今週の「マット界舞台裏」は、ベテラン記者らしく馬場さんをウンザリさせた全日プロ常連外国人という秘蔵ネタを公開!

11.02.03BUTAIURA.jpg 最近、試合会場に行って記者席を覗いてみると、パソコンをカタカタ操作している若い記者が多いが、彼らと井上譲二記者のようなベテラン記者には大きな違いがある。
 確かに若い記者はパソコンも操作出来るし、最近のエンターテインメント性の高いプロレスにも付いていけるようだが、ベテラン記者には圧倒的な知識と経験がある。
 例えば毎年1月は新日本プロレスの契約更改の時期だ。数年前だったら契約で揉めて、新日プロを飛び出す選手も何人かいたので、その辺の裏事情を取材することもあったが、この不況のご時世、新日プロよりもいい条件の団体なんてそうあるものじゃないし、飛び出す勇気のある選手もいなくなった。
 では、もうプロレス界で契約について記事は書けないのかというと、そんなことはない。
 井上記者くらいのベテランになれば、持っている引き出しの中からプロレスに契約に関する秘蔵ネタを探してきて、記事にすることも可能だ。
 その典型が今週号の巻頭を飾った記事だ。

 プロレスはプロ野球やJリーグなどと違い、成績だけを見て契約更改をするわけではないが、一流レスラーともなれば自分の“商品価値”を考えて、勝ち負けにこだわるのは当然。とくに日本の団体と契約し、参戦する常連外国人レスラーともなれば、いくら勝手知ったるプロモーターが相手でも妥協は許さない。
 プロレスファンの間では都市伝説的に「○○ってガイジンはジャイアント馬場さんに歯向かったから、その後二度と全日プロに呼ばれることはなかった」みたいな話が語り継がれている。確か馬場さんは選手としても、プロモーターとしても実力と実績を兼ね備えていた人だ。
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 だからこそ馬場さんを信頼して全日プロに参戦していた大物外国人レスラーも多いが、何とあまりに勝ち負けにこだわるあまり、全日プロのドンである馬場さんに思い通りのマッチメークをさせず、馬場さんをウンザリさせていた常連外国人レスラーがいたというのは、なかなか興味深い話だろう。
 しかも記事では2人の常連外国人レスラーの実名が明かされているのだが、そのうち1人は近々ある団体に参戦し、大物日本人レスラーとの対戦が決定している。果たして超ベテランとなったいまでもこのレスラーは勝敗にこだわっているのか? 井上記者はその辺の事情に詳しい関係者にちゃんと話を聞いている。

 いま話題になっていることで、読者の興味をそそりそうなネタがあったとする。記者なら取材をして、そこから記事にするのは当たり前。そんなことは最近の若い記者にだって出来る。だが、ベテラン記者っていうのは昔仕入れた取って置きのネタもたくさん持っているので、そこから使えそうなネタを引っ張り出してやることで、厚みを増した読み応えのある記事を構成出来るのだ。
 今週の『マット界舞台裏』は巻頭記事だけでなく、3本とも比較的そういった感じで構成された記事が並んだので、ぜひその目で確認してほしい。
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週刊マット界舞台裏’11年2月03日号
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1・24『スーパーファイト2011』の舞台裏や、UFC日本侵攻記者会見も収録されています!