サマーキャンペーン先着20名様限定DVDレスリング・ウィズ・シャドウズ進呈

 2006年夏に起業、同年12月1日より電子書籍サイト販売を開始したファイト!ミルホンネットの9年目途中を祝い、特大サマーキャンペーンを実施いたします。
 銀行振込による「マット界舞台裏」定期購読優遇として、先着20名様限定にて8000円の振込を10000円換算スタートするのみならず、エンドレス提供のDVD『レスリング・ウィズ・シャドウズ』(定価4800円)を謹呈いたします。

みずほ銀行方南町ほうなんちょう支店普通1044564 カ)ミラクルフアイト
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「レスリング・ウィズ・シャドウズ」プロレス・ドキュメンタリーの最高傑作
Hitman Hart: Wrestling with Shadows プロレスラーの光と影

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歳月は巡り、許しの機会が訪れる。ブレット・ハートはWWE認定『Hall of Fame』の演壇に立っていた! 撮影:藤井敏之

 「プロレスはフェイクなのか」
 映画はブレット・ハートのつぶやきが印象的だ。
 これは実録の人間ドラマ作品である。その主人公の職業が、たまたまプロレスラーであるに過ぎない。
 「自分のやっていることは、俳優ロバート・デ・ニーロと比較されてしかるべきだ」「それなのに、デ・ニーロのやっていることがファイクだと言う者はいないが、プロレスはインチキだと誹謗される」とも語っている。

 秀作ドキュメンタリーとして、「必見作だ!」と、ウォール・ストリート・ジャーナルからTVガイドまでが絶賛の嵐だったのは驚くに値しない。台本が存在するハズのプロレスが、舞台裏の人間模様劇において超リアルなものとなる。
 言い換えれば、映像の圧倒的説得力を得て、真剣勝負幻想は公式に終焉を告げたのかもしれない。それほど、98年公開のマット界ドキュメンタリーはインパクトがあった。
 プロレスはもちろん「最強芸術」なのである。試合という最高の作品を作るために、スポーツ芸人たちは日々肉体を鍛え、それを酷使することで観客を驚かせ、感動を与え続けている。そこには何ひとつフェイクが介在する余地はない。
 映画も作りごとの世界ではあるが、まだ撮り直しが許される分だけリアルから遠いという解釈すらある。一夜限りの聖なるライブ・ファイト・エンタテインメントにおいては、ハプニングもアクシデントもつきものだ。客の反応をダイレクトに筋書きに反映させ、アドリブによって試合が組み立てられていく。
 同じ対戦相手と、同じ結末の台本の連戦を命じられても、二度と同じ試合はできない。だからプロレスは、テレビで見るだけでは味わえない醍醐味が会場に潜んでいる。対戦する選手をコントロールしているのは、なにを隠そう、声援とブーイングを送る貴方なのだ。

映像作家には運も味方した転出劇
 ブレット・ハートは、ある意味ではアメプロ黄金時代の光と影を象徴し、チャンピオン像を確立していたエース・レスラーだった。そもそもが、12兄弟姉妹のすべてがプロレスラーの一家という、宿命のもとに生まれ育ち、そして実弟オーエン・ハートのスタントの失敗による事故死を筆頭に、ファミリーの数々の不幸を経験した悲劇の英雄でもある。
 カナダ人監督ポール・ジェイによる当初の企画書では、ハート家という特異なプロレス大家族を軸に、過激に移りゆく業界の流れを描きながら、リング上のテーマにもなっていた微妙なアメリカとカナダの隣国関係がスパイスの実録物となるハズであった。

 ところが、キャラクター名“ヒットマン”選手(当時40歳)の巡業生活を97年の一年間追い続けるうちに、本人のライバル団体への転出話(事実上の肩叩き)が持ち上がる。11月9日のPPV大会『サバイバー・シリーズ』がドキュメンタリーのハイライトとなったのは、映像作家側にはラッキーとしか言いようのない偶然の産物であった。
 その結果、選手権試合として組まれた対ショーン・マイケルズ戦のフィニッシュが、ダブルクロスだった事件(事前の約束と違って王座が移動する)がクライマックスになる。

 マイケルズがハートの得意技シャープ・シューター(さそり固め)を、プロレス専門誌風に記すなら“オキテ破り”で仕掛けようとした瞬間、リングサイドにいたビンス・マクマーン代表がいきなりゴングを要請。新チャンピオンが誕生する。
 しかし、ハートが聞かされていた台本は、その後の選手乱入によりノーコンテスト裁定になるというものだった。さそり固めは極まってなく、ハートはマイケルズの足を取ってひっくり返そうとしている。通常の攻防のスポット(場面=業界用語)に過ぎない。

 前王者は一瞬呆然となり、即座にビンスの顔面に向かってツバを吐く。この映像部分はPPV中継カメラからの転用で、大会でもライブで放送されたシーンだが、ポール・ジェイ監督はツバをスローモーションに編集し直して、よりドラマチックに生身の人間のリアクションを際立たせていた。念のために書くが、これはやらせではない。
 そう、これこそ力道山対木村政彦の54年のリンチ伝説や、Uインターのリングで実現した髙田延彦対北尾光司戦に劣らぬ、マニアを知的興奮に駆り立てた裏切りのゲームなのである。

カナダはカルガリー出身のハート
 中継会場モントリオール(カナダ)で「ベルトを落とせ!」と迫るビンス・マクマーン代表に対して、「それはできない。“ヒットマン”キャラクターの暗殺じゃないか?」と拒む生身のチャンピオン。このやりとりから、業界を震撼させた赤裸なヒューマン・ドキュメントが始まるのだ。
 映画の前半ではプロレスの仕組みの徹底的な公開が行われている。打ち合わせの現場にカメラが入り、筋書きどおりに実際のPPV大会が進行している様子がわかりやすく描写される。純真ファンには信じられない映像の連続だろう。
 映画のラストは“悪の首脳部”による「裏切りフィニッシュ」だ。台本どおりの演劇ではありえない、衝撃の結末に向かうからおもしろい。試合が成立する過程をドンドンとばらした上で、一般客を「格闘芸術」の“最後の謎”にハメてしまう構成が素晴らしい。

 業界の真実と本音を語ったのが、年棒3億円の人気二世レスラーだからこそ意味がある。また、ライバルのHBK(ハート・ブレイク・キッド)ことショーン・マイケルズ台頭の記録としても、アメプロ人気が大爆発する前夜を克明に捉えていて貴重な資料となっている。
 『シャドウズ』は、プロレスにそれほど興味がない人や、好きではあってもWWFやブレット・ハート選手には特に関心がない層にも、ノンフィクション・ドラマとして一級の完成度を誇る編集に仕上がっている。

 ブレットの妻は、このドキュメンタリーの隠し味だ。冷静に夫の苦悩を見つめてきたがゆえに、この裏切りの全容を、つまり誰と誰が共犯者で事前に知らされていたのか、女の直感で見抜いている。
 舞台裏の通路で、「アンタもこの陰謀劇を知ってたんでしょ?」の詰問に、「神に誓って知りませんでした」とウソの弁解をしていたのは、その後にブレイクしてWWEのトップスターとなるトリプルHだ。この時点では、マイケルズ派閥の脇役でしかない。
 ブレットの妻が「巡り巡ってロクな死に方しないわよ」と、のちにステファニー・マクマーン令嬢と結婚して文字通り団体の後継者になるハンター(トリプルH)を、ののしる場面はあまりにも強烈だ。
 対戦相手のマイケルズも「オレは知らなかった! こんなんじゃベルトは要らない」と、ロッカールームで直接ハートにまくしたてていたが、02年5月末から放送を開始したWWEの舞台裏紹介新番組『コンフィデンシャル』の第一回放送にて、ついに事前に知らされていたことを公式に認めている。
 この放送時点でやがて5年になろうかというのに、未だに「誰が事前に知らされていたか」が、新番組の目玉の告白インタビューとして成立するほど、ビジネスを筆頭に歴史を変えた重い事件だった証明になろう。
 この作品が業界に与えた影響は余りにも絶大だ。このダブルクロス事件をきっかけに、WWFはビンス・マクマーン自身が「悪のオーナー」というTV上のキャラクターを演じるようになる。そして上司に逆らう新種のヒーローが、“ストーンコールド”スティーヴ・オースティンというわけだ。“テキサスのがらがら蛇”は、このブレイクで年俸10億円のメガスターとなった。
 ここからビジネスとしてのWWFは、さらに雪だるま式に巨大化していって、99年10月19新規株式公開へと繋がる。また、その後のプロレス台本にこの映画の裏切りのフィニッシュがいったい何度使われたことだろうか。『シャドウズ』こそが、アメプロの歴史を根底から変えたのである。

 このドキュメンタリーが示唆した教訓は、日本マット界にとって強烈な破壊力に満ちていた! 「アメリカだから許された」と考えるのは間違いだ。プロレス業界に秘密なんてないし、あると主張する関係者は失格でしかなかったことが数字で証明されたのだ。ファンは愚かではないのである。
 長州力はかつて「メディアは東スポだけでよい」発言をしたが、そうした認識が新日本プロレスをしてWWFに何十倍近いビジネス格差をつけられてしまった最大の理由だった。80年代までは日本こそが世界のプロレスの中心だったのに、今は報道するマスコミのレベルまで含めて、あらゆる観点からすべての項目で圧倒的に差をつけられてしまっている。とても哀しい現実である。

 アメプロの繁栄の出発点となった記念すべき作品は、初めての映像版シュート活字となった点でも画期的だった。また、お茶の間のプライムタイムですでに10回以上も好評につき再放送されている。映画でも重要な指摘を繰り返していた妻と離婚したブレット・ハートの、事件後インタビューを加えた市販ビデオも売られている。DVD字幕版も見られるのでぜひチェックしてみて欲しい。
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藤井敏之特派員を現地アリゾナに派遣。普通にネット検索で知ることのできる大会の模様だけでなく、アントニオ猪木の殿堂入りと大物レジェンドたちの交友録という貴重な特典がこの別冊ミルホンネットには詳細されている。その圧巻のドキュメントと、英語の出来る取材陣が日本の専門誌媒体中最も大勢集結しているミルホンネットが、総力を挙げてお届けする「月曜TV戦争」の歴史を振り返る迫真のレポートをお楽しみ下さい!
別冊043ミルホンネット アメプロの底力 HBK壮絶なる最期 ハート家の清算収録の「レスリング・ウィズ・シャドウズ」評より

【最強の執筆陣、先行スクープ回数と精度でダントツNo.1定期購読者信頼度No.1週刊マット界舞台裏】
週刊マット界舞台裏8月21号
 日本の夏といえば、蚊取り線香ではなく、プロレス界ではG1クライマックスであるのは言うまでもない。今号もご多分に漏れず、G1クライマックスを立体的に特集している。
 先ずは、巻頭記事では、タダシ☆タナカ記者が、独自の視点でG1をバッサリと斬り、大人のG1の楽しみ方にも触れている。
 恒例の事情通らによる座談会でも、G1ネタが中心となっている。
 大会レポートでは、G1決勝戦が行われた、西武ドーム大会を野口卓也カメラマンと斉藤雅治カメラマン兼記者が担当した。決勝戦、オカダ・カズチカvs.中邑真輔は、空前絶後の夏の戦いの勝者を決めるに相応しい、大激闘となった。類まれな素質を持ちながら、ここのところ停滞していたカズチカの優勝は、今後のプロレス界にとっても明るい題材だ。
 巻末の「別枠ミルホンネット」は力作の全50ページ!ここのところ大活躍、森浩樹記者によるアイスリボン・世羅りさ広島凱旋興行。
8月9日、10日両日に渡って行われた、世羅りさを中心としたイベントを執念の密着取材。
 先ず、9日には、何と3会場でイベントが行われるが、台風の接近の影響で試合が中止になるアクシデントもあったが、トークイベントあり、一日店長ありで、ほのぼのとした雰囲気が伝わってきた。3会場目ではマット・プロレスが実現。フライパンのゴングや、コーナーポストがないので、脚立の上からのダイブなど、アットホーム的な感じがこれまたいい。
 2日目は、「せらリボン」として、本格的なリングを組んでの、世羅りさの地元・世羅町での凱旋興行。この興行が実現するまでは、様々な経緯があったようだが、結果オーライで、感慨深いものがあったようだ。
 と長々書いたが、何と言っても世羅りさの生き生きとした表情の写真の数々が素晴らしい。百聞は一見にしかず、是非、自分の目でご覧いただきたい。
Fb.ワールド・レスリング・アライアンス
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マット界舞台裏8月21日号絶賛G1決勝検証Metamoris谷川貞治パンクラス広島せらリボン独占