浜崎朱加、1階級上の元王者に無念の1R KO負け!

“女子アトム級で世界最強の女”浜崎朱加(はまさき あやか)が衝撃の1R KO負けを喫した。

米ミズーリ州、カンザスシティーで3月25日(現地時間。日本時間26日)に行われた女子総合格闘技大会Invicta FC 22のセミ・ファイナルだ。

同大会のアトム級(48kg以下)の世界王者である浜崎は、これまで2度同級王座を完全決着で防衛してきたが、今回は1階級上のストロー級に階級を上げ、この階級の元王者であるリヴィア・ヘナータ・ソウザ(ブラジル)と対戦。

ソウザは前回(昨年5月)アンジェラ・ヒルに敗れて王座陥落したが、アンジェラ戦以外は負けなしの9勝(7サブミッション、1KO)1敗という強豪なので、ここで浜崎が勝てばInvictaストロー級王座に挑戦して2階級制覇、あるいはスーパー・メジャー大会であるUFCへの転戦も考えられるというところだった。(UFCにはアトム級がなく、女子最軽量級はストロー級。)

試合が始まるとサウスポーの浜崎は、パンチの連打を放ちながら前進するが、ソウザはバックステップでかわし、ローキックを入れる。

浜崎は間合いを詰めるが、カウンターの右パンチをもらう。

ソウザはフットワークを使い、ジャブ、ローを出し、浜崎がまたパンチを連打するとワンツーを放つ。これをバックステップで交わした浜崎は、前に出てワンツー。

ソウザが前蹴りを出すと、浜崎はバックステップ。

ソウザはロングの右ストレートから、パンチの連打。ここで、右ストレートが浜崎の顔面を捉える。

サイドステップした浜崎は逆ワンツー(サウスポーなので、右→左)。
そしてさらにワンツー。

浜崎の鼻のあたりが赤くなっている。パンチを被弾したためだろう。

ソウザは飛び込むように前に出て、ワンツー。そしてさらに右パンチを出すと、これが浜崎の顔面を捉え、浜崎はダウン!

倒れた浜崎は顔を両腕で覆うようにガードするが、ソウザは側頭部に右パウンドを2発。そしてサイドにまわって左のパウンドを10発近く連打! ここでレフェリーが試合を止めた。浜崎は失神していた。

1R 1分41秒、ソウザが元ストロー級王者の貫録を見せ、秒殺KO勝ちを飾った。

ソウザは勝者インタビューで、
「カンザスシティー、ありがとう! この街は私がInvicta王座を獲った街だし、大好きよ!」
と叫び、
「アヤカは偉大なチャンピオン。私はとてもリスペクトしている。でも、私は自分の仕事をした」
と対戦相手の浜崎を称えた。

さらに、
「前回の試合(アンジェラ・ヒル戦)には、とても腹を立てている」
と1-2のスプリット判定で王座陥落した試合への不満を述べ、
「私こそストロー級のナンバーワン! それを必ず証明する!」
と王座奪還への意欲を見せた。

浜崎をダウンさせた右パンチについて尋ねられると、
「あのパンチ、あの動きは、コーチたちと何度も何度も練習したものです」
と特訓の成果が出たことを喜び、こう続ける。

「今晩またInvictaで試合できて嬉しい。それに、偉大なカットマンのスティッチとか、素晴らしい人たちと一緒に仕事ができて嬉しい」

(この試合でカットマンを務めたスティッチ氏は、クリチコ兄弟のカットマンも務め、UFCやPRIDEでもカットマンをし、映画『ロッキー・ザ・ファイナル』にも出演したボクシング界&MMA界の名物カットマンだ。)

そして最後にポルトガル語で母国のファンに
「今日は私の日よ!」
と喜びの声を伝えた。

***

一方、敗れた浜崎は、ツイッターで、
「すみません、何もできずに負けました。 日本から応援してくれたみなさん、ありがとうございました。 また這い上がります。 鼻折れました。」
と、鼻骨を骨折したことを明かし、前述のカットマン、スティッチに手当てしてもらっている画像をアップした。


https://twitter.com/kk331ayaka/status/845883340645294082/photo/1 

また、浜崎の先輩である女子格闘界のレジェンド、藤井惠さんは、

「上の階級でチャレンジした勇気 やっぱり朱加は凄いよ カッコ良いよ」

とツィート。

これに浜崎は

「藤井さんみたいに強くなれるように頑張ります!

と返信。

さらに、

「コメント頂いたみなさん、ありがとうございます。 ゆっくり見て返信させていただきます^ ^ とりあえず鼻血が止まらなくて鼻栓してマスクしてますが、空港で顔チェックの為にマスクを外せと言われたので外した瞬間顔見て笑われました。 ホテルに帰って6時間後のフライトなんてなかなかツラい 笑」

ともコメント。

今回は残念な結果に終わったが、帰国したら、ゆっくりケガを直して、今後の再起に期待したい。

2014年大晦日の浜崎朱加(V.V Meiに勝利)

***

なお今大会のメインでは、バンタム級王者のトーニャ・エヴィンジャー(日本では「エヴィンガー」とも表記)が、ロシアのヤナ・クニツカヤに2Rチョーク・スリーパーで一本勝ちし、2度目の防衛に成功した。両者は昨年11月に対戦し、クニツカヤが1R、腕ひしぎ十字固めで一本勝ちしたが、その後判定が覆され、ノーコンテストになっていた。今回が、仕切り直しの一戦だった。

(文:稲垣 收)

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 また、日本でもお馴染みのロクサン・モダフェリは、ディアンナ・ベネットを打撃で圧倒し、判定勝利した。
▼ INVICTA FC 16
 浜崎朱加が一本勝ちで初防衛、日本で活躍したロクサンも勝利!
 Text by 稲垣 收
・三鷹の大学に留学翌日、クロスポイント入門してきたロクサン
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