プロレスにおいて「語れる試合」というのがある。
事件性だったり、謎だったり、試合を見たファンにとってなにか引っかかる部分があった試合は、「あそこはああだったんじゃないか?」「あの場面は予定と違ったはずだ!」ということをプロレスファン同士で語り合う・・・プロレスファンにはそういう楽しみ方をしている人も多い。
長いプロレスの歴史でそういった「語れる試合」というのはいくつもあるが、長年に渡って語り継がれ、その度にいろいろな説が浮上し、いまだに真相がハッキリしないという点で、1987年4月29日に行われた前田日明VSアンドレ・ザ・ジャイアントの一戦は「語れる試合」の筆頭と言っていいだろう。
そもそも地上波(当時はゴールデンタイム)で放送される予定だったこの試合だが、そのあまりに不可解な試合内容に地上波放送が見送りになり、試合映像はお蔵入り!
ところがどこからか試合映像が流出し、マニアの間で“裏ビデオ”として出回るという異例の事態になっていたが、近年ファン待望のオフィシャルDVD化されたことで再び話題になった。
そして『週刊プロレス』が11月10日号の中で、“伝説のレスラー”前田日明を大特集した際、このアンドレ戦について改めて振り返っている。ところが、このインタビュー記事を読んだ井上譲二記者は、前田がアンドレ戦に関して大きな思い違いをしていると気がついた!
そもそもこの試合はアンドレが、突如前田にシュートな攻撃を仕掛けてきたため、身の危険を感じた前田がリングサイドにいた新日関係者に「いいんですか?」と確認した上で、アンドレのヒザを正面から蹴ったりすることで自己防衛。するとアンドレは自ら大の字になって戦意喪失をアピールし、結局ノーコンテストに終わった。
そのため、アントニオ猪木が裏から手を回して前田を潰そうとした説や、アンドレが自主的に前田にセメントマッチを仕掛けた説、そもそも新日プロがUWFを潰すために前田潰しを画策した説など、様々なウワサが流れた。
だが、前田は週プロのインタビューの中で、これまで色々とウワサになった説と違い、「あれを指示したのは○○○○しかいないと思っている!」という新たな説を唱えたのだ!
だが、1987年当時『週刊ファイト』の記者としてバリバリ新日本プロレスを取材していた井上記者としては、その前田が唱えた説はまったくの思い違いだと断言! 井上記者は「○○氏の名誉のためにも証言しておきたい」と今週の巻頭記事を執筆した。
井上記者はマスコミらしく当人からのコメントや、当時の新日プロが置かれていた状況などもよく分かっており、読んでいただければ分かるが説得力は十分!
ぜひ試合映像やインタビュー記事、著作などに加えて、今週の『マット界舞台裏』も読んでから、この「語れる試合」をさらに語り合ってほしい!
週刊マット界舞台裏11月04日号~DEEP50、タイガー・ジェット・シン公立校開校
The Fight Networkの報道より
Windows Media Playerで再生できるグラフ集ドキュメント
“Stay in School, stay Tiger Fit, and say No to Drugs.”右が校長のRick Nodwell先生