[ファイトクラブ]9・23 UFCジャパン展望/年内にレスナーがUFC王座挑戦?

[週刊ファイト7月27日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

923日にさいたまスーパーアリーナで開催されるUFCファイトナイト・ジャパンの記者会見が行われ、カードも一部発表された。メインでショーグンと激突するオヴィンス・サンプルーも来日し、井上直樹とともにインタビューに応じたことはすでに報じたとおり。カードの見どころ、そしてUFC副社長が明かしたUFCのアジア戦略についても、お伝えしよう。 

Text by 稲垣 收

・リベンジに燃えるショーグン、11年ぶりに”第二の故郷”日本へ帰還

・シンガポールで勝利の憂流迦と井上も参戦

・PANCRASE女王・朱里は韓国19歳美少女と激突!

・K-1で活躍のグーカン・サキ、日本でUFCデビュー

・UFC副社長が語るアジア戦略とは?

・レスナーUFC復帰の噂

 

UFCがデイナ・ホワイト社長率いるズッファ体制になってから、5度目のUFC日本大会が開催される。2年ぶりの日本開催となるが、会場は一昨年と同じさいたまスーパーアリーナだ。

メインでは元PRIDEミドル級王者&元UFCライトヘビー級王者ショーグンが、2014年にキャリア初の秒殺KO負けを喫した相手、オヴィンス・サンプルーと再戦する。

リベンジに燃えるショーグンは現在3連勝中!

ショーグンは、今大会の会場でもあるさいたまスーパーアリーナで、2005年8月、アリスター・オーフレイムとヒカルド・アローナをともに1RでKOしてPRIDEミドル級GP2005王者となっている。ショーグンにとって、“たまアリ”は非常に思い出深い会場なのだ。

 

ショーグンは2007年からUFCに参戦し、UFC初戦ではジ・アルティメット・ファイター(TUF)のシーズン1優勝者フォーレスト・グリフィンにまさかの一本負けを喫した。(その後、グリフィンはクイントン・”ランペイジ”・ジャクソンを破って王座に就いた。)

だが、ショーグンはその後、マーク・コールマンと、元UFCライトヘビー級王者でアメリカ格闘界一のスーパースターだったチャックリデルを連続KOし、リョート・マチダの持つ王座に挑んだ。

リョートとのこの試合では微妙な判定で敗れたが、再戦してリョートを1R KOし、UFCライトヘビー級王者となった。2010年5月、今から7年前だ。

 

しかしその後、初防衛戦でジョン・ジョーンズにTKOされて王座陥落した。

 

その後は、元PRIDEウェルター級&ミドル級王者ダン・ヘンダーソンと、格闘技史上に残る大激闘を2度も繰り広げた。どちらも大会ベスト・ファイトに選ばれた名勝負だったが、特に2011年11月に行われた初戦は年間ベスト・ファイトにも選ばれている。

 

この命を削るような2度の大激闘で、ショーグンは初戦では判定負け、再戦ではKO負けを喫した。そして2度目のダンヘン戦の8ヵ月後の2014年11月、サンプルーを相手に、自らの母国ブラジルで対戦し、わずか34秒でKO負けするという屈辱を味わったのだった。

 

もう限界か、と思われたショーグンだが、その後はアントニオ・ホジェリオ・ノゲイラとを激闘の末に判定で破って大会ベスト・ファイト賞を獲得。

さらに、コーリー・アンダーソンにも勝利し、前回はジアン・ヴィランテをTKOし、UFC参戦後初の3連勝を飾り、復活の雄たけびを上げたのだ。

 

そしてショーグンが愛してやまない“第二の故郷”日本で、かつて屈辱の秒殺KO負けを喫したサンプルーとのリマッチを希望したのである! これに勝てば、“完全復活”と言っていいだろう。

 

2006年大晦日のPRIDE男祭り2006での中村和裕戦以来、11年ぶりとなる日本で、そして、さいたまスーパーアリーナで、ショーグンはどんな試合を見せてくれるのか?

ショーグン本人も、UFCファイトナイトJapanのポスター写真を、Instagramにアップし、「日本で試合ができて、超ハッピーだ。やるぜ!」と書いている。

今から非常に楽しみだ。

だが相手のサンプルーも、ただ者ではない。身長も193㎝でショーグンより8㎝も高く、リーチはなんと203㎝で、10㎝も長いのだ。高校時代にはレスリングと、ハードルやリレー、そしてアメリカン・フットボールの選手として活躍し、大学でもアメフトで活躍し、優秀選手として表彰を受けたほどで、非常に高い身体能力を誇る。

戦績はここまで20勝10敗で、9つのKO勝ちと6つのサブミッションによる一本勝ちがあるオールラウンダーだ。特に、ギロチンチョークをかけに来た相手に対するカウンター技のヴォン・フルー・チョークが得意で、“UFCでヴォン・フルー・チョークで2度勝利した唯一の男”である。

2014年UFCブラジル大会でショーグンを秒殺KOしたOSP(右)。 Photo courtesy of UFC

前回、ショーグンを左フックでダウンさせ、パウンド連打で秒殺KOしたサンプルー()

Photo courtesy of UFC

 

ショーグンにとって、前回もKO負けを喫しているだけに、今回は石にかじりついても勝ちたいはずだ。しかしサンプルーも

「ショーグンと前回戦った時よりも、俺はさらに進化している。前と同じファイターだと思ったら大間違いだ」

と豪語しているので、一筋縄では勝たせてくれないだろう。

大激戦が期待される。

200610月のPRIDEラスベガス大会で、元UFCヘビー級王者ケヴィン・ランデルマンと対戦したショーグン(左)。ランデルマンには、ヒザ十字で一本勝ちした。            Photo by Shu Inagaki

シンガポールで勝利した佐々木憂流迦と井上直樹も参戦

スコギンズに逆転一本勝ちした佐々木憂流迦(写真・上)と、判定勝ちでUFCデビュー戦を飾った20歳の井上直樹。      By courtesy of Zuffa LLC / Getty Images

今回の日本大会には、6月のシンガポール大会で強豪ジャスティン・スコッギンズに逆転一本勝ちしたフライ級の“寝技天狗”佐々木憂流迦も参戦する。

今回の相手はブラジルのジュシェー・フォルミーガ、現在UFCフライ級5位の強豪で、戦績は19勝(8サブミッション)5敗という寝ワザ師だ。

20勝(11サブミッション、2KO)4敗2分けの憂流迦と、寝技対決が期待される。

しかしフォルミーガは、憂流迦を破ったウィルソン・ヘイスにも勝っている選手なので、厳しい相手であることは間違いない。

だがここでフォルミーガを破れば一気にランクも上がるし、勝ち方次第では、タイトル挑戦に大いに近づくと言えるだろう。

ホームである日本での試合だけに、ぜひ勝利してほしいところだ。

 

また、同じくシンガポール大会に出場したフライ級の20歳、井上直樹も日本大会に参戦する。

井上は、シンガポールでは、フィリピンのカールス・ジョン・デ・トーマスを相手に、次々にサブミッションを繰り出して圧倒的な判定勝ちでオクタゴン・デビュー戦を飾った。

井上直樹はPXC王者ラウザと対戦

井上は日本大会では、フィリピンのジェネル・ラウザと対戦する。PXCフライ級王座で、ベースはボクシングとムエタイ。戦績は7勝3敗で、昨年1月、空位のPXCフライ級王座をかけてクリサント・ピットピットゥンゲと対戦し、2-1の判定で勝利して同王者となり、UFCに参戦。UFCでは中国のヤオ・ジクイに勝利し、ロシアのマゴメット・ヴィブラートフに敗れて1勝1敗。だがヴィブラートフ戦の前は5連勝していた。

井上は、DEEP Jewlesストロー級王者でINVICTAでも活躍する魅津希(みづき)
の弟で、空手道・白心会の選手である。
20歳にして11戦全勝の井上。

「シンガポールが終わって、無事勝てたので、日本大会に出場できて嬉しいです。試合を重ねて実力をつけていくことが大事だと思っているので」

と語った。

シンガポールでのデ・トーマス戦に関しては、

「最初に投げられたのが、印象が悪かったですね。あと、しっかりと極(き)めきれなかった。よかったのは、打撃でも寝ワザでも押されなかったこと」

 

初参戦したUFCについては、

「会場がそれまで出ていた日本の試合よりも広くて観客も多くて、いつもより緊張しました」

と、弱冠20歳らしく、はにかみながら答えた。

「ただ、前回は相手もUFCデビュー戦だったので、真価が試されるのはこれからです」

と気を引き締める。

「コナー・マクレガーのような選手には憧れます。彼のように大スターになりたい、というのではないけれど、彼のように強い選手になりたいです。そして、勝ち続けて、デメトリアス・ジョンソン選手に立ち向かえるような選手になりたいですね」

と今後の目標を語った。

また、

「お姉ちゃんとも、いつか一緒にUFCに出たいです」

と姉の魅津希とのオクタゴンでの“そろい踏み”もいつかかなえたい、と希望した。

来年の日本大会あたりで、姉と弟の同時出場となれば、大いに盛り上がるだろう。

そのためにも、ホームで行れる今大会には、ぜひ勝たねばならない。

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