今週の「マット界舞台裏」は三沢追悼興行のカードで浮き彫りになった田上社長の勘違いに迫る!

09.09.17BUTAIURA.jpg 偉大なるレスラー、三沢光晴さんが亡くなって3カ月が経った。いまでも信じられないファンも多いと思うが、時計の針は着実に進んでいる。
 三沢さんが社長を務めていたプロレスリング・ノアは新人事が発表され、三沢さん最後の対戦相手である齋藤彰俊は、三沢さんが最後に食らった技であるバックドロップを試合で解禁した。
 そしてノア主催による『三沢光晴追悼興行』が、9月27日に日本武道館で、10月3日には大阪府立体育館で開催されることが決まった。
 この大会には三沢さんと縁の深かったり、ライバルとして競い合ってきた日本人大物レスラーが他団体からも多数参戦することが決定! 武藤敬司、鈴木みのる、天龍源一郎が9・27日本武道館に、蝶野正洋、川田利明が10・3大阪府立体育館に参戦することが発表され、大いにファンを喜ばせた。
 長きに渡ってオールスター戦が開催されることがなかった日本プロレス界だが、皮肉なことに三沢さん追悼興行でオールスター級の大会が実現することになった。
 まだ全カードは発表になっていないが、上記の他団体からの出場選手や一部対戦カードが発表されると、プロレスファンの間で大きな反響になり、チケットは飛ぶように売れているという。
 社長就任直後からオールスタークラスでの追悼興行開催を臭わせてきた田上明新社長が公約を守った格好。新人事発足3カ月目にして、ノア首脳陣が早くもファンの期待に応えたようにも思える。
 だが、一歩引いて見てみると、各団体の看板を懸けた勝敗の読めない熱い試合というよりは、「みんなで三沢さんを送る」「これだけのメンバーが集まったことに意義がある」という雰囲気を感じさせるタッグマッチのオンパレード。
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 この追悼興行は三沢さんを送るのはもちろんだが、三沢さんが天国で安心できるように、「プロレスはこれだけ盛り上がっているのだから大丈夫」とアピールできるような大会でなければいけないはずだ。チケットも売れているので、このカードでも十分盛り上がるとは思えるが、カードを見て冷めてしまったファンがいるのもまた事実。
 だからこそ他のマスコミでは及び腰になるようなこの場面でも、敢えて元『週刊ファイト』編集長の井上譲二記者は苦言を呈さずにはいられなかった!
 正直、発表されたカードを見ていると、カード編成における田上新社長の“勘違い”が浮き彫りになった部分もある!? なぜ田上社長をはじめとするノア首脳陣は、このカードを組んだのか? その背景にもズバリ斬り込んでいく!
週刊マット界舞台裏’09年9月17日号