桜庭和志がUFC殿堂入り!ブラジルUFC212ジョゼ・アルド陥落、ビトー・ベウフォート勝利

 『UFC 212』開催中の新生UFCが、桜庭和志のUFC殿堂入りを発表した。この2017年UFC殿堂入りの式典は現地時間7月6日(木)午後7時から、アメリカ・ネバダ州ラスベガスにあるパーク・シアターにて開催される予定。また、この式典の模様はUFCファイトパスにて独占ライブ配信される。

 この殿堂入りを受けて桜庭選手は「最初に殿堂入りのニュースを聞いた時は驚きました。20年前にオクタゴンで戦った時は自分が他の伝説的な総合格闘家と肩を並べ、UFCの殿堂入りをするとは夢にも思っていませんでした。自分は最高の格闘家を目指すだけでなく、総合格闘技が持つ興奮、そして素晴らしさを世界に伝えたいと思い、ここまで戦ってきました。スポーツとしての総合格闘技の歴史において、自分が何かしら影響を与えることができたのであれば、それは決して自分だけの功績ではありません。尊敬すべき対戦相手、素晴らしいイベントを開催してくれるスタッフ、このスポーツを報道してくれるメディア、そして何よりもこのスポーツを熱くサポートしてくれる多くのファンが可能にしてくれたのだと思います。この殿堂入りはPRIDE時代から総合格闘技を新たなスポーツへと押し上げてくれた日本の総合格闘技関係者に捧げたいと思います」とコメントした。

When I was told about being inducted into the UFC Hall of Fame, my first reaction was surprise. I stepped into the Octagon 20 years ago at UFC’s Ultimate Japan tournament and I never could have dreamed at that time that one day I would be invited to join the other legends in the Hall of Fame. That was an important fight for me as it was my very first entry into MMA fighting. I continued to fight on a square battlefield – a white canvas mat surrounded by ropes – and you could say that is where I built my career, but it has always been my mission, not only to become the best, but to show the world the excitement and glory of MMA. I gave everything I could in the gym, to perfect myself and my technique, so that I could give the fans spectacle they deserved. With that belief in my heart, that it was my purpose in life, I’ve never stopped pushing the limits of what I can do. In the process, if I’ve somehow influenced the sport of MMA, it was never in my power to do it alone. I couldn’t have achieved anything without my esteemed opponents with whom I fought the fiercest of battles, without the staff who make the events happen, without the media who tell our stories, and, most importantly, without the support of the amazing fans. It is my wish to share this honor with everyone in the Japanese martial arts world that, through PRIDE, helped establish a new era in fighting sport. Kazushi Sakuraba 今回の知らせを聞いて、とても驚いています。 ぼくがUFCのオクタゴンに足を踏み入れたのは、20年前に行われた日本大会のただ一度だけです。そんなぼくがUFCの殿堂入りを果たすとは考えもしませんでした。 たしかにMMAのデビュー戦と言えるのはオクタゴンのあの試合でした。ただ、その後のぼくの主戦場は四角いリングです。ぼくのキャリアのほとんどは、ロープに囲まれた白いマットの上で形作られたと言っていいでしょう。 強さを追い求めるだけではなく、MMAの面白さを世間に伝える。 お客さんに喜んでもらうために、とことん練習して自分を高める。 そんな使命感を胸にこれまで頑張ってきました。 その過程でMMAというジャンルになんらかの影響を与えることができたとしたら、それは決してぼくひとりの力ではありません。リング上で激戦を繰り広げた対戦相手はもちろんのこと、イベントスタッフ、メディア、なによりファンの方々の支えがあってのことです。 この名誉を、PRIDEで共に一時代を築いた日本の格闘技界すべての人たちと分かち合いたいと思います。 桜庭和志

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 桜庭選手はUFCにおいて日本人として初めて勝利を挙げた選手であり、そうした功績が称えられてパイオニアのカテゴリーでUFC殿堂入りを果たすことになった。このパイオニアというカテゴリーは2000年11月17日(総合格闘技として正式なルールが定められた日)以前からプロとして活躍し、35歳以上で引退後1年以上の選手が選ばれている。
 19年間のキャリアで46試合を戦い、通算26勝17敗1分2ノーコンテストの戦績を誇る桜庭選手は、その長いキャリアだけでなく、コンバットスポーツと呼ばれる歴史の中で総合格闘家として数多くの記憶に残る試合を戦っている。
 桜庭選手にとって初めてかつ唯一のUFCでの対戦は1997年12月21日に横浜で開催されたUFC JAPAN: ULTIMATE JAPANである。大会直前に負傷した別の選手の代役として出場し、元Extreme Fightingヘビー級王者マーカス・コナンと対戦、1試合目はノーコンテストになったが、2戦目でUFCヘビー級トーナメントの勝利を収めた。
 その後、桜庭選手はPRIDEに参戦すると、7年の間にホイス・グレイシー、ケン・シャムロックら、すでにUFC殿堂入りを果たしている伝説の選手を打ち負かし、さらに元UFCウェルター級王者カルロス・ニュートン、元ヘビー級王者ケビン・ランデルマン、元UFCライトヘビー級王者ランペイジ・ジャクソン、元UFCライトヘビー級王者ビトー・ベウフォート、UFC13のライト級トーナメント優勝者ガイ・メッツァーといった数々の強豪を倒してきた。また、PRIDEでの戦いにおいては、UFC殿堂メンバーで元PRIDEヘビー級王者のミノタウロ・ノゲイラに並んでPRIDE史上最高タイとなる11回のサブミッション勝ちを記録している。
 また、桜庭選手はPRIDE 以外にも活躍の場を広げ、キング・オブ・パンクラスを2度獲得している船木誠勝、元DREAMスーパーハルクトーナメント王者ミノワマンこと美濃輪育久、そしてキング・オブ・ケイジの元ライトヘビー級王者ヴァーノン・ホワイトらも打ち破ってきた。

 桜庭選手はグレイシー一族との数々の戦いから“グレイシーハンター”の異名を持ち、ホイラー、ヘンゾ、ハイアン、ホイス・グレイシーらと対戦して勝利を収めている。その中でも2000 年に行われたホイス・グレイシーとの90分間での勝利は、いまだに総合格闘技史上最高の対戦として多くのファンの記憶に残っている。
 なお、2017 年にUFC 殿堂入りを果たす他の選手は今後、現地時間7月5(水)から8日(土)に開催される第6回UFCインターナショナルファイトウイークに向けて発表される予定だ。

UFCファイトパス桜庭和志特集

UFCファイトパス殿堂入り選手一覧

ブラジルUFC212ジョゼ・アルド陥落、女子ガデーリャ勝利

RIO DE JANEIRO, BRAZIL – JUNE 03: Max Holloway celebrates after his TKO victory over Jose Aldo of Brazil in their UFC featherweight championship bout during the UFC 212 event at Jeunesse Arena on June 3, 2017 in Rio de Janeiro, Brazil. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

 現地時間6月3日(日)、ブラジルのリオ・デジャネイロにあるジュネス・アリーナにて開催された『UFC 212』。メインイベントはフェザー級統一王者決定戦として、王者ジョゼ・アルド(ブラジル 26勝2敗)と暫定王者のマックス・ホロウェイ(アメリカ 17勝3敗)が対戦した。ホロウェイは第1ラウンド、第2ラウンドと、普段の豊富な手数が見られず金網に詰められるシーンも見られたが、長いリーチと丁寧なパンチの打ち分けでアルドの爆発的なアタックをやり過ごすと、続く第3ラウンドにリズムをつかみ、鮮やかなワンツーを皮切りにアルドからダウンを奪ってパウンドでたたみかけ、亀の状態になったアルドを見たレフェリーが、第3ラウンド4分13秒にTKOでの試合終了を宣告した。

 フェザー級統一王者になったホロウェイは試合後のインタビューで「神に、ホームのみんなに、それにチームのみんなに感謝する。最後に、ブラジルの皆にもありがとう。母国の英雄を応援する皆の気持ちは分かるから、ブラジルの格闘技ファンに感謝している。皆が俺にくれるものがラブそのものなんだ」とコメントした。

 また、セミメインイベントでは女子ストロー級ランキング1位のクラウディア・ガデーリャ(ブラジル 13勝2敗)と同級ランキング2位のカロリーナ・コバルケビッチ(ポーランド 10勝1敗)が対戦。ガデーリャが第1ラウンド残り2 分30秒でテイクダウンを奪うと一気に首を締め上げ、3分03秒でコバルケビッチからタップアウトを引き出し、勝利 を収めた。「私は生まれ変わったの。新しいクラウディアがここにいる。今の私を倒すのは簡単ではないわ」と試合後に語ったガデーリャは、この勝利により再び王者ヨアンナ・イェンドジェイチェクへの挑戦権を得ようとしている。

 なお、日本では6月10日(土)午後10時から『FOXスポーツ&エンターテイメント』にてUFC 212の模様が録画放送される予定だ。

■ UFC 212
日時:6月3日(土)
会場:ブラジル・リオデジャネイロ ジュネス・アリーナ
アーリープレリム:午前 7 時 30 分(日本時間、以下同) プレリム:午前 9 時 メインカード:午前 11 時

<メインイベント フェザー級タイトルマッチ 5 分 5 ラウンド>
●ジョゼ・アルド
 TKO 3R 4 分 13 秒
○マックス・ホロウェイ

RIO DE JANEIRO, BRAZIL – JUNE 03: (R-L) Max Holloway punches Jose Aldo of Brazil in their UFC featherweight championship bout during the UFC 212 event at Jeunesse Arena on June 3, 2017 in Rio de Janeiro, Brazil. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

<セミファイナル 女子ストロー級 5分3ラウンド>
○クラウディア・ガデーリャ
 1R 3分03 秒 裸締め
●カロリーナ・コバルケビッチ

RIO DE JANEIRO, BRAZIL – JUNE 03: Claudia Gadelha of Brazil celebrates after her submission victory over Karolina Kowalkiewicz of Poland in their womens strawweight bout during the UFC 212 event at Jeunesse Arena on June 3, 2017 in Rio de Janeiro, Brazil. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)


<ミドル級 5分3 ラウンド>
○ビトー・ベウフォート
 判定 3-0 (29-28, 29-28, 29-28)
●ネイサン・マーコート

<ミドル級 5分3ラウンド>
●パウロ・ボハシーニャ
 TKO 2R 1分06秒
○オルワレ・バンブーシェ

<ウェルター級 5分3ラウンド>
●エリック・シウバ
 TKO 2R 2 分 01 秒
○ヤンシー・メデイロス

【プレリム・カード】
<バンタム級 5分3 ラウンド
○ハファエル・アスンソン
 判定 2-1 (29-28, 28-29, 30-27)
●マルロン・モラエス

<ミドル級 5分3ラウンド>
○アントニオ・カルロス Jr.
 2R3分49 秒 サブミッション
●エリック・スパイスリー

<バンタム級 5分3ラウンド>
●ジョニー・エドゥアルド
 TKO 1R2分57秒
○マシュー・ロペス

<バンタム級 5分3ラウンド>
●ユーリ・アルカンタラ
 1R 1分48秒 サブミッション
○ブライアン・ケレハー

【アーリープレリム・カード】
<女子ストロー級 5分3ラウンド>
○ビビアン・ペレイラ
 判定 3-0 (29-28, 30-27, 30-27)
●ジェイミー・モイル

<ウェルター級 5分3ラウンド>
○ルアン・シャーガス
 2R 4分48秒 サブミッション
●ジム・ウォールヘッド

<フライ級 5分3ラウンド>
●マルコ・ベルトラン
 TKO 2R 5分00秒
○デイブソン・フィゲイレード

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