勝ち」を誓っていた。
20日に行われたドリーム女子の会見では、8・11後楽園ホールでのPURE-J旗揚げ戦で、ボリショイが小波と3度目の一騎打ちを行うことが発表された。その席で小波は、「25歳以下の選手が25人以上の目撃証人の前で、ボリショイからギブアップを奪ったら賞金10万円」とのボリショイの25周年企画に触れ、賞金奪取を誓った。対するボリショイは「25歳以下のヒヨッコの選手に、ギブアップはしないから」と一蹴していた。
両軍がリング上がり、賞金マッチの説明がされると、小波のみならず、ギリギリ25歳の飯田もハイテンションとなった。ボリショイのパートナーである飯田は、ルール上、ボリショイからギブアップを奪うことはできないが、隙あれば、試合度外視で狙っていく算段が見え見え。
試合は、小波とボリショイによる息を飲むような関節技による一進一退の攻防が続いた。途中、飯田が賞金ほしさに、パートナーのボリショイを攻撃したり、ボリショイを決めにかかった志田を小波がカットしたりといったハプニングも起きた。最後は小波が、グラウンドでの関節の取り合いから、この一戦のために編み出したローリング・コナロックWで、ボリショイから悲願の初ギブアップ勝ちを奪った。
晴れて賞金10万円をゲットして、喜色満面の小波に対し、ボリショイは「その10万円を倍にしたらいい。8・11後楽園で、私も10万円賭けるから、小波選手もその10万円を賭けてやりましょう」と提案。賞金を増やしたい小波は、これに同意し、8・11後楽園での両者のシングル戦は総額20万円争奪マッチとなることが決定した。
控室に戻った小波は「今まで関節技を出しても、切り返されてきたけど、自分も進化してる。もともとコナロックという技があるんですけど、さらにもう片方の足を絞るのが、コナロックW。高い壁だったけど、今日勝っているので、(8・11も)自信をもっていきたい」とコメント。
敗れたボリショイは「今日は小波選手のホームリング。いつも以上に執念を感じたし、着実に力を付けていた。悔しいけど、うれしい気持ちもある。キャリアが離れていると言っても、全力でやって、賞金賭けることで目の色変えてきた。そういうなかで、私が一本取られた。これも実力。8・11では、進化したボリショイを見せて、必ず小波選手から取り返したい」と雪辱を期していた。
ベアーとの同門対決制しラテンアメリカ王座V3のセブンに、9・16高島平で聾レスラーの友龍が挑戦
ラテンアメリカ王者のワイルド・セブンが、自ら名乗り出た同じワイルド軍のワイルド・ベアーの挑戦を退け、王座V3に成功した。
ふだんはラフファイトを身上とする両選手だが、この日は同門によるタイトル戦とあって、あえてそれを封印。お互いの力を確かめるように、正統派のオーソドックスなレスリングで、一進一退の攻防が続いた。最後はセブンが一瞬の隙を突いたラ・マヒストラルで、ベアーを丸め込んで3カウントを奪った。
試合後、豊島修二・GPSプロモーション会長がリングに上がり、「次の9・16高島平で、この選手の挑戦を受けてほしい」と、友龍を招き入れた。これに対し、セブンは「友龍の成長ぶりはわかっている。やりましょう」と受諾。
これにより、HERO9・16高島平区民館ホール(板橋区)で、セブンVS友龍のタイトル戦が決定した。耳に障害がある聾レスラーが、健常者が争うベルトに挑戦するのは史上初のこととなる。
元アイドルレスラー・中野たむが大江戸隊入りに傾く?
6・15新木場大会を最後にBeginningアクトレスガールズを退団し、フリーとなった元アイドルレスラー・中野たむが大江戸隊入りに心が動いた?
たむは、スターダム7・16後楽園で、同団体への参戦を直訴。同大会では、ヒールユニットの大江戸隊から勧誘を受けたものの、困惑を隠せなかった。そして、7・26新木場では、大江戸隊から、体重100キロの巨漢戦士・バイパーが送り込まれ、一方的に“査定試合”が組まれた。
たむはバイパーのパワーに苦しみながらも、ドロップキック、側転エルボー、セントーン、スピンキックなどで必死の反撃を試みるも、セコンドに就いていたクリス・ウルフの介入もあり、決めることができず。最後はバイパーのバックドロップから、重爆セントーンを食って、無念のフォール負け。
試合後、マイクを持ったバイパーは「いいファイティングスピリット。大江戸隊へようこそ」と言って、手を差し出すと、たむは握り返した。
たむは「納得いかない、重いし、強いし、自分の技の無力さを感じた。査定試合に納得いかないことはあったんですけど。ただ大江戸隊は今日誰も来ないのかと思ってたけど、クリスさんが来て、大江戸隊の方々の大江戸隊への愛を痛いほど感じて、自然と手を握ってしまいました。愛って、プロレスに必要だと思うんです。ファンの人への愛とか、パートナーへの愛とか、闘う相手への愛とか、チームメイトへの愛とか。その大きいものを感じました」とコメント。
大江戸隊入りに関しては「今はまだ何も言わないでおきます」(たむ)と明言は避けたが、心が大江戸隊に傾いていることをうかがわせた。
<その他ダイジェスト>
★引退した元スターダムの悪斗さん(安川惡斗)が、今大会でリングアナデビューを果たした。今後も主に「Growth」シリーズで、リングアナを務めていく予定。HEROシリーズは、この日来場した女優の阿川祐未さんが、リングアナを務める。
★オープニングでは、和太鼓アイドルユニットの東京おとめ太鼓のメンバーが、荘厳な太鼓の音を鳴らした。
<試合結果>
■ GPSプロモーション「Growth」
日時:7月26日(水)
会場:東京・新木場1stRING(19時) 観衆未発表
<15分1本勝負>
○友龍、雷電
6分19秒、横入り式エビ固め
大野“ワイルド”翔士、●ワイルド・シューター2号
<20分1本勝負>
沙紀、○桃野美桜
8分35秒、変形エビ固め
●門倉凛、ERINA
<20分1本勝負>
○バイパー
5分39秒、片エビ固め
●中野たむ
※セントーン
<ラテンアメリカ選手権 61分1本勝負>
○ワイルド・セブン<王者>
12分21秒、ラ・マヒストラル
●ワイルド・ベアー<挑戦者>
※セブンは3度目の防衛に成功
<45分1本勝負>
○中野巽耀、洞口義浩
14分26秒、レフェリーストップ
ミスター・ポーゴ2世、●伊藤崇文
※チキンウイング・フェースロック
<無制限1本勝負>
志田光、○小波
16分40秒、ローリング・コナロックW
●コマンド・ボリショイ、飯田美花
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