[週刊ファイト2月23日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
先月下旬に急死した泉田純さん(享年51)はこの1、2年、旧・全日プロやノアで苦楽を共にした仲間たちとほとんど親交がなかった。しかし、泉田さんがオンナ詐欺師に引っ掛かってスッテンテンになり、仕事もしていないことを知らない者はいなかった。そんな苦況の中、泉田さんに同情して小額ながら金を渡そうとしたのは縁も所縁もないMさんだった。
by 井上 譲二
ノア時代の泉田さんは、後輩たちから煙たがられていた。いや、嫌われていたと言った方が正しいかもしれない。
例えば、昨年9月に引退した平柳玄藩とは試合後に平柳が泉田さんに「お疲れさま」と言った、言わなかったで掴み合いのケンカになった。先輩や年上の者に対し非常に礼儀正しい泉田さんにしてみればガマンできなかったのだろう。
いずれにしても、そんなこともあってここ数年の泉田さんは、かつての仲間とほとんど連絡を取り合っていなかった。
たまに話すのは数カ月に1度くらいのペースで電話が掛ってくる秋山準と、泉田さんが少し関わっていた超どインディーの『ファイト・オブ・ザ・リング』の会場で顔を合わせる百田光雄だけだった。
だが、大半の選手たちは泉田さんが詐欺被害に遭って無一文になったことはもちろん、その後の交通事故の後遺症により試合ができなくなったことを知っていた。
普通なら2人や3人から激励の電話やメールが来るはずだが、それも一切なく生前の泉田さんは寂しい思いをしていた。
そんな中、・・・