アメ・プロの逆襲 格闘技の席巻 喪失の十年『マット界の黙示録』

NWO(新世界秩序)は構築されたのか?…シュート活字が90年代日米逆転劇の舞台裏を暴露
【ダブルクロス・カミングアウト】いまや格闘技に人気の点で大きく差をつけられたプロレスは、今後どのような方向に進んでいくべきなのか?
通称アメプロの存在は、格闘技の台頭以外では日本のプロレスを脅かしている最大の要因だ。アメプロの本質は専門誌紙の編集方針もあって、多くのプロレスファンには長く誤解され、ファンの好き嫌いが極端に分かれるという傾向にあった。

■閃光烈火…プロレス市民権の確立
マット界の90年代とは、まさに20世紀の生誕とともに産声をあげたプロレス芸術がビジネスとして完成をみた十年区切りと言える。どこかいかがわしい「アンダーワールド」のイメージがつきまとっていたプロレス興行であったが、WWFがウォール街から総資産でビリオン・ダラー企業(1200億円)だと正式に認定された株式公開の意義は何度強調しても足りない。プロレス団体がエンタテインメント産業として、事実上の市民権を得たことの証左となった。以降は経済紙誌が、たとえばディズニー社との企業比較で現WWEの調査リポートを出すようになる。アントニオ猪木の個人商店でしかなかった新日本プロレスとは、企業価値が数十倍の格差になった。プロレス八百長論に対して、UFCなど真剣勝負のプロ興行の出現に開き直り、オキテ破りのエンタテインメント宣言をしたことがその成功の糸口であったのは興味深いところだ。やはり、夢を売るハリウッド王国のアメリカなのである。

◆作られたプロレスのリング上での「異種格闘技戦」だったのが、格闘技との境界線を突き破り、エースが負けてしまうリスクが高いガチンコ大会が興行として継続的に成立していったのが日本である。東京ドームの大観衆を前に殉教者となった元Uインターの田延彦は、「最強プロレスラー」幻想というファンの大罪を背負ってPRIDEというゴルゴダの丘に向かった。また、石井和義正道会館館長がプロデュースするK-1は、アントニオ猪木の見果てぬ夢だった「世界統一」をキックボクシング興行で実現している。

☆95年北米で「月曜生TV戦争」開戦!
☆96年「リングス5周年記念大会」有明コロシアム
☆「パンクラスTRUTHツアー」NKホールの真実
☆「この11名が新生全女のメンバー。私たちは全女を潰しません!」
☆97年「高田延彦対ヒクソン・グレイシー」でプライド開催
☆宿命の兵士ヒットマンWWF「サバイバー・シリーズ」
☆ダブルクロス、カミングアウト、98年アメプロ黄金時代
☆世紀末回顧とファイト・エンタテインメント芸術総括
☆UWFメインイベントがUFCで実現「ルッテン対高阪剛」
☆リングス「RISE1,2」全シュート大会

【実技班コラム】アメプロ繁栄と日本式経営最強論崩壊の90年代

アメ・プロの逆襲 格闘技の席巻 喪失の十年『マット界の黙示録』

商品コード tanakatada007

価格 315 円

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