今週の「マット界舞台裏」は、ハンセンのラリアットとハンセン以外のレスラーが使うラリアットの違いに迫る!

11.02.10BUTAIURA.jpg 大相撲の八百長問題が世間を騒がせているが、プロレスファンにしてみれば「何をいまさら」という感じだろう。プロレスははるか昔から八百長、八百長と言われてきた。
 公益法人の大相撲協会と興行会社が行っているプロレスという違いはあるが、ああいうものを八百長うんぬん言うのは野暮ってものだ。ケガだってするし、稽古してなくちゃあの迫力は出せない。
 相撲だってプロレスだって、素人に真似事くらいは出来るが、プロのそれとはまったく別物ということは誰にでも分かるだろう。
 プロレス技で言えば、ザ・デストロイヤーの足4の字固め、アントニオ猪木のコブラツイストは、かつて子供から大人まで自分で友人らを相手に試してみるほどポピュラーな技だった。
 現代でも足4の字固めやコブラツイストを使うレスラーは多い。だが、プロと素人がやる技に違いがあるように、その技の第一人者と後から真似して使い出したレスラーとでは、やはり見栄えも迫力も違う。
 それが一番分かりやすいのがスタン・ハンセンのウエスタン・ラリアットだろう。
 いまではラリアットを1度も使ったことがないレスラーのほうが少ないと思えるほど流行っている。また素人のプロレスファンどころか、もはや最近ではひったくり強盗にもこの技が使われた!
 この事件は某スポーツ紙で『ラリアット強盗 自転車女性に一撃』の大見出しが付けられた上に、ハンセンの試合写真まで掲載されて大きく報じられたほど。
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 しかし、全盛期のハンセンを知る井上譲二記者は「本当のラリアットの使い手は1人もいない」と嘆いている。ハンセンのラリアットを何度も受けて、その体で覚えたという長州力のリキラリアットや、ハンセンから直接指導を受けて剛腕を継承した小島聡のラリアットとも差があるのか?
 さらに、そのブ厚い体から放たれる中西学やストロングマンのラリアットも、ハンセンのラリアットに敵わないのか?
 このほかにも、奇しくも大相撲の春場所の中止決定を受け、NHKは春場所の生中継が予定されていた時間帯に、生活情報番組などを放送することを発表したばかりだが、そのNHKが団体や選手の協力を得てプロレスの内幕を暴いた番組を制作したらマット界はどうなるだろうか、という記事が今週号に収録されている。
 恐らくほとんどのプロレスファンはそんな放送があったことすら知らないと思うが、実はそんな番組が昨年末に放送されていたのだ。さらに先月末にはアンコール放送までされていた。
 偶然その番組を見てしまったという井上記者だが、何とちょっとヤバイなと思うシーンもあったという。一体天下のNHKが放送したというプロレスの内幕を暴くような番組とは、どういった番組だったのか?
週刊マット界舞台裏'11年2月10日号