別冊ミルホンネット『7・27世代闘争勃発 8・28デスマッチ総選挙 若作り★井上勝正引退』発売

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わが友・井上勝正の廃業に思うことより一部抜粋

(前略)
 2002年6月3日後楽園ホール、私はその友人の試合を観るために「大日本プロレス」の会場にいた。お目当ては第二試合に組まれた、大阪にある格闘技道場のトリオ“REX Japan”チーム対大日本正規軍の6人タッグ試合である。前者はグローブをつけており、女性客から声援を受けて目立っていたのが井上勝正だった。

 最初に共通の仲間から紹介されたとき、「タナカさんの本を読んで感動しました」とこの青年は切り出した。しかし、当時の彼の試合はプロになりきれてなくて話にならなかったものだ。そもそも「プロレスとは何か?」から教えなければならなかった。

 多団体時代のせいで、セミプロとしてリングにはあがっていた。もう何十試合もこなしてはいたが、元格闘家というキャラクターが悪い意味で抜けない。マジにやり過ぎて問題を起こし、現場監督から謹慎処分を食らったこともあった。どこで力を抜き、どうやって呼吸を整えるか、まだ、プロレス芸術の何たるかを理解していなかったのだ。
 ところがこの日、井上は何かがはじけていた。正規軍の松崎駿馬らにボコボコにされ、最後はお約束でフォールされたが、その手にはマイクが握られていた。

 「オレは本当のプロレスラーになりたいんだ!」「今日でREX Japanはやめる」―――実人生をそのままアングルにした宣言が飛び出したあと、井上はグローブを外して味方のREX Japan軍に投げつけた。この夜から、彼は晴れて大日本の一員となった。

(以下略、本書をお買い求めください)
7・27世代闘争勃発 8・28デスマッチ総選挙 若作り★井上勝正引退

別冊ミルホンネット これが2009年デスマッチの今だ!!