今週の「マット界舞台裏」は、復帰をしても不安だらけという武藤の苦しい胸の内に迫る!

10.09.02BUTAIURA.jpg 蝶野正洋、小橋建太、田上明、川田利明といった90年代の日本マットの繁栄に貢献した大物レスラーたちが、次々にリングから離れていく中、長年爆弾となっていたヒザを手術し長期欠場していた武藤敬司が、グレート・ムタとして8・29両国国技館で復帰した。
 武藤ファンというよりも、武藤という大スターの不在で観客動員で苦戦を強いられ、興行不振に苦しんでいた全日本プロレスにとって待望の復帰となったわけだが、残念ながら「もうひと安心」とはいかず、まだまだ不安は拭えない。
 なにせ武藤にとってはどんなに手術をしても、もうキチンと曲げることも普通に走行することすらできないヒザだけに、もう1度痛めてしまったら今度こそ現役引退という危険があるためだ。
 それは9月のシリーズから「当面は後楽園大会などへの限定出場」という苦肉の措置にも表れている。さらに復帰戦となった8・29両国国技館は、武藤敬司としてではなくヒザのことを考えて、ゆっくりとした動きでも問題のないグレート・ムタで行った。
 パフォーマンスとして杖をついて足を引きずりながら入場したムタだが、いきなりその杖を凶器にしてKENSO(鈴木健想)に襲いかかり、試合でもシャイニング・ウィザードやムーンサルトプレスといった得意技を惜しげもなく出していって、完全復活したことを存分にアピール。
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 ただし結果は売り出し中のKENSOを勝たせてしまったため、ファンからするとなんとも消化不良の試合となってしまった。その辺のことも含めてなんとも見切り発車と言える武藤の復帰だが、果たして武藤の苦しい胸の内は?
 そのへんのことを武藤に直接尋ねてもなかなか本音は吐露しないだろうが、井上譲二記者は全日プロの元フロント幹部に取材し、“誰にも打ち明けられない”武藤の苦悩の中身を覗き見ることができた。
 ヒザの再爆発を懸念しながら、試合出場を絞ってはみたものの、いざ試合をすればヒザに心配がないことをファンにアピールしなければいけない・・・武藤の苦悩の中身はファンが想像する以上に壮絶だった! 武藤ファンは覚悟して読んでほしい・・・
週刊マット界舞台裏'10年09月02日号