アントニオ猪木がプロレスデビュー50周年を迎えたのを記念して開催するトークイベントがスタートした。初日となった19日の中野サンプラザには、平日にも関わらず2000人もの観客が訪れ、プロレス誌やスポーツ新聞の記者以外にも、テレビ局のカメラとレポーターも取材に来ていたという。
相変わらず猪木の人気と需要は非常に高い。
ヘタな芸能人なんかより、よっぽど話題を振りまくのがうまいし、人を集めてしまう。
そんな猪木も今月の20日で67歳になった。すでにプロレスラーの現役を引退して10年以上が経っており、自宅も日本ではなく、海外に構えているというのに、「あの人はいま?」になっていないというのは驚異的である。
ハッキリ言って、いまでも日本のプロレス界には、猪木以上の知名度を誇るレスラーはいないだろう。
今年は前記した通り、プロレスデビュー50周年の記念イヤーということもあり、より一層猪木の露出は増えるだろう。すでに本日(22日)はJCBホールでIGFの大会があり、それが終われば3月にはWWE殿堂入りの式典に出席する。主演した映画も公開が決定した。
なぜ、こうも猪木は人気を維持できるのか?
30数年にわたって猪木の動向を注視してきた『週刊ファイト』元編集長・井上譲二記者は人気維持の秘訣について「ずっと人前で“芝居”を続けてきた賜物」と分析した。
猪木は天才的な才能で“表の顔”と“裏の顔”を使い分けているようなのだが、詳しくは今週の『マット界舞台裏』をご覧いただくとしよう。ダジャレを言ったり、ビンタをしたり、元気にダーと拳を突き上げたりしているのは、あくまでも“表の顔”なのだ・・・
今週の『マット界舞台裏』では猪木とは反対に、危うくマット界から消え去りそうになっているところを、土俵際いっぱいで耐え、そこから復活することを高らかに宣言した坂田亘についても取り上げている。
坂田は今月12日、債権者によって差し押さえられたはずのハッスル道場にて記者会見を開き、『ハッスル』の復活を宣言したが、同団体には多額の未払い金があるなど問題山積み。また、元メンバーの半数くらいそろえない限り、それは『ハッスル』とは言えまい。
それだけに坂田がどうやって『ハッスル』を復活させるのか、首を傾げるファンや関係者は多い。
坂田のかつての師匠である前田日明は、1人でリングスを旗揚げしたことがあった。あの時はクリス・ドールマン率いるオランダ格闘技軍団や、K-1を立ち上げる前の正道会館、さらに衛星放送のWOWOWが前田に協力した。そして多くのファンが前田を支持したこともあって、リングスは軌道に乗ることが出来た。
果たしていまの坂田、さらに問題だらけの『ハッスル』に協力してくれるところはあるのか?
井上記者の取材によると、現時点で協力者が1人はいることが分かっている。その協力者と、『ハッスル』代表であるあの人物との“友情物語”が今回の『ハッスル』復活の裏側にあることは間違いない!
しかし『ハッスル』を本当に復活させるのなら、もっと多くの協力者やファンの支持が必要になるだろう。坂田にそういったものを引き寄せる力や魅力があればいいのだが、いまのままだと所詮「小池の旦那」止まり。坂田にはぜひ今週号を読んでもらって、猪木の人気の秘訣を参考にしてほしい。
週刊マット界舞台裏'10年2月25日号