噂は本当だった!ロレンゾ・ファティータがズッファ社の10%株式をアラブに売却

 一部のメディアに、「最近ロレンゾ・ファティータが足げにアラブ首長国連邦参りをしているのは、株式売却意外に考えられない」との観測記事が出ていたが、噂は本当だった。ダナ・ホワイトは、この件を聞かれても笑い飛ばすだけだったのだが…。
 AP通信の取材に対し、ロレンゾ・ファティータはあっさりと、アラブ首長国連邦にあるFlash Entertainmentに究極格闘技UFCと姉妹会社WECの運営会社であるズッファ社の株式10%を売却したことを認めている。ただし、価格に関しては公表されていない。
 ファティータ兄弟の本業はラスベガスのカジノ運営であったが、プライベート化したこちらの会社のほうは不況の煽りをモロに喰らって破産。直接的にUFCとは関係ないとはいえ、無関係な訳がないとはささやかれてきたものだが、ついにMMA帝国の一角が崩れたことになろう。
 また、USA Todayのニュースによると、Flash Entertainmentは政府機関の子会社とのこと。当初はシークの一員であるタヌーン・ビン・ザイド・アル・ナヤンという個人が買ったとも伝えられたが、その後の取材では政府自体が買収に介入したことになろう。
 UFCは4月にアブダビでの大会開催を目論んでおり、「レジェンド対決」としてマット・ヒューズ対、UFCには初登場となるヘンゾ・グレイシー戦を予定している。
 ズッファ社は現在4億5千万ドルもの借財があり、内2千500万ドルが2012年に返済日を迎え、残り4億2千500万ドルが2015年の返済となっている。もっとも、ズッファ社は2009年のPPV収入は3億ドルを超えると予想しているから、彼らの言い分では「弊社に現金注入の必要性はまったくない」という強弁になってしまう。
 ただし、Flash社は「中国、韓国、インドに顔が利く」らしいので、それが提携の理由とのことだ。PRIDEを見殺しにしても、もっとバックがややこしい韓国市場重視だと全国紙に抜けぬけとコメントするのだから、「ロレンゾ、お前は男だ!」との皮肉を抱いた者は少なくないと思われる。
 今後、カジノ親会社と総合格闘技運営会社との不透明な資金の流れが解明されるかもであろう。
 
 余談ながら、アブダビ政府が唯一の株主であるFlash社はジョージ・マイケル&アリシア・キーズのコンサートや、国際テニス・トーナメントの開催で知られ、クラシック音楽や映画公開も手掛ける幅広いエンタメ複合企業。今回の財務アドバイスにはThe Raine Groupが付いた。一方のズッファ社は、ゴールドマン・サックス社を参謀にしている。公表されていないとは言え、巨額の取引であったことがわかる。
 また、一部では早くも「ダナ・ホワイトが引退を口にした」ことが話題になっている。彼はあくまで「UFCはブランドであって、私がいなくてもそれを引き継ぐ者が指揮するだけ」と述べたに過ぎないが、時期が時期だけに憶測を呼んでも不思議ではない。
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