新日プロ上半期の集大成、6・11大阪城ホールが目前に迫ってきた。
1・4東京ドームで始まった今年を総括する決着点と同時に、7月のLA大会、夏の本戦G1へ繋げるという意味で起点にもなるビッグマッチだ。
6・9後楽園ホールの試合は、大阪の前哨戦であると同時に、今後の展開への示唆も含まれていた。
まず注目点は、後楽園で第2試合出場となった岡、北村の試合内容。キャリア的には未だヤングライオンの域だが、ともにアマレス・格闘技での実績は充分、野球選手だった八木、海野と比べたら頭1つ抜けている。
特に北村は年齢的なものもあって、オーソドックスに前の方で試合をさせて育てる姿勢はマイナスではないかと思っていた。
観客の方もそれは敏感に感じ取っていて、既に声援の多さは他のベテランに比べてひけをとらない量。
特に北村の見事な筋肉は新日内にあっても最も見栄えのするもので、ポージングをしてピクつかせただけで大声援。「銭の取れる身体」なのは間違いない。
もうG1に挑戦させてもブレーク必至の情勢と思う。
フィニッシュホールドとして既に説得力充分。
続いてはやはり目立った、圧倒的な内藤とL.I.J人気。
NEVER6人タッグの防衛は堅いと思うが、リマッチとなるヒロム、内藤の王座陥落は決定的で、そうなった時の観衆の多数派となるロスインゴファンの感情をどう収めるのかは気になるところ。
IWGPヘビーに挑戦させない代わりにインターコンチをあてがっている状況は内藤の言動からも明白で、ファンにも共通認識されている。
一部はファンというよりシンパと言い換えるべきような過激派もいるようで、6・3代々木では、登場した棚橋にそれと思しき観客から、選手に対して通常いわれない種類の辛辣な言葉が浴びせられる事態が勃発。
お金を払ったからなにをいってもいいわけでないし、他の観客やレスラーを不快にさせる権利はないのだが、その是非はともかく、ファン第一主義の筆頭である棚橋が顔色を変える状況になった。
反体制の内藤&L.I.Jとその人気は、本人も会社も望んだ方向の結果のはずだが、コントロール不能なまでに加熱しているとすれば、下手な演出は想定外の爆発を引き起こす可能性もある。
腕の状態の真贋はともかく、見た目には痛々しい包帯姿でリングにあがった棚橋を攻める図というのはそれを和らげる効果もありそうだが、ヒロム敗退に続いて予想通り敗北となった時の内藤シンパの内心の動きは未知数。
群集心理も働くことを考えると、想定外の事態を迎えることも危惧される。
IWGPヘビーに対して格下であるインターコンチ戦ではあるが、内藤が王者として挑むことで勝敗はさておきどんな結末を迎えるのかメーン以上に注目の一戦なのは間違いがない。
棚橋の左腕の包帯の意味に注目。
そして後楽園でリング上を席巻したのはバレットクラブ。
なにしろ3試合も組まれているので、それだけでも新日の外国人ユニットとしては異例と思える。
NWOも海外からの侵攻だったがトップはあくまで蝶野で、いわば逆輸入ブランドだった。
北米ではとにかくグッズが売れまくる大人気ということで、LA大会でも10人という最大勢力。来年以後の現地法人設立もバレットクラブ人気が大きな原動力となっているのは間違いない。
メジャー感溢れるCodyの加入も大きい。
お馴染みとなった、タマ・トンガによるファンのカメラを借りての撮影芸。壊しては大変だから、意外と神経を使う筈。
月刊ブシロード辺りで、腐女子向けに『バレットクラブ』のイチャイチャ漫画も提案したい。
東京ドームのオカダ戦以後、WWEからオファーがあったと報じられたが、それを拒否したケニー・オメガ。
北米出身のケニーからしてみれば、WWEのオファーに心が動かなかった筈はないだろうし、条件的に新日プロがWWEを超える提示をしたとも考えにくい。
だが結局残留を決意したのは、日本式のプロレスへの愛着だったり、自分がトップとして理想を具現化できることへの魅力も感じたからだろう。
そんな、情緒的で浪花節を感じさせる残留劇が想像できる点は、日本のファンのバレットクラブへ好意を寄せやすい状況だといえる。
一方、新日プロ側では木谷オーナーが、トランプ大統領の言動に象徴される保護主義の台頭もあって、世界戦略に対してネガティブな情勢だと語り、減速を広言。
だからこそ、ほとんどが北米出身者を興行の中心に据えることでそこへの批判をかわす狙いもあるだろうと思われ、ビジネス的にも政治的にもバレットクラブをトップにすることは会社としても願ったりの情勢。
試合の方も、ケニー・オメガを中心に動き回れるレスラー揃いで、相対的に、「寝る」事をいとわず、フィニッシュも拾えるクセ者裕二郎や、アンダーボス然とした重鎮ファレも活きる。
後楽園のメーンでは、試合中に不満を述べて花道を引き揚げ、それをオカダらが追ったあと逆方向から登場。マーテイ・スカルの指折りでもお馴染みになった「シー」で客席を静まらせてリング下に潜み、戻ってきたオカダ達を襲撃。
また、海外向け配信のゲストを務めていたCodyの靴を脱がせて凶器に使ったり、その流れで乱入させたりとユーモラスな攻撃をみせたかたと思えば、フィニッシュは乱戦から片翼の天使で説得力満点。
試合後はオカダとケニーの刺殺戦を、横からやってきたジャクソンのジャンピングニーで強引に終わらせて大歓声。
WWE的なエンタメのアメリカンプロレスと、新日的ストロングスタイルのハードヒットの融合がバレットクラブの持ち味であることを見せつけた。
英語でのアピールをそうは理解していないだろう後楽園の観客ですら掴んでしまえるのだから、これが北米の会場であればどれだけ盛り上がるのか想像に難くない。
WWEのアドバンテージである視聴率が急降下の報道もあり、新日北米侵攻策に、にわかに強烈な追い風も吹いている。
IWGPヘビー級の海外流出は必至だが、それをどうUSヘビー級トーナメンがと結びつけるのかは難題で、悪くすれば本家IWGPヘビーの方が格下化する可能性もある。
邪道・外道のブッカーとしての手腕も問われる今後の新日の展開だけに、先ずは6・11大阪のリング内外のやり取りは最期まで要注目である。
バレットクラブに花道を引き揚げさた攻撃は、大阪でも炸裂するか?
後楽園では未遂に終えた、場外の机への片翼の天使が大阪でのフィニッシュになるか?
■保険見直し本舗 Presents Road to DOMINION
日時:6月9日(金) 17:30開場 18:30開始
会場:東京・後楽園ホール
観衆:1557人
<第1試合 20分1本勝負>
●八木哲大 海野翔太
5分01秒 マフラーホールド
TAKAみちのく 〇エル・デスペラード
<第2試合 20分1本勝負>
岡倫之 川人拓来 タイガーマスク 〇永田裕志 真壁刀義
9分19秒 バックドロップ・ホールド
●北村克哉 獣神サンダー・ライガー 中西学 小島聡 天山広吉
<第3試合 20分1本勝負>
●外道 石井智宏
8分11秒 ピンプジュース⇒体固め
〇高橋裕二郎 ハングマン・ペイジ
<第4試合 20分1本勝負>
ハンソン レイモンド・ロウ ●デビット・フィンレー マイケル・エルガン
10分30秒 クロスローズ⇒体固め
タンガ・ロア タマ・トンガ バッド・ラックファレ 〇Cody
<第5試合 30分1本勝負>
●邪道 YOSHI-HASHI 矢野通 後藤洋央紀
10分40秒 ジム・ブレイクス・アーム・バー
タイチ 金丸義信 〇ザック・セイバーJr 鈴木みのる
<第6試合 30分1本勝負>
KUSHIDA リコシェ ジュース・ロビンソン 田口隆祐 〇棚橋弘至
15分21秒 グラウンドコブラツイスト
高橋ヒロム BUSHI “キング・オブ・ダークネス”EVIL ●SANADA 内藤哲也
<第7試合 30分1本勝負>
バレッタ ●ロッキー・ロメロ オカダ・カズチカ
20分12秒 ケニー片翼の天使⇒エビ固め
〇ニック・ジャクソン マット・ジャクソン ケニー・オメガ
■保険見直し本舗 Presents DOMINION 6.11 in OSAKA-JO HALL
日時:6月11日(日) 14:30開場 16:00開始
会場:大阪・大阪城ホール
<第0試合 15分1本勝負>※15:40開始予定
海野翔太 岡倫之 デビット・フィンレー
vs.
八木哲大 北村克哉 川人拓来
<第1試合 20分1本勝負>
タイガーマスク タイガーマスクW 永田裕志 真壁刀義
vs..
獣神サンダー・ライガー 中西学 小島聡 天山広吉
<第2試合 60分1本勝負 NEVER無差別級6人タッグ選手権試合・ガントレットマッチ>
[第13代王者組]
BUSHI “キング・オブ・ダークネス”EVIL SANADA
vs.
リコシェ ジュース・ロビンソン 田口隆祐
YOSHI-HASHI 矢野通 石井智宏
高橋裕二郎 ハングマン・ペイジ バッドラック・ファレ
タイチ 金丸義信 ザック・セイバーJr
2チームで通常の6人タッグマッチで激突し、勝ったチームが次のチームと対戦。最後に勝ち残ったチームが勝者となる。登場順は当日発表。
<第3試合 60分1本勝負 IWGPジュニアタッグ選手権試合>
[第51代王者組]
バレッタ ロッキー・ロメロ
vs.
ニック・ジャクソン マット・ジャクソン
[挑戦者組]
※王者組初防衛戦
第4試合 60分1本勝負 IWGPタッグ選手権試合
[第75代王者組]
ハンソン レイモンド・ロウ
vs.
タンガ・ロア タマ・トンガ
[挑戦者組]
※王者組2度目の防衛戦
<第5試合 30分1本勝負 スペシャルシングルマッチ>
マイケル・エルガン
vs.
Cody
<第6試合 60分1本勝負 IWGPジュニアヘビー級選手権>
[第76代王者]
高橋ヒロム
vs.
KUSHIDA
[挑戦者]
※王者5度目の防衛戦
<第7試合 60分1本勝負 NEVER無差別級選手権試合 ランバージャック・デスマッチ>
[第16代王者]
鈴木みのる
vs.
後藤洋央紀
[挑戦者]
※王者初防衛戦
<第8試合 60分1本勝負 IWGPインターコンチネンタル選手権試合>
[第16代王者]
内藤哲也
vs.
棚橋弘至
[挑戦者]
※王者5度目の防衛戦
<第9試合 60分1本勝負 IWGPヘビー級選手権試合>
[第65代王者]
オカダ・カズチカ
vs.
ケニー・オメガ
[挑戦者]
※王者6度目の防衛戦
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