今週の「マット界舞台裏」は、隅田川決戦を再検証し、より楽しむための材料が満載!

110908hyoushi.jpg 今週の『マット界舞台裏』の井上譲二記者担当ページは、いわば8・27隅田川決戦特集になっている。
 まずアントニオ猪木の目論み通り、新日本プロレス、全日本プロレス、プロレスリング・ノアのメジャー3団体が協力し、東京スポーツが主催となった開催された『ALL TOGETHER』と同じ日に、IGFの『INOKI GENOME~Super Star Festival2011~』をぶつけた。
 IGFは一時期のグダグダ、ダメダメから脱し、事実上活動休止状態のK-1から選手を引き抜き、いつまで経ってもパッとしない小川直也に代わる日本人エースに鈴川真一を起用した辺りから、猪木お得意の異種格闘技路線が話題になってきている。
 プロレスなのか? ガチンコなのか? IGFの試合を見たファンは仲間内で自分の見解を述べたくなる。しかも猪木劇場と呼ばれる猪木らしいパンチの効いたパフォーマンスの面白さも手伝って、IGFは久しぶりに「語れる団体」とまで言われているくらいだ。
 そういう上り調子なときに仕掛けたビッグマッチだけに、IGF側は『ALL TOGETHER』側を一気に引き離そうと、地上波でのテレビ中継がつくよう模索していたようだが、予想外の原因によりそれは実現しなかった。猪木を筆頭に、ジェロム・レ・バンナやピーター・アーツといったお茶の間への知名度がある選手を大量に起用したというのに、一体原因はなんなのか?
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 また、大会前は「ALL TOGETHERはシングルマッチが1つもない。これじゃ単に3団体の選手をズラリと並べただけ。試合の面白さではIGFのほうが上なんじゃないかな」と言われていたが、フタを開けてみると『ALL TOGETHER』は久しぶりに日本武道館に文句なしに超満員札止めとなる観客を動員した上、試合内容も概ね好評だった。
 では、一体『ALL TOGETHER』のどこが良くて、IGF『INOKI GENOME』のどこが悪かったのか。そのことを興行のプロである元新日本プロレス営業マンのA氏が分析している。
 試合内容や試合後の選手のインタビューなんかは、他誌や他のネットメディアでも見ることが出来るが、今回のようなプロレス界あげての一大ビッグイベントは“分析”や“検証”こそが最大の楽しみであり、今後のプロレス界にとって大事になるのだ。
 別冊ミルホンネットとして発売された『8.27両国IGFx武道館All Together隅田川決戦究極聖典「プロレス最高」』と併せて、今週の『マット界舞台裏』を読み込んでいただければ、プロレス界の今、そして未来が見えてくるはずだ。
 通り一辺倒な専門誌やスポーツ紙の報道だけでなく、こういう角度からの記事にも目を通してこそ、よりプロレスを楽しむことになる。それこそALL TOGETHER(すべて合わせて)楽しんでほしい。
週刊マット界舞台裏'11年9月09日号 興行戦争闇 DEEP55 素手格闘技