PRIDE“復活”が招く業界崩壊~やれんのか!開催 7つの大罪~

【I編集長・井上義啓氏追悼キャンペーン】I編集長・井上義啓氏は、“井上小説”でさえ背景を理解した上で書かれていた。部下が背景を履き違えた記事を書いたら、取り上げて自ら書き直していた。煽り記事しか記せないマスコミの惨状を、天国の井上氏はどうみている? 
 シュート活字が宣戦布告!衝撃の長編問題作がわずか315円。

『やれんのか!』イベントの謎を解く7つの鍵を徹底検証。
十字架を背負い見切り発車☆空手形『やれんのか!』の開催発表

悪魔が来たりて7つの地獄が蠢く警鐘の鍵がこじ開けられる。その先は見てはいけない世界だったのか?

大罪KeyRing 『やれんのか!』にビックリした!!
・公表されなかった10社のスポンサー

大罪KeyRing 青木真也と悩む「DSEを殺したのは誰だ?」
・PRIDEがメジャー格闘技と信じるからこそ!

大罪KeyRing マッハ桜井と粉々にされたPRIDE
・アントニオ猪木の知名度と守護神IGF

大罪KeyRing TBS『Dynamite!!』二元中継 Can You Do It?

大罪KeyRing 背景知らず煽るだけのマスコミ

 

 実現度が五分五分だったものが、なんとか開催発表にこぎつけられた。さて、「格闘技大みそか興行の情報はガセネタである!」とのミルホンネットのお知らせは、果たして間違っていたのだろうか。
 「業界のご意見番」とヨシクラ・デザインが「認定」する格闘技サイトGBR編集長の熊久保英幸が、ちゃんと大晦日イベントがあったではないかと「格闘日記」ブログに苦言を呈してきた。しかし、10月30日発売の拙著『PRIDE消滅』での記載は、「いくつかプロモーションが旗揚げしても驚かないが、年内は吉田秀彦を使うメジャーイベントはない」というもの。その根拠は大晦日の参戦は法的にUFCにブロックされていることだ。少なくともレポートを読んでから批判するという、最低のルールは守って欲しかった。
 また、専門誌、実話誌ともにDSEナンバー2だった加藤浩之の存在がクローズアップされるに至ったが、これもUFC本社の声明文に実質名指しされるに至り、動きがあった際には訴訟案件となることを『骨抜きにされたPRIDEとマット界スキャンダル』(6月8日刊)において指摘した。榊原信行は向こう7年間は格闘技ビジネスに関与することができないという。
 スポーツ紙の見出しを眺める程度の大衆ファン層にとっては、飛ばし記事を鵜呑みにしがちだ。吉田秀彦が恒例の「VIVA柔道教室」における発言をあえて曲解した商業記事を目にして、『やれんのか!大晦日』の参戦が決定したと早とちりした向きも多い。一般人にとって判断材料のなさを思えば、有料電子書籍の読者諸氏には正しい指標を明示できているとの自負もある。
 ブログの問い合わせ先が明記されていたことに加え、「ルタリブレ」サイトから継続年数に長け、総合ウォッチャーとして信頼に足ると目されるゆんたさんに、「購入してからタダシ☆タナカの名前を出して欲しい」と、メールを出してみた。
 その返事が「PRIDEの消滅☆お試し版」の提案だった。やりとりの際に、「今週中に大みそかイベントに関しては白黒がつくんだから」と釘を刺されていたが、こちらは短くアイデアの採用と感謝を返答したのみ。「大物日本人参戦なしの“PRIDE復活”に値しないイベントは例外」などの説明は添えなかった。なぜなら、ゆんたさん自身が「一部専門誌の書き方、煽り方ゆえに、開催してもインディー格闘技興行だったらファンは誰も納得しないと思う」と、同じ思いをしたためてあったからだ。
 「最強のロシア皇帝」エメリヤーエンコ・ヒョードルが参戦するとなれば、これはもう脱帽だ。”大みそか興行はガセネタ”は確かに間違っていた。喜んで「参りました」である。ただし、ヒョードル参戦は公式サイトの執筆者となる熊久保英幸でも知らなかったこと。私は完全中立の格闘技ジャーナリストなので、榊原代表の「絶対に身売りしません」インタビューを機関誌の目玉に据えたり、スポーツ紙のように「MMAスーパーボウル」の実現を煽ったりはしない。間違いがあれば認め、訂正するだけだ。
 ただ各マスコミは「ありもしないことを言い続けていた」わけではない。しかし、何度か会見のウワサまで流れたのに、実現しなかったイベントなどいくらでもある。実際は、ごく少数の主催者をのぞいて、マスコミもファンもそれほど変わらない状況にいた。
 これは「ある」、「ない」の二元論ではない。もともと実現度が五分五分のイベントであり、TBS『Dynamite!!』での二元中継という営業トークの前提が見切り発車だと知っていれば、「世界最高の舞台」を想起させるような大みそかイベントは、「ありえない」と答えるのがまっとうなジャーナリストである。実際TBSは「遅すぎる報告」に困惑、中止になったと判断した関係者のほうが普通なのだ。
 あるいは、最後の悪あがきを続ける業界誌紙の仕掛けに乗った「最強を決める最高峰の戦い」という売り文句自体誇大広告であろう。
 フジテレビで放映中止となり、ブランド崩壊したPRIDEである。業界メディアの部数減は著しい。雑誌の顔である表紙から「PRIDE復活」や「PRIDE対HERO’S」を謳って積極的に広告塔となり、記名なしの座談会でページを埋めて、関係者のご機嫌をうかがいながら情報を拾い、必死で煽るしかないと割り切っている。そんな背景を頭に入れてファンは読まなければならないのだ。
 イベントの土台は空手形のまま。検証してきた経緯でTBS二元中継案が幻と終われば、ヒョードルは単に商売になるメインイベント第一候補のチェ・ホンマンを失うだけでなく、「2億円男」参戦の軍資金調達の前提が、一挙に白紙に戻ることに気づいて欲しい。
 『やれんのか!』が豪華絢爛な感動の祭典になったのなら私は潔く謝罪もしよう。しかし真に恥ずべきことは間違いを認めることではなく、その人間の記事も読まず他者を批判する態度である。

大罪KeyRing I編集長が泣いてる

大罪KeyRing 最後の運命☆モンテ・コックスと内田統子

Bonus Truck 戦極-SENGOKU-代々木大会が結団

2007年11月30日刊
Chapter concept inspired by the music of Helloween
ハロウィン20周年☆『守護神遺産巡礼-新章-』、『悪魔との賭け』発売中
Dedicated to the memory of Yoshihiro Inoue (1934-2006)

ご参考カクトウログ書評

抜粋
 KYORAKU提供『ハッスル祭り』が同所で昼間の開催。昼夜二部制にすれば(実質はバーター取引で無料との噂)確かに会場は確保される。しかしそれだけでゴーサインを出すのは無謀なギャンブル以外の何物でもない。”聖地”さいたまスーパーアリーナでの興行であるならば、会場規模からも「全試合メイン級のカード」とブチ上げてもおかしくはない。ところが、カードのキャンセルや不履行など、後述する7つの懸念により、PRIDEへのオマージュが開催主旨と謳う『やれんのか!』大会は一転、スキャンダルの火薬庫となりかねない。
 マット界全体がダメージを被りかねないリスクが内在している故、その緊急検証が本書のテーマだ。神戸ウィングスタジアムの再現だけは避けねばならいからである。

抜粋
 メディアに目を通すと「スポンサー10社が同席」と読めるが事実ではない。高田統括本部長の復活というサプライズを除けば、映像スタッフや照明ディレクター、警備や映像機器レンタル会社からの代表らがひな壇に”出演”、制作担当者と裏方を公表したに過ぎない。そして彼らはイベントの中身を知らされていないのだ。

PRIDE“復活”が招く業界崩壊~やれんのか!開催 7つの大罪~

商品コード tanakatada016

価格 315 円

ウィッシュリストに追加する »