ちょっとおかしいとは思わないだろうか?
何とあの『ハッスル』に新日本プロレスが所属選手である永田裕志と獣神サンダー・ライガーを貸し出すことを発表したのだ。
『ハッスル』といえば新日プロにとっては目の上のタンコブというか、触れてはいけない禁断の団体だったはずだ。かつて小川直也が新日プロのリングでハッスルポーズをしようとしただけで、血相を変えて阻止していたほどだ。
今年のG1クライマックスに『ハッスル』からTAJIRIが出場した際も、所属先や発言の中に「ハッスル」というフレーズは出てきていたが、TAJIRIのコスチュームに入っていた『ハッスル』のロゴマークはなくなっていた。
それにG1で作った因縁を『ハッスル』に持ち込むようなことはなさそうだし、ハッスルエンターテインメントの山口日昇社長は、イベントの中で「私のあずかり知らないところで」TAJIRIがG1に出場したと発言。
ところが、元新日プロ所属選手である越中詩郎のデビュー30周年記念大会とはいえ、永田&ライガーがあの『ハッスル』に出場することが正式に発表されたのだから、やはり驚きを隠せない。
TAJIRIを借りた見返りにという理屈は分かるが、社長のあずかり知らないところでTAJIRIがG1に出たのに見返りをするというのも不思議な話だ。
さらに蝶野に至っては同期の武藤がデビュー25周年記念試合を行う8月30日の両国国技館は分かるが、その1週間前に同じ両国国技館で行われたインディー団体DDTの試合にも出場。ライガーも『ハッスル』だけではなく、8月30日のユニオンプロレス(DDTの別ブランド)の後楽園ホールに出場する。そういえば金本浩二も今年3月22日のドラゴンゲート両国国技館に出場した。
これまでも新日プロのトップ選手を他団体に貸し出すことが、まったくなかったわけではないが、トップクラスの選手を他団体に貸し出すということは、新日プロ側にもメリットがあって当然。ところが蝶野、永田、ライガー、金本クラスを『ハッスル』をはじめ、DDTやドラゴンゲートあたりに貸し出しても、新日プロ側にあまりメリットがあるように思えないのだが・・・
その辺の気になる“裏事情”については、元『週刊ファイト』編集長の井上譲二記者がきっちり取材をして『マット界舞台裏』の読者にだけこっそりと教えてくれている。当然、やんごとなき“事情”があるからこそ、そういった選手の貸し出しをしているわけだが、井上記者はただ裏事情を明かすだけでなく、プロレス界のことを思って苦言も呈している。
週刊マット界舞台裏’09年8月27日号
なお、今号のファイト!ミルホンネット編集部担当ページは、タブーには弱腰の他誌を尻目にミルホンネットにしか出来ない強力レポートや分析記事ばかりを厳選して収録。情報マニアの必携号に仕上がった! 内外タイムス新オーナー逮捕、カート・アングル逮捕とTNA危機、ジナ・カラーノ&ストライクフォース記録更新など、見逃せない情報の宝庫だ。
今週の「マット界舞台裏」は選手貸し出しに見られる新日プロのある事情に迫る!
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