[週刊ファイト7月13日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼WWE両国vs.新日ロングビーチ二連戦落とし穴~トランプTwitter戦術
タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編
・木谷会長自画自賛も新日読み違い!アメプロ成功方程式学んでない考
・東京だけの豪華仕様の遠征だったWWE両国二連戦の核心部分
・トランプ大統領がTwitterでレッスルマニア23のパロディ動画を公開
・映画『FAKE』、『ツインピークス The Return』UFCマイケル・ビスピン
―― やはり、WWEが両国二連戦、新日本がLAロングビーチで二連戦というのが、良くも悪くも比較の対象にされる今週の話題でした。
オフレコ 全日本プロレスの新木場大会が超満員だったことや、大日本プロレスに加えて新日本プロレスとの交流戦もあり、団体の勢いを反映して非常に盛り上がったというのもあるけど。後楽園ホールじゃなくて、新木場辺りでやってる中身の充実度こそが、真の実力を見極めるに絶好の会場というのもある。
―― はい。もちろん、WWEが日本でPPV大会やるわけないし、新日本がG1決勝を米国開催にした訳でもない。両者ともにハウスショーなんですけど、2017年の初夏、なにがどうなっているのかを比べるにはちょうど最適だったです。それで木谷高明会長は、大成功だったと自画自賛しているわけですが・・・。
オフレコ そこに問題がある。原田克彦社長以下、「WWEを研究して学んでいる。ビジネス分析している」と言うんだけど、対マスコミ対策にせよ、ケーフェィの扱いにせよ、成功の秘訣をなにも学んでないことは、本誌で散々書いてきたこと。バックナンバーを買って読みなさいと言いたい。
―― 今回も、マッチメイクの読み違いが、早くから北米の情報誌では指摘されてきました。
オフレコ IWGP王者オカダ・カズチカvs. ROH王者コディ・ローズの、チャンピオン対チャンピオンをやれば、米国進出大会のメインにふさわしいという判断がなぁ~。
―― コディの知名度もあるから、これぞ理想のカードだと思い込んでしまったという。
オフレコ 北米の新日フォロワーの核は、大人向きのレスリング・オブザーバー紙を定期購読している、いわゆるスマート層というのが見えてない。そんな「AWA王者vs. NWA王者対決を組めるのはプロモーター馬場さんのおかげ」とか、有難がっていたのは昭和のプロレスファン時代までのこと。国内のファンですら、もうそういうのは2017年にはときめかなくなっているのに、北米のマニア層はさらに白けていた。
―― だって、これほどケツが絶対丸わかりのカードないですからね。ケツがわかっていても、へぇ~こういうやり方があったのかと、中身で驚かせてくれたら何の文句もないんですが・・・。今はどっちが勝った、負けたなんかどうでもイイ、凄い試合、お客の想像力を上回る展開を見せてくれとなるにせよ、余りにミエミエ過ぎるブックもどうなのか。
オフレコ 王者同士対決をやったら客が喜ぶという発想が、もはや完全にズレている。別にタイトルなんか賭けなくても、米国でしか実現しない意外なカードとか、凄いものを見せてくれたら満足なのであって、タイトルマッチにする意味が薄い。
―― まして、US王座の新設と、またベルトを増やして内藤哲也にボヤかれる始末なのに、ROH世界王者をぶつけたら沸くだろうという、何をやってるのかと大人のファンもボヤいてました。ROH王者って、ジェイ・リーサルとか、奇をてらった選手を世界ヘビー級王者にしてきた歴代チャンピオンの系譜なのに、アメプロのことよくわかってない、調べてないとしか思えません。
オフレコ オマケに、「これがストロングスタイルだ!」と、またオカダに30分の試合をやらせてしまう。14分に凝縮してくれたら、コーディも光っただろうに、「30分のを見せる」ありきでマッチメイクするなら、対戦相手の人選を間違っている。
―― 悪い試合じゃなかったし、オカダはやっぱり凄いという確認はありましたけど、現地の新日マニアが「ちょっと違う」と騒いでいる点は、他誌が書けないことを出す本誌が代弁しておかないといけませんね。
オフレコ ケニー・オメガが遠征の主役で、約束通り凄い試合をデリバーしてくれた功績は認めないといけない。