[ファイトクラブ]“ショーグン34秒殺男”OSPが、日本大会での再戦を前に吠えた! 「前回ショーグンをKOした時よりも俺はさらに進化してるぜ!」

[週刊ファイト7月27日号]収録 [ファイトクラブ]公開中       Photo courtesy of UFC

元PRIDE&UFC王者ショーグンをわずか34秒でKOしたOSPこと、オヴィンス・サンプルー。ショーグンの希望により、9・23UFC日本大会で再戦することになったOSPが、来日して吠えた! 話はショーグンのことにとどまらず、かつ暫定王座戦で激突したジョン・ジョーンズや、世界中の注目を集める8月のメイウェザーvsマクレガーについても語ってくれた。OSP初来日インタビュー独自詳細版!

▼“ショーグン34秒殺男”OSPが、日本大会での再戦を前に吠えた!
取材:稲垣 收
・ショーグンを秒殺しジョーンズを苦しめたOSPとは?
・「前回ショーグンをKOした時よりも俺はさらに進化してるぜ!」
・「チャンスがあれば、ヴォン・フルー・チョークも見せるぜ」
・「俺の中には、出しきっていない部分がある。ジョーンズと再戦したら、それをキッチリ出しきって勝ちたい」
・「“第二の故郷”日本で戦うショーグンの方がプレッシャーは大きい。俺はショーグンの母国ブラジルで彼に勝ってるしね」
・「メイウェザーはマクレガーのパワーに驚くだろう」

ショーグンを秒殺しジョーンズを苦しめたOSPとは?  

宿敵ダン・ヘンダーソンとの2度目の激闘から7ヵ月半がすぎた2014年11月8日、元PRIDEミドル級王者で、UFCでもライトヘビー級王者になったマウリシオ・ショーグンは、故郷ブラジルでの再起戦を迎えた。

相手は、英国人ファイター、ジミ・マヌワの予定だったが、試合1週間前にマヌワが負傷したため、オヴィンス・サンプルーが代打として出場することになった。前回ライアン・ベイダーに判定負けするまで、UFCで4連勝していたハイチ系アメリカ人ファイターだ。

193㎝の長身で、リーチは203㎝という恵まれた体格の持ち主で、高校・大学ではアメリカン・フットボールのラインバッカーとして活躍。高校時代には陸上部でハードルと4×400メートルリレーの選手であり、レスリングでは州大会で準優勝したこともある。

そして大学卒業後、キックボクシングとグラップリングを始め、2008年に総合でプロデビューした。

ショーグンに蹴りを叩き込むOSP                                       Photo courtesy of UFC

ショーグンとの試合で、開始直後にサンプルーは長い脚での前蹴りをショーグンのボディに叩き込んだ。

ショーグンがパンチを振るいながら前進すると、サンプルーはかわしながらバックステップしつつ、左フックをショーグンの顎に叩き込んだ。この一撃でショーグンはダウン!

尻もちをついたショーグンにサンプルーは、間髪を入れず左のパウンドを連打! これでショーグンを失神させ、試合開始からわずか34秒で失神KO勝ちしたのである!

ショーグンにとって、1RでのKO負けは、キャリア初だった。

この試合によってサンプルーは大会ベスト・パフォーマンス賞も受賞した。

ショーグンへの劇的秒殺勝利に続き、サンプルーは“ダニエル・コーミエのレスリング時代のライバル”パトリック・カミンズにも1R KO勝ちしている。

その後は大ベテランのグローヴァー・テイシェイラに3R一本負けを喫したが、その次の試合では、元ストライクフォース王者のハファエル・フェイジャオンに判定勝ちしている。(フェイジャオンは、2015年のRIZINヘビー級GP優勝者キング・モーにもTKO勝ちした強豪で、ヨエル・ロメロをKOした唯一の男でもある。)

そして昨年4月のUFC197では、王者ダニエル・コーミエが負傷欠場したため、代打としてジョン・ジョーンズとライトヘビー級暫定王座戦を戦った。わずか3週間の準備期間で臨んだこの試合で、サンプルーは、2Rにジョーンズのハイキックをブロックした際、利き腕である左腕を骨折してしまう。にもかかわらず、ド根性を見せて5Rをフルに戦い抜いたのだった。

判定で敗れはしたが、かつて“絶対王者”と呼ばれたジョーンズを苦戦させたのである。

その後、ジミ・マヌワにKO負けし、ヴォルカン・オズデミールに1-2のスプリット判定で敗れたが、オズデミール戦は、多くの関係者が「サンプルーの勝ちだ」という内容だった。

前回は、アメリカン・トップチーム所属のブラジル人、マルコス・ホジェリオ・ジ・リマに、得意のヴォン・フルー・チョークで一本勝ちして見せた。サンプルーがUFCでヴォン・フルー・チョークで勝利したのは2度目だが、これによって「UFCでヴォン・フルー・チョークで2度一本勝ちした唯一の男」となった。

ヴォン・フルー・チョークというのは、ギロチン・チョークに対するカウンター技である。ギロチンを仕掛けてきた相手の首に腕をかけ、自分の肩で相手を絞め落とす技だ。

サンプルーはこのほか、カーフ・スライサーという珍しい技で勝利したこともある。UFC参戦前、2009年4月にXFCという大会でオンベイ・モブレイという選手にこの技で勝っているのだ。これは、相手の膝の裏に自分のスネを入れ、両手で相手の足首をつかんで、相手の尻の方向に曲げる技で、カーフ=ふくらはぎが、スネの骨で圧迫されて激痛を生む。このサンプルーvsモブレイ戦の動画は、下記で見ることができる。

https://www.youtube.com/watch?v=KrK9W2nhgvs

「俺は前回ショーグンに勝った時よりはるかに進化している」(OSP)

――9月のUFCファイトナイト・ジャパンでショーグンと再戦になりますが、彼のことを選手として、どう評価していますか?

「ショーグンは総合格闘技のレベルを上げた選手として、格闘技の歴史に残る選手だと思う。そして日本でもブラジルでもアメリカでも、総合格闘界のレジェンドと言っていい存在だね」

――その“レジェンド”であるショーグンを、前回あなたは、わずか34秒でKOしましたね。

「ああ、たしかにな(嬉しそうに笑う)。彼は本当にレジェンドの名にふさわしい選手だし、俺が彼をKOしたような形でKOされたことは、それまで一度もなかったと思う。だからこそ、ショーグンは、俺との再戦したいと思ったんだろうね」

――そうですね。それだけに今回のショーグンは、絶対にリベンジしようと燃えていると思います。そんな彼との再戦に備えて、あなたはどんな練習をしますか。

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