1・4東京ドームは満杯とならず!棚橋弘至が潮崎豪に圧勝

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 エース対決は意外とあっさり棚橋のリードに潮崎が従う展開に。ノア陣営としては、チョップとラリアット、ムーンソルトといった小橋建太のコピー技で団体カラーの見せ場は作るものの、本家ほどのパワーはなく、倒すまでにはいかなかった、という筋書きで良かったのかどうかは疑問も残るが・・・。
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 19分04秒まで引っ張ったことで方舟側に配慮したのであろうが、最後はハイフライフロー連発で極まるフィニッシュを思えば、MVP男を勝たせるために、わざわざGHCのベルトを潮崎から杉浦に落とさせてアウェイのリングに向かわすしか策のなかったノアの台所事情が見え隠れしてしまう。
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 杉浦貴vs.後藤洋央紀のGHCヘビー級選手権は、試合前の両者のコメントを聞けば、大人のファンならどちらが勝つのかわかってしまうのではなかろうか。いくら後藤が「勝ったらベルト持ってノアのシリーズに出る」と言っても、余計に三連敗目になるのがミエミエになってしまう始末だ。
 GHCの現役王者の完勝。インサイドワーク、テクニック、パワーなど、まだ後藤には敵わなかった。杉浦は大きいほうではないのだが、後藤よりも力強く見えたのは、キャリアの業か。コーナーポストに頭を打ち付ける位置からの杉浦の投げっぱなしが放たれ、後藤がうずくまると同時に「15分経過」のアナウンスが聞こえる。ああ、なんだ。すべてのスポット進行が時間に合わせ順調かつ順番通りということだ。こんなのが果たして「潰し合いを見せる」ストロングスタイルなのだろうか? 現代のハイスポット・プロレスは完璧主義のほうが評価は高いからなぁ…。
 昭和プロレスは遠くになりけり(ブツブツ)。
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 なかなかの好勝負ではあったのだが、集中力に欠ける観客が多かった。歩き回っている客がやたらといたのは、タダ券だからなのか。大人の客だけでなく、一見さんもまた、ベルト持っている王者の方が防衛するのだというのを直感的に見抜いてしまった嫌いは残る。
 ”後藤君”が三連敗したらえらいことになるという切羽詰まった団体対抗戦の緊張感はまるでなく、どうせ1月末の契約更改では、むしろ後藤選手がギャラアップ組なのだと誰もが本能的に知っているというのも困ったことだと思う。
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 第10試合となるメインを務めたのはIWGP王者の中邑真輔が高山善廣を迎え撃つカード。この組み合わせに至るまでの経緯は『マット界舞台裏』を読んでいただくとして、6年前の因縁との違いをズバリ指摘するなら、いつも以上に高山の体だぶつきが目立つこと。
 残念ながら動きにキレがない。ヒザ蹴りやチョップなど重くはあるのだが、見栄えが悪いし、タイミングがやや遅すぎ。豪快さにも欠けていた。あと3年もしたら、晩年のアンドレみたいになるのでは。それでもヒザ蹴りの応酬をモチーフとした中邑がうまく宿敵の良さを引き出してスポットにつき合い、合格点の内容にはなった。
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 エプロンにいる中邑をフルネルソンにしてリング内に投げ捨てるスポット(写真右)にはドームがどよめいていた。フィニッシュは15分51秒、中邑のボマイェ3連発となっている。
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ブッチャーとテリーの「昭和プロレス」見納めカード、 週刊マット界舞台裏’09年12月24日号の「断言」通りの結果となった丸藤正道vs.タイガーマスク戦他、観客動員の実数など表のメディアが触れることを許されていない舞台裏を含めた全容の詳細は『マット界舞台裏1月14日号』にて徹底検証いたします。