■ 鉄拳7 Presents 新日本プロレス BEST OF THE SUPER Jr.24
日時:6月3日
会場:代々木競技場・第二体育館 観衆:3,454人(札止め)
オスプレイとの“壮絶死闘”を制したKUSHIDAが『SUPER Jr.』2度目の優勝!
試合後はウェーブ!そして仲間たちと1本締め!!
6.3代々木大会を新日本プロレスのスマホサイト(https://t.co/7xh3nqaLQZ)で独占詳報中!!#njbosj #njpw pic.twitter.com/QLADTINfwt— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2017年6月3日
ベストオブスーパージュニアの卒業を発表したライガーが放送席で「俺も年とったなあ」「水は流れてないと腐っちゃう」「リーグ戦を闘い抜く力はもう無いから一発勝負に賭ける」
と語るのを聴いて、涙を流した昭和のプロレス者も少なくなかっただろう新日本プロレス6・3代々木。
そのライガーがリーグ戦より話題になったのが内藤とのインターコンチのベルトを巡る舌戦。
この日もL.I.Jとタグチジャパンの一戦が組まれ、内藤が放送席のライガーの眼前で机にベルトを叩き付けて始まった。食ってかかるライガーに、内藤が「トランキーロ」のポーズで会場中がヒートアップ。
ゴングが鳴れば、内藤自身はいつもの省エネ試合。最期にディスティーノで小島を沈めると大内藤コールの中マイクを手にする。
と、そこへスーツ姿の棚橋登場。ブーイングと歓声が会場を二分する大盛り上がりに。
内藤が「今日はどうなされたんですか?」と煽ると、
「お山の大将、否、猿山の大将?」と煽り返す棚橋。内藤支持の観客のヤジにも
「どうやら俺のことが嫌いらしいな。まあ、観とけよ大阪城ホール」
とやり返す。
最期は内藤が例によってベルトを放り投げて退場すると、棚橋が拾い上げて「俺が守ります」とアピールして会場をヒートアップさせる。
棚橋を野次る内藤シンパの観客にしても、ベルト奪還を勘付いてるが故だろうと思われるので、些か大人気ない感は拭えない。
とはいえ、これだけ盛り上がられたら後の試合がやりにくくなるところだが、続くセミファイナルはオカダ・外道組と、ケニーオメガ&マーティ・スカル組の対戦。
ケニー・オメガはいよいよ発売となった、今大会の冠ゲームソフト『鉄拳7』オフィシャルが製作した映像で入場。
元々日本のアニメやゲームが好きなケニーにとっては至福のときだったであろう。
試合の方もオカダと先発で向かい合い、開始早々に片翼の天使⇒ドロップキック⇒Vトリガーをお互い読み合うと会場を一気に掌握。
そして、ケニーが高評価しているというマーティ・スカルが大活躍。6人タッグなら存在感あるファレは頼もしいが、2人となれば動けるマーティ・スカルを選びたいのはハタから見てもうなずけるところ。
中盤、外道の肘をねちっこく攻めたかと思えば、傘をタッチに使ったり、拡げてレインメーカーを防いだり洒落の効いたギミックで笑いを誘い、フィニッシュの、指折り⇒クロスチキンウィングは説得力あるフィニッシュ。
硬軟織り交ぜた攻撃はバレットクラブにとってもケニー・オメガにとっても貴重な戦力。新日本プロレスとしてもLA大会、北米進出の頼もしい味方となった。
そしてメーンの『BEST OF THE SUPER Jr.24』決勝に全員同点のAブロックから勝ち上がったのはKUSHIDA。
「直接対決で他の3人に勝っていたので」というオチは決定戦を期待していた名古屋のファンには物足りなかっただろうが、2戦3戦と続ければまたぞろ事故の心配も湧くところ。
実際、この日の決勝でも、オスプレイは場外へ頭からトップロープを超える危険なダイブを敢行。エプロンでのリバースフランケンシュタイナーではお互い顔面から着地。さらにKUSHIDAを逆さに固定して顔面を蹴り上げるシーンもあり、いずれもヒヤリとさせられた。
最期はKUSHIDAが雪崩式からのバックトゥザフューチャー連発でオスプレイを沈めた。
連敗スタートから、新技で復活して頂点というのは、まさに格闘ゲーム的展開ではあるが、息をもつかせぬ名勝負があればそんなに複雑なストーリーは要らないということか。
涙ぐむ観客もいたぐらい超満員の観客を魅了し、「自分がファンだった頃のドームでやっていたので」と泣かせる台詞で場内ウェーブを煽るのも、1プロレス少年だったKUSHIDAらしい話ではある。
野暮を承知で1つ指摘すると、一本締めと一丁締めは違うもの(今回KUSHIDAがやったのは本来一丁締め)。
「モヤッとしながらも、指摘するのも野暮だから付き合う」といっていた、徳井青空に正解を訊いてみてもらいたい。
そしてインターコンチのベルトだが、試合後コメントで内藤は「大阪で勝ったら封印。会社が認めてくれないだろうから返上」と広言。
一方、棚橋は、会場が「二分というよりは6:4で向こう」という反応がショックだったのか強ばった表情でのコメントに終始。
6・11大阪以後丸腰となることが決定的となった内藤の今後が気になるところ。そこでもう1つの要因が、決勝が始まる前からヒロムがIWGP.Jrベルトの挑戦者に「勝っても負けてもオスプレイ」を指名したこと。
『BEST OF THE SUPER Jr.』決勝戦に続いての敗退は考えにくいので、ヒロムの王座陥落が濃厚。
そして内藤が欲しているIWGPヘビーはケニーが巻いてLA大会で防衛となるだろうが、果たしてその相手に内藤が選ばれるかどうか、ジュニアのベルトの行方はそこに関連があるのか。L.I.Jファンにとっての興味はそっちに移りそうだ。
<第8試合 「BEST OF THE SUPER Jr.24」優勝決定戦 時間無制限1本勝負>
[Aブロック1位]●ウィル・オスプレイ
27分59秒 バックトゥザフューチャー
[Bブロック1位]○KUSHIDA
※KUSHIDAが『BEST OF THE SUPER Jr. 24』優勝
<第7社試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
[BULLET CLUB]ケニー・オメガ ○マーティー・スカル(ROH)
13分4秒 チキンウィングクロスフェイス
[CHAOS]オカダ・カズチカ ●外道
<第6試合 10人タッグマッチ 30分1本勝負>
[LOS INGOBERNABLES de JAPON]○内藤哲也 SANADA 高橋ヒロム “キング・オブ・ダークネス”EVIL BUSHI
12分19秒 デスティーノ⇒片エビ固め
[タグチジャパン]田口隆祐 ●小島聡 ジュース・ロビンソン リコシェ(フリー) ドラゴン・リー(CMLL)
<第5試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
[CHAOS]後藤洋央紀 ○YOSHI-HASHI
12分13秒 カルマ⇒片エビ固め
[鈴木軍]鈴木みのる(パンクラスMISSION) ●タイチ
<第4試合 8人タッグマッチ 20分1本勝負>
[BULLET CLUB]バッドラック・ファレ タマ・トンガ タンガ・ロア ○高橋裕二郎
10分6秒 ピンプジュース⇒体固め
レイモンド・ロウ(ROH) ハンソン(ROH) ●デビッド・フィンレー ACH(フリー)
<第3試合 6人タッグマッチ 20分1本勝負>
獣神サンダー・ライガー タイガーマスク ○ボラドール・ジュニア(CMLL)
5分46秒 スパニッシュフライ⇒片エビ固め
[鈴木軍]●TAKAみちのく(K-DOJO) 金丸義信(フリー) エル・デスペラード
<第2試合 6人タッグマッチ 20分1本勝負>
天山広吉 真壁刀義 ●川人拓来
7分24秒 ラリアット⇒体固め
矢野通 ○石井智宏 邪道
<第1試合 6人タッグマッチ 20分1本勝負>
永田裕志 ○岡倫之 海野翔太
7分58秒 逆エビ固め
中西学 北村克哉 ●八木哲大