[ファイトクラブ]埋め込まれた記憶とプロレス2:実写版『Ghost In The Shell』の近未来

[週刊ファイト4月20日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

1万字弱の巨編記事が入稿! 驚愕のマット界分析が脳を刺激する問題作!

▼埋め込まれた記憶とプロレス2~サイバーパンクの世界観~
 タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編
・実写版『Ghost In The Shell』の近未来とネットの広大な海
・本当の自分とは?人の価値は記憶ではなく何をやったかの行動にある
・ネット電脳世界考:取捨選択と判断力が問われるマット界の論客たちへ
・Number版プロレス総選挙と「テレビとプロレス第三段階」の課題

プロレスと埋め込まれた記憶2:実写版『Ghost In The Shell』の近未来

体は義体 脳だけが自分 世界最強の捜査官。SFアクションの金字塔「攻殻機動隊」実写映画化!
© Paramount Pictures

―― 「プロレスと記憶」のテーマを掘り下げる上で、恰好の素材でもある映画『Ghost In The Shell』がついに封切られました。

オフレコ プロレスは記録より記憶の、趣味の楽しみ方自体が妄想の世界だとも定義できてしまう。専門誌紙の役割も、より広い間口を対象にした媒体なら、かたくなにあくまでスポーツという建前において、Aが勝った、Bが負けたと記事にするお約束がある。

―― それがイイとか悪いは言いっこなし。本誌は大人向き前提のマスコミを標ぼうする以上、ケツは決まっているショーとの前提で報道するだけです。

オフレコ 旧ECWのスローガンと同じく、it’s NOT for everyoneだから。読者は好きな方を選べばいい。対象と報道の役割が違うに過ぎず、前提が違うのだから当然のこと、どっちがどうとは比べられない。あるいは、比べる尺度が違ってくる。

―― 但し、数年たったら卒業してしまうファン・サイクルが短い日本市場の問題点や、巨大化した米国の成功例から学ぶなら、食わず嫌いのまま偏見にさらされたりするのは、好ましいことではない。本来は、大人向きの媒体がもっと評価されてないと健全なジャンルに発展しません。

オフレコ 実写版『Ghost In The Shell』、予想を超えて感動作だったと大推薦しておく。

―― Motoko Kusanagi(草薙素子)役がスカーレット・ヨハンソンというのが、欧米のアニメ・ヲタクは、特に納得がいかないキャスティングだと騒がれている件は先週4月13日号に触れましたが、日本公開後の総合評価反応も、ネットを見る限りは賛否両論のようですよ。

オフレコ ネットの賛否両論とかを見るのは時間の無駄というのも、サイバーパンクの世界観(ネットの広大な海に接続ないし取り込まれた状況)による近未来SFの作品だと、なおさら注意すべき課題かも知れない。ネットは便利な反面、取捨選択と判断力が問われるから。

―― いわゆるアニメ・ヲタク組が、いろいろ声高に文句をたれるのは、実はどうでもいいと。この構造の深い掘り下げは、そのままプロレスに置き換えての議論が可能であり、だから二週連続で映画の話題を取り上げてます。

▼レッスルマニア33上下揺れライド6時間半~中邑真輔SmackDown~「プロレスと記憶」

[週刊ファイト4月16日号]レッスルマニア33上下揺れライド6時間半~中邑真輔SmackDown~「プロレスと記憶」

オフレコ ミラだったか、欧米名でヒロインが呼ばれる場面が冒頭からあったので「あれ?」とか思っていたら、アニメ版にない設定が隠されていた。ビートたけしだけでなく、桃井かおりも出演していることは知っていたが、何の役かは知らなかった。ここに感動したから。

―― 基本はアニメ版に忠実だけど、独自の話の展開もあったと。

サイボーグが「生理中」なのはアニメ映画の踏襲だ。© Paramount Pictures

オフレコ Motokoがビルの屋上から飛ぶ場面はアニメそのままだけど、その際の「生理中」の台詞はなかったなぁ。スカーレット・ヨハンソンがやるとどうなるか、楽しみにしてたんだけど・・・。「サイボーグが月で憂鬱」ってのが妙にリアリティーがあって、そのあとの派手なアクションに繋がるところは全く同じ。それくらい基本はアニメを忠実に実写化していたんでね。でも、エンディングが違った。

―― これから見る方もいますから、ネタバレはしないように。

オフレコ ヒロインがサイボーグに改造される前、仲間たちと無法地帯でコミューン生活をしていたが、そこをロボット会社の手先が襲ったという追加設定があり、英語の台詞でTheyと言ってるのに、ヒロインとボーイフレンドが逃げた(詳細は、ネタバレなので割愛)との字幕になっていて、「仲間全員が逃げたんじゃないのか?」と思ったけど、やはり意図的な字幕だったという・・・。
(注:オリジナル声優起用というから、日本発アニメの吹き替え版がどんなもんか日を変えてまた見に行くも、こちらでは「みんなで逃げた」。桃井かおりは原版が英語ながら、やはり言語は関係ないというか、桃井の口調まんまなのに、吹き替えの若い声がニュアンス台無しに。)

―― 映画もプロレスも作りごとの世界だと言われます。元の劇画やアニメ版を見ている方なら物語を事前に知っている。でも、観客の想像力を超えたプレゼンテーションに昇華した時に、感動は生まれるものです。

オフレコ 例えば、マット界世界最大のイベントは『WWEレッスルマニア』だけど、業界人というのを抜きにしても、どっちが勝つかとかのケツは事前にわかっている。でも、予想通りの試合をやっただけで、つまらなく感じるカードもあれば、驚きの発想と展開で、こりゃ凄いと評価する試合も出てくる。それと同じで、『Ghost in The Shell』実写版は、エンディングへの持って行き方にMotokoのアイデンティティを巡る仕掛けがあった。この手があったのかという納得ね。

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